シューマン「子供情景」(1-7)　　 動画：(8,45s)

ピアノを弾く人には猫好きの人がなぜか多いようです。
実は僕の家にも「ヌキ」という猫がいます。少し変な名前ですよね。実は縞模様の尻尾がタヌキに似ていることろから命名しました。推定年齢５歳の雄猫です。猫好きの人にはよく「アメショーですね」と言われるのが（多分違うけど）自慢です。家に帰るとかならずドアのところで出迎えてくれて、とてもかわいいです。かまって欲しい時は必ず「ンニャッ。（ねえ）」と呼んで、こちらが振り向くと、「ドーン」と床に音を立てて横になって「見て見て」とアピールします。日課は「ヌキタワー」から外をパトロールすること。なんらかの異常・また侵入者（虫・鳥など）を発見すると猫特有のあの「シャーッ」の代わりに、ちょっと変わった「かっかっかっ！」という音を出します。おもちゃのねずみが大好きで、初対面の人にも社交的、カメラだけちょっと苦手、でもこちらが元気がない時はそばで慰めてくれる、優しい猫です。

３年半前の真冬、家の近くの駐車場で大変な風邪をひいているところを保護しました。ふつう野良猫は近寄ると逃げるのに、ヌキは自分から僕のひざの上に乗ってきてずっと座っているので、連れて帰りました。翌日、獣医さんへ連れて行くと、「病気がないか採血します」（首から！かわいそう）と看護士さんと２人で一生懸命押さえつけようとするけれどヌキちゃんは風邪でも細くても男ですから、力が強くて、大暴れ。格闘の末、その日はお医者さんの負けで、採血は次回・・となりました。でもそれから風邪薬も飲んで、色々な検査もして健康になりましたので、今はその獣医さんの事をどこか信頼しているみたいです。連れて行くと緊張していますが、「猫をかぶって？」おとなしくしています。

よく僕のかばんの中に入ったりしていますので、ヌキの「毛」はどこまでもついてきます。本番演奏中もなぜか黒いピアノに縞々の毛がついていたり、照明の中でフワーッと浮いていたり。「がんばって」と応援しているつもりでしょうか・・？

一番パニックしたのは居なくなった時の事。家のバルコニーから落ちたか、降りたか、さっきまで居たのに、とにかく姿が見えないのです。夜中でしたが、大慌てでヌキを拾った駐車場へ行ったり、家の周りを懐中電灯をもって探していると、小さな黒い影が・・・「居た！」と思ってつかまえると、猫も必死で逃げようとして、すごい勢いで噛んだり、ひっかいてきます。と、よく見たら全然違う猫でした。がっかりしてもう帰ってこないかも・・と、手を見ると血だらけ傷だらけでした。諦めて家へ戻り、バルコニーからぼんやり外を眺めていると階下の車の下に猫が２匹逃げ込んだのを見て、もしや、と見に行くとにおいに気がついたのか、ヌキちゃんが自分から出てきました。こうしてヌキの「プチ家出」は３時間で解決しました。よかった、よかった。手の傷も、大きいのは１０cmくらいのものもありましたが、２年ぐらいでやっと消えました。

自宅レッスン中も、ピアノを聴きたいのか、それとも仲間に入りたいのか、「部屋に入れて~」とせがまれて困ってしまいますが、僕にとっては大切な存在です。少し落ち込んでいるときも、ヌキをなでていると、寝顔を見ていると、本当に癒されます。動物は不思議なヒーリング力がありますね。音楽や楽器も聴いたり、弾いたりすることで、元気づけてくれたり、癒してくれたり。音楽も動物も、やさしく接すれば、やさしさを返してくれる。なんだかとても似ています。

ピティナの「グランミューズ」誌vol.9でもヌキを紹介してくれました。機会があったら是非読んでみて下さい。

それでは、また！

ルイ・レーリンク

７月２日（日）「外苑前ステップ」へたくさんのお申し込みをいただきました。本当にありがとうございました！