8.国際提携
日本でピアノが普及して以来、私たちは西欧を頂点とした教育モデルを追い求めてきました。しかし21世紀に入り、2000年度ショパン国際コンクールで中国のユンディ・リが、2002年度チャイコフスキー国際コンクールで日本の上原彩子が優勝を遂げ、音楽史に新しい歴史が刻まれました。これまで西欧に追いつけ、追い越せだったアジアのピアノ教育が、今や世界を先導する立場になった、といっても過言ではありません。
これからも西欧がモデルの一つであることに、変わりはないでしょう。しかし、私たち独自のピアノ教育文化を醸成する時期にきています。独自性は、多くのものに交じり合って自分を意識するところから、初めて発揮されます。そのためには、世界中にネットワークをはり、最新情報に耳を傾け、また発信し、世界中の人と交流することが大切です。その気概が、日本をピアノ教育先進国に押し上げることになります。
世界のピアノ指導の潮流は、日々進化しています。ピティナでは、常に最新情報をご提供すべく、世界中の一流ピアノ教育者、ピアニスト、大学・音楽院、団体との交流を深めてきました。ピティナで育った若いピアニストを世界の才能と交流させたり、ピアノ指導者同士が国境を越えて刺激しあえるような、21世紀にふさわしいグローバルな展開を目指します。
国際コンクールレビュー
国際コンクールは様々な国籍とバックグラウンドを持ったピアニストが競演する場。課題曲の選択から曲の解釈、演奏、ステージマナーに至るまで、その個性は十人十色です。1ヶ月近くに及ぶコンクール期間中、第1次予選から決勝まで1曲も漏らさず聞き通してレビューを書く、という離れ業をやってのけるのは、音楽評論家の諌山隆美氏。即日更新されるレビューは、会場の緊迫感やステージの熱まで伝わってきて、臨場感たっぷりです。
| コンクール名 | 見どころ・レビュー期間 |
|---|---|
| エリーザベト王妃国際コンクール(ベルギー) | ブリュッセルで開催されるエリーザベト王妃国際コンクール。良質かつハイレベルな入賞者を輩出するコンクールとしても有名。課題曲はかなり過酷である。 |
| ショパン国際コンクール(ポーランド) | これまでの入賞者の多くが、世界的な活躍をするピアニストとして知られるショパン国際コンクール。全曲レビューのほか、ショパン年表、全作品一覧、ショパン op.順作品一覧、楽譜、資料・書籍、CDなどの紹介や、ワルシャワの街風景も堪能できる。(全30日間) |
| チャイコフスキー国際コンクール(露) | 世界の音楽コンクールの中でも最高レベルのひとつに数えられるチャイコフスキー国際コンクール。レビューは2002年6月開催分のリポート。レ ビューのみならず、課題曲や審査員についての情報、過去チャイコフスキーコンクールの歴史など、 チャイコフスキーコンクールの様々なデータあり。またチャイコフスキーの年表や作品一覧、CD等も紹介している。全30日間) |
| ジーナ・バックアゥワー国際コンクール(米) | 11歳からのジュニア部門や、14?18歳のヤング・アーティスト部門、そしてアマチュア部門まで設けられ、あらゆるピアニストを対象にしたとい う点で、恐らく世界最大のピアノコンクールであるジーナ・バックアウワー国際ピアノコンクール。1999年に開かれたヤング・アーティスト部門では、昨年 のショパンコンクールの覇者ユンディ・リが優勝し、世界が注目するコンクールである。ピティナとの提携も長く、進行方法や内容にも斬新な特徴を備えてい る。(全15日間) |
| 2002World Piano Competition(米) | 米オハイオ州シンシナティで、2002World Piano Competitionが開かれている。主催はAMSA(The American Music Scholarship Association)。演奏家部門(Artist Division)と若い演奏家部門(Young Artist Division)に分けられ、演奏家部門は予備選考にて10名に厳選されて開催される。 |
| 青少年のためのチャイコフスキー国際コンクール(in 廈門・中国) | 仙台でも開催され、今や世界的活躍を見せるラン・ランがかつて大きな注目を浴びたことでも知られる。2003年度は倉敷市、2004年はチリで開催予定。 |

