ピアノステージ

Vol.02-1 Stage+人(すてーじん)(2) 関本昌平さん

2006/11/30

撮影:武末幸繁 2006年10月29日カーネギーホール大ホール(スターンホール)
21歳にしてコンサートピアニストとして活躍中の関本昌平さん。ピティナデビューは、小学4年生のとき。その後数々のステージでその素質を伸ばしていった。関本さんにとっての「ステージ」とは?
 カーネギーホールの舞台を踏む

  音楽の殿堂として知られるニューヨークのカーネギーホール。小ホール(2000年)、中ホール(昨年)に続き、今年は大ホールでの演奏の機会を得た。チャイコフスキーに始まり、世界中の偉大な音楽家がその芸術を披露した歴史あるステージに、「やっぱりすごい雰囲気があって、あ~、ここがカーネギーか、と。格調高い雰囲気に引き込まれるように、自分の気持ちも高まり集中して演奏できました」

  国内外の数々のホールで演奏するたびに、「同じ楽器(ピアノ)で演奏していたらわからない、いろんなことに気付かされる」という。
「ホールによってピアノの重さ、跳ね返り、響き、全部が違う。条件の悪いところでさえ、かえって新しい何かを感じたることが多いです。もうちょっとこう弾いてみようと試みたことが成功して、今度弾くときにまたそれをやってみよう、とか、実験失敗と思ったことが逆に効果的になったり。弾くときは"こう弾く"という意志をはっきりさせることは大事だけど、いろんなインスピレーションを取り入れる可能性も大事だと思います。順応性をもって、いろんな可能性を自分で常に感じていたいですね。」


 ラフマニノフのお墓を前に
Stage+人(ステーじん)(2)
恩師の二宮裕子先生と、ラフマニノフのお墓の前で

 大学での研鑽を積む一方で、コンサートピアニストとしての活動も、忙しさを増していく日々。勉強した先にコンサートがあるのではなく、コンサート活動も含めて生涯勉強、というスタンスだ。
「ツアーが多くても演奏会が多くても、練習しているのは、プログラムの曲ばかりではないです。ピティナを受けていたころでも、課題曲は課題曲として練習するけれど、その他の曲もたくさん弾いてきた。今でも基本的には変わらないですね。あまり同じ曲ばかりを弾きすぎると、新鮮でなくなってしまうから。」

 カーネギーホールでの演奏の翌日、恩師とともに、ラフマニノフのお墓参りをした。
ラフマニノフの命日である3月28日、東京のサントリーホールでラフマニノフのピアノコンチェルト(第3番)をN響と共演する大ステージを迎える。


関本昌平
関本昌平 Shyouhei Sekimoto
1985年大阪生まれ。5歳でピアノを始め、2004年桐朋女子高等学校音楽科(共学)卒業後、ローム・ミュージック・ファンデーション奨学生として渡欧、2005年エコール・ノルマル音楽院卒業。2006年4月桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース入学。1998年第3回KOBE国際学生コンクール兵庫県知事賞。ショパン国際ピアノコンクール・イン・アジアでは、2000年中学生部門・2005年派遣コンクールいずれも金賞。2003年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ及び第1回福田靖子賞。同年、第5回浜松国際ピアノコンクール第4位入賞。2004年第8回松方ホール音楽賞大賞。2005年第5回モロッコ国際音楽コンクール優勝および、第15回ショパン国際ピアノコンクール第4位入賞。2006年青山音楽賞新人奨励賞及び第32回日本ショパン協会賞受賞。2001年川西市みつなかホールで初リサイタル。これまでに、関西フィル、日本フィル、読売日響、東響、アンサンブル神戸、ワルシャワ国立フィル、大阪フィル等と共演するほか、コルトー・ホール、カーネギーホール"THE PASSION OF MUSIC"への出演など国内外で活躍。2006年2月ショパン作品集を収めたデビューアルバムをリリース。これまでに、稲垣千賀子、ミハイル・ヴォスクレセンスキーの各氏に師事。二宮裕子氏に、14歳から師事し現在にいたる。

Vol.2 INDEX


2006年11月30日発行
Stage+人(すてーじん)(2)
様々なホールやピアノとの出会いがインスピレーションを生む
関本 昌平さん
ステージが育てる不思議な力(2)
教室の日常に仕掛ける大小さまざまなゴール
ジェーン・バスティン先生
宮澤家の3つの教育イデー
目指すのは「時間・空間を超えた教育」
宮澤功行先生&陽子先生
ピアノのある生活(2)
忙しいほうが、自分自身もピアノも充実しますね
太田健介さん
目指せ、ステージの達人(2)
Q&A~「本番までに準備できることは?」
杉谷昭子先生
ピアノ教養クイズ(1)
「ピアノの歴史と構造」編
岳本恭治さん

ピティナ編集部
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