ピアノステージ

Vol.01-7 目指せ、ステージの達人(1)林 苑子先生

2006/07/31
目指せステージの達人(1)
林苑子先生 林 苑子先生
はやし そのこ◎東京藝術大学ピアノ科、同専攻科卒業。在学中に安宅賞受賞。その後、ソロ及び室内楽、声楽の定期サロンコンサートを企画、演奏。NHK番組レギュラーも務める。89年国内初の大人のためのピアノ入門書『大きなピアニスト』を出版。ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会にて金賞、銅賞の受賞者を輩出。社団法人全日本ピアノ指導者協会評議員。アドバイザー派遣委員会委員長。ステップ担当者連絡会副委員長。

ピアノを弾くまでの自然な動きとは?
目指せステージの達人

5人、4人・・・と、着々と自分の出番が近づいてきます。舞台袖ではステージの演奏が聞えます。

 同じ課題曲が、違うスタイルで弾かれていると不安になりますね。でもヒトはヒト、自分のイメージを信じましょう。冷房で肩や手が冷えないようにカーディガン等を用意して、周囲に迷惑をかけない範囲で、指の体操や肩回しで血行を良くしておきます。深呼吸してリラックスすることもポイントです。これから演奏する曲の楽譜を頭に思い浮かべ、特に初めの部分をイメージします。

ステージの達人1

 いよいよあなたの出番です。ステージに踏み出す最初の一歩は大きく、胸を張ってあごを引き、まっすぐ前を見て腕の力を抜き、堂々と歩きましょう。大股歩きやちょこちょこあるきは不自然です。ふだんから美しい歩き方を練習しておくと、健康でカッコイイ人になれますよ。

 お辞儀の位置でかかとをつけて、まっすぐ立って正面を見ます。「私のピアノを聴いて下さい」と、ゆっくり言いながら、背中から体を前に倒し、自然に下げた手をちょっとだけ停めて、ゆっくりと体を戻します。お辞儀で気になるのが<手の降ろし方>です。体の前で平行に降ろすと体操をしているみたいですね。両腕で円を描くようにするのも幼い感じ。そこで考え出されたのが、おへその上に手を組むお辞儀です。これを不自然にやると、おまじないのように見えるのも困ったものです。身体の横に腕を添わせ、指先を軽く曲げるのは男の子向きでしょうか。女の子は身体に添って腿の辺りで指先を揃えて停める日本風のお辞儀かしら。いずれにせよステージの達人1腕を体から離さず始め、まん中、終わりで少し停めるときれいです。自分に似合う形を探しておきましょう。

 お辞儀を終えたら椅子を調整します。この時、お客様にお尻を向けないように椅子の後ろにかがむか、奥から右手で調整するよう練習しておきます。腰掛けて、ペダルを使うのなら1回しっかり踏んで,座る位置を確認します。さあ演奏に集中です。深呼吸しながら曲によって情景を思い浮かべる、テンポを数える、フレーズを歌う、鍵盤に手を置く等、約束があるでしょう。いつもその手順で弾き始める習慣をつけておきましょう。鍵盤を良く見て。ほら、自然に身体が動いて、音が流れていきます。

Vol.1 INDEX


2006年7月31日発行
Stage+人(すてーじん)(1)
クラシックとポップス
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ピアノのある生活(1)
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目指せ、ステージの達人(1)
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ピティナ編集部
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