ピアノステージ

Vol.07-1 特集 現代ピアノで探るバロック音楽の世界

2008/06/30
現代ピアノで探る バロック音楽の世界
 17世紀から18世紀半ばにかけて、日本では江戸時代前半にあたるバロック期に、ヨーロッパでは、王侯貴族やキリスト教会のもとでバロック音楽が栄え、現代ピアノの前身となる数々の鍵盤楽器が登場しました。この時代の音楽は、教会や宮廷でどのように演奏され、現イタリア、フランス、ドイツの地域ごとにどのような特徴をもって展開されたのでしょうか。各地で様々な形の音楽があったこと、バロックの自由さや、後の音楽に影響を与えた要素を知ることが、ピアノを演奏する上でとても役立ちます。それでは、バロック音楽の世界を、ご一緒に探っていきましょう。
林苑子 企画・文:ピティナ目白カンタービレステーション(代表:林 苑子)
※この特集は、2008年6月8日ピティナ・ピアノステップ目白バロック地区で開催したトークコンサートをもとに、編集・構成いたしました。
ドイツのバロック期
宗教改革後のドイツでは、カトリックから独立したプロテスタントの教会で、合唱、オルガンなどによる、神を讃え、祈る音楽が発達しました。ともに1685年生まれのJ.S.バッハとヘンデルも、ルター派のプロテスタントでした。バッハはルネサンスまでの音楽をまとめ、教会旋法から平均率に調性を体系化し、、ポリフォニーの可能性を追求し、組曲により民俗音楽の舞曲をまとめるなど、バロック音楽の集大成を図りました。
現代ピアノで探る バロック音楽の世界
フランスのバロック期
絶対王政の全盛期、王ルイ13世~15世の時代です。栄華を極めたベルサイユ宮殿の劇場では、宮廷バレエやオペラが演じられました。着飾って集まった貴族たちは、きらびやかなサロンに置かれたクラヴサン(豪華な家具のように飾りや絵がついて、一台一台個性のある高価な特注品でした)を囲んで、演奏を楽しみ、舞曲に合わせて踊りました。
イタリアのバロック期
ローマ文化の発祥地、キリスト教の本山をもつイタリア半島は、音楽でも他国をリードする存在でした。1607年バロックオペラの代表作、モンテヴェルディの『オルフェーオ』が初演、1637年ヴェネツィアに世界初のオペラ劇場ができると、オペラは庶民の楽しみになります。そして、ピアノの前身である鍵盤楽器、チェンバロが大活躍。合奏にも独奏にも使われ、ソナタ(器楽用)の時代を支えました。
イタリア・フランス・ドイツで、バロック音楽はどう発展?

 電気も自動車もない、馬車の時代。コミュニケーション手段も発達していませんでした。アルプスに隔てられた北と南では、それぞれの地方にむかしから伝わる踊りや音楽を大切にしてきました。バロック音楽にもその違いが現れています。そして、商業の往来、吟遊詩人の登場、キリスト教会の活動によって、徐々に他地域の文化伝承、音楽の普及が進んでいきました。

教会や宮廷では、どのようなバロック音楽の演奏が?

鍵盤音楽では、教会のオルガン音楽と、宮廷のチェンバロ音楽が主流になります。神様に祈りを捧げる教会オルガンや聖歌隊の音楽は、ポリフォニーとして発展。宮廷では、お城の豪華なサロンに、着飾った貴族が集まって美しく装飾されたチェンバロを囲んで演奏やダンスを楽しみました。


Vol.7 INDEX


2008年6月30日発行
特集 現代ピアノで探るバロック音楽の世界
イタリアのバロック音楽~二部形式ソナタ
フランスのバロック音楽~クラヴサン曲
ドイツのバロック音楽~ポリフォニー
・2008ピティナ・ピアノステップ 継続表彰コンサート
・イベント情報~もっとバロック音楽を学ぼう!楽しもう!

ピティナ編集部
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