ピアノステージ

Vol.05-5 グランミューズ通信

2007/11/30
グランミューズ通信
2007年度 ピティナ・ピアノコンペティション グランミューズ部門選曲ランキング

 今年度グランミューズ部門に出場した参加者の皆さんは予選から決勝まで合わせて1,620組。どのような曲が演奏されたのだろうか?選曲の傾向を調べてみた。

 作曲家別でみてみると、ショパンは参加者の5人に1人が演奏をするほどの人気ぶり。曲目別ではここ数年ベスト1を保持している「バラード第1番」を含め、バラードは4曲ともランクインしている。まさにピアノ愛好家にとって憧れの作品といえるだろう。ほかにはリストやスクリャービンなどの難易度が高いとされる作品もランキング上位に入っており、グランミューズ部門のレベルの高さを感じさせる。
作品の年代としてはロマン~近代の作品で占められたが、国別ではフランス、ロシア、スペインまでグランミューズならではの多様性に富んだ選曲となった。そのほかトップ20では影をひそめているが、定番のドイツものはレパートリーの多様化が進み、選曲が分散したといえよう。

2007曲目別ランキング
順位 作曲者 / 曲名 (国) 回数
1 ショパン/バラード 第1番 ト短調 (ポーランド) 22
2 ショパン/スケルツォ 第2番 (ポーランド) 19
3 ショパン/バラード 第3番 変イ長調 Op.47(ポーランド) 18
4 ドビュッシー/喜びの島 (フランス) 17
5 ショパン/バラード 第4番 ヘ短調 (ポーランド) 15
6 スクリャービン/ソナタ No.2 Op.19 「幻想ソナタ」 (ロシア) 13
7 グラナドス/演奏会用アレグロ(スペイン) 12
7 ショパン/舟歌(ポーランド) 12
7 ラヴェル/"鏡"より"道化師の朝の歌"(フランス) 12
7 ラヴェル/水の戯れ(フランス) 12
7 リスト/愛の夢 第3番(ハンガリー) 12
12 シューマン/アレグロ Op.8 (ドイツ) 11
12 ショパン/ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58 第4楽章(ポーランド) 11
14 ショパン/バラード 第2番 ヘ長調 Op.38 (ポーランド) 10
14 ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第14番 Op.27 No.2 月光 第3楽章(ドイツ) 10
16 グラナドス/「ゴイェスカス」より 「愛と死」(スペイン) 9
16 ドビュッシー/「映像 第1集」より 水の反映(フランス) 9
16 ドビュッシー/アラベスク 第1番 (フランス) 9
16 ブラームス/2つのラプソディより ロ短調 Op.79-1 (ドイツ) 9
16 ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」 第1楽章 (ドイツ) 9
2007作曲家別ランキング
順位 作曲者 回数
1 ショパン 305
2 ベートーヴェン 113
3 リスト 112
4 ラフマニノフ 110
5 ドビュッシー 97
6 シューマン 68
7 ラヴェル 51
8 ブラームス 51
9 スクリャービン 47
10 モーツァルト 32
Grand MuseVol.12「冬」特集

ピティナ・グランミューズ会員の皆様には年に3回、会員特典として特別楽譜「Grand Muse」をお送りしている。
このたび、冬をテーマに選曲した「Grand MuseVol.12」が発行された。前回お送りした楽譜のアンケートで多数寄せられた「知られざる名曲を」とのご要望にお応えして下記の通りの選曲となった。その中からあまり耳馴染みのない作曲家ポルドマエ、ドホナーニ、ヴェレツについてご紹介。

ポルドマエ ポルドマエ(1945~/ Alo Poldmae)...エストニアの作曲家。1970年、タリン音楽院卒業。音楽編集者としてエストニア放送と旧ソ連の映画製作スタジオであるタリンフィルムで活躍後、1993年よりエストニア演劇音楽博物館の音楽部長となる。繊細で叙情的なメロディを特徴とする。
ポルドマエ ドホナーニ(1877~1960/ Ernst von Dohnanyi)...ハンガリーの作曲家。世界的な指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニは孫にあたる。ピアノ、作曲をブダペスト王立音楽院(後のリスト高等音楽学校)で学んだ。後に同校の教授、校長となり、ハンガリーの音楽界に大きな功績を残した。門下からは指揮者のフリッチャイ、ショルティ、ピアニストのゲザ・アンダなど輩出。バルトーク、コダーイと同時代であるが、彼らほど直接ハンガリー的特徴はあらわれていない。最も影響を受けた作曲家はブラームスであり、ロマンティックな作風が特徴。
ポルドマエ ヴェレツ(1885~1974/ Egon Joseph Wellesz)...オーストリアの作曲家。音楽学をアドラーに対位法などをシェーンベルクに学ぶ。主に音楽学者として亡命先のオックスフォード大学で教鞭をとり、バロック・オペラ、ビザンツ音楽の研究で貢献した。作曲家としてはマーラーやシェーンベルク影響され無調の曲を特徴とするが、厳格な十二音主義者ではなかった。

上記作曲家の他の作品はピティナのオンデマンド楽譜販売サービス「ミュッセ」で入手可能。「ミュッセ」の取扱作品は現在7500曲以上で、主要レパートリーのほか、他では手に入らない貴重な作品や、連弾・室内楽なども含めて豊富な品揃えとなっている。皆様も思い思いの選曲で楽譜を作ってみませんか?


夏の感動を再び!グランミューズ部門 入賞者記念コンサート

 2008年2月23日(土)東京・代々木のHakuju Hallにて「グランミューズ部門入賞者記念コンサート」が開催される。グランミューズ部門全国決勝大会の上位入賞者14組15名が出演。夏のコンペでは演奏しなかったこだわりの曲も披露する。今年のコンクールを振り返りたい方も、来年度に向けてグランミューズの熱気を一足先に感じたい方も、ぜひご来場いただきたい。

グランミューズ入賞者記念コンサートチラシ

 ◎日時 2008年2月23日(土)17:30開場 18:00開演 
 ◎会場 Hakuju Hall
 (千代田線・代々木公園駅/小田急線・代々木八幡駅より各徒歩5分)
 ◎チケット 全席自由:一般2,500円/会員・学生2,000円
 ◎お問い合わせ 全日本ピアノ指導者協会 本部事務局
  TEL:03-3944-1583 FAX:03-3944-8838
  Email:event@piano.or.jp
 ◎主催 (社)全日本ピアノ指導者協会(略称ピティナ) 
 ◎協力 Hakuju Hall 
 ◎協賛 株式会社河合楽器製作所

⇒詳細情報はこちら

2008年度 グランミューズ部門変更点

2008年第32回ピティナ・ピアノコンペティショングランミューズ部門の開催概要が11月30日に発表となった。変更点については下記の通り。(詳細はグランミューズ部門要項をご覧ください。)

日程、会場についてはグランミューズ部門要項・HPにてご確認下さい。

2008年度 第32回ピティナ・ピアノコンペティショングランミューズ部門参加要項(無料)のご請求はピティナ・ホームページ、メール、または郵送で
・ホームページ
  こちらよりダウンロード可
・Eメール:compe@piano.or.jp
  (部数・送付先・電話番号 を明記のこと)
・郵送
 〒170-8458
  (社)全日本ピアノ指導者協会
  「グランミューズ部門要項請求」係
 ※部数・送付先・電話番号を明記のこと。上記の郵便番 号を正しくご記入いただければ住所は不要。

2008年度グランミューズ部門要項変更点
A1カテゴリー
2007年度 ●
予選・本選・決勝大会では、同一曲の演奏可
2008年度 ●
予選・本選の課題曲は重複不可(決勝大会は予選・本選との重複可)


B1カテゴリー
2007年度 ●
23歳以上を対象とした音楽愛好者のためのソロ部門
音楽大学のピアノ専攻で学習していないことが条件
2008年度 ●
23歳以上を対象とした音楽愛好者のためのソロ部門
音大、専門学校等のピアノ専攻で学習していないこと、ピアノを職業(指導・演奏により報酬を得る)としていないことが条件


B2カテゴリー
2007年度 ●
40歳以上を対象とした音楽愛好者のためのソロ部門
音楽大学のピアノ専攻で学習していないことが条件
2008年度 ●
40歳以上を対象とした音楽愛好者のためのソロ部門
音大、専門学校等のピアノ専攻で学習していないこと、ピアノを職業(指導・演奏により報酬を得る)としていないことが条件


Yカテゴリー
2007年度 ● ソロ部門との併願可
2008年度 ● ソロ部門との併願不可

Vol.5 INDEX


2007年11月30日発行
Stage+人(3)
聴くものを心地よい安らぎの世界へ誘う 情感豊かな倉本ワールド
倉本 裕基さん
Stage+人(4)
ロン・ティボー国際コンクール優勝!
「過去の再現ではなく 現在(いま)を創造したい」
田村 響さん
音楽の仕事風景(2)
[音楽]×[ビジネス] 音楽で培った感性は、企業の中でも活きる
南部 靖之氏(パソナ社長)
ピアノのある生活(4)
医学界とピアノ教育界で生涯現役の原動力を探る
日野原 重明先生(96)
藤沢 克江先生(90)
ステージあらかると
「トークコンサート祭」
グランミューズ通信
コンペ選曲ランキングほか

ピティナ編集部
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