丸の内エリアコンサート:音楽のORIGINESへの旅

2024/04/25 執筆:専務理事 福田成康

東京の春を彩る「丸の内エリアコンサート」を、今年もゴールデンウィークに実施します。

今年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭(LFJ)のテーマは、「ORIGINES(オリジン)」。様々な国々の作曲家たちが受け継ぎ、次の世代へ紡いできたクラシック音楽の伝統にスポットライトを当てます。

オープンスペースの演奏会には、ピティナから50名以上の音楽家たちが参加し、それぞれが音楽の歴史と向き合ったプログラムを披露します。またコンサートホールでなく、街角で、皆が楽器を取り囲み、体を揺らしながら音楽を聴く、そんな体験もまた、音楽の「ORIGINES」であると言えるかもしれません。

長い歴史を持つ音楽を受け継ぎながら、自らの感性と向き合い、新しい音楽を創造していく若い音楽家たちと、新緑に包まれた丸の内でのひとときをお楽しみください。

ピティナ会員という

2024/04/18 執筆:専務理事 福田成康

今年(2024年)の1?3月は、過去の同じ期間と比べて最も多くの新入会の方がいました。

とりわけ家族会員が大幅に増えているのが特徴です。家族がピアノを通じて時間を共有することに、かけがえのない価値を感じる方が増えていることの表れだと思います。

また、指導者や保護者をはじめ多くの方々から、入会後に人とのつながりによって安心感や意欲が増したという声をいただいています。

生徒さんと指導者の間にはピアノの演奏技術を向上を目指すのみならず、強い絆が育まれます。さらにはピティナという大きな枠組みの中で多様で「ゆるい繋がり」を増やしながら、音楽を通じたウェルビーイングを広めていきたいと考えます。

皆さんのご入会を心より歓迎するとともに、今後加わってくださる方々をお待ちしています。

アドバイザーが光を当てる地域の音楽資源

2024/04/11 執筆:専務理事 福田成康

ステップのアドバイザーは参加者の方々へのアドバイスのみならず、全国各地のスポットに光を当てる役割をしていることをご存知でしょうか。アドバイザーにとってステップはその地域の新たな音楽と出会う場でもあります。

新たに出会うのは。参加者の演奏はもちろん、会場や楽器、ストリートピアノといった、その地域に根付く諸々の「音楽的資源」ということもあります。

今回のトップニュースでは、訪問先でストリートピアノを演奏されるアドバイザーの演奏などをご紹介します。「次回参加するアドバイザーはどんな先生で、どんな活動をしているのだろう」そんな視点をもってステップに参加されると、一味違う経験が得られるかもしれません。

ピティナ音楽研究所3年目の近況報告

2024/04/04 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ音楽研究所は2022年に設立され、今年で3年目を迎えます。

最新の音楽研究とレッスンや演奏の現場が連携して発展することを願って研究所を設立しました。

たとえば装飾音の入れ方、様式に合ったルバートのかけ方といった演奏法、演奏・指導する曲目の選択、生徒さんにどう伝えるか、どのように成長を導くか、進路をどう考えてあげたらいいのかといった指導に関する内容など、音楽の研究が日ごろのレッスンに役立つ場面はたくさんあります。いっぽう、演奏や教育の実践で起きることの多くは学術研究の糧となります。

この度、新たに2名の協力研究員が着任しました。研究に励み、ピアノ・音楽業界をより豊かなものにしてもらいたいです。また、私自身も大学院で学んだ成果を還元したく、専門研究員として着任します。

背中を押すのも指導のうち

2024/03/28 執筆:専務理事 福田成康

4月1日から、2024年度コンペティションの申込受付がスタートします。

私は高校1年生の時に顧問の先生から陸上競技部に誘われました。そこで過ごした2年間はその後の人生に大きな影響を及ぼしました。具体的な助言以上に、誘っていただいたことそのものが最高の「指導」でした。

本人や親御さんが気づいていない未知の可能性を指し示し、背中を押してあげることこそが指導者の大きな役割です。多くの可能性に出会うべき時期にこそ、ピアノを学ぶ人たちの成長を願って入念に設計された、コンクールの仕組みをご活用いただきたいと願っています。

今年も多くのピアノ指導者・学習者の皆様との出会いを楽しみにしています。

公開録音コンサートのお知らせ

2024/03/21 執筆:専務理事 福田成康

様々な場面で音楽に触れたとき「この曲についてもっと知りたい」と思う瞬間があります。それがピアノ曲なら、インターネットで検索すればピティナ・ピアノ曲事典のページに辿りつくことが多いはずです。

ピアノ曲事典は、約90,000ページと22,000点以上の動画リンクをもつデータベースです。ここで試聴できる曲を増やすためのコンサートが2010年より継続して実施している「公開録音コンサート」です。

現時点で通算290回に到達し、2024年度中には300回を超える見込みです。《25の練習曲》で身近なF. ブルグミュラー没後150年を記念した連続公演など、工夫を凝らした企画を用意しています。皆様のご来場をお待ちしています。


ステップ課題曲のご紹介

2024/03/14 執筆:専務理事 福田成康

ステップは継続学習を応援するステージです。その中の23ステップでは、約7000曲が課題曲として演奏できます。

継続するにはピアノそのものを好きになることが大切です。その次の段階として基礎的な技術や外枠を学び、多くの曲と出会いながら自分の憧れの姿へ近づいていく。23ステップの課題曲はそんなステップアップができるように選定されています。

今回は2023年度に演奏された23ステップ課題曲のランキングや、教則本を紹介しています。7000曲もあるからこそ悩んでしまう先生もいらっしゃると思います。ぜひそんな先生方にレッスンの進め方のヒントとしてこのページをご参考にしていただけますと幸いです。

コンペ課題曲の有効活用

2024/03/07 執筆:専務理事 福田成康

コンペ課題曲は、ソロ部門A2からB級では1つの級につき13曲です。選定委員が1年間かけて選んでいます。これらの曲には色々な調性、拍子、曲調がバランスよく入っており、教育の上で取り組む価値が高いものです。

課題曲はまず指導者の皆様に全曲弾いてみることをお勧めしたいです。また今年は「YouTube聴き比べ動画」の数を増やして例年以上に充実させています。多くの曲を聴けば視野が広がり、一つの曲について何種類もの演奏を聴けば理解が深まります。使い方によって様々な学びを得られますから、コンペの参加有無に関わらず、課題曲を有効活用していただきたいです。

さらには「私はこれが好き」「こんな風に弾いてみたい」といった感想から始まって先生と生徒さん、あるいは親子の間で対話が生まれ、楽しく充実した学びにつながることを願っています。

競い合いが人を磨く

2024/02/29 執筆:専務理事 福田成康

子どものピアノコンクールは動機付けの一手段で、貴重な人格形成の場です。

競うという字は2つの「儿(人)」で成り立ちます。他者の存在が刺激となって、未来にむけて努力する意欲が湧きませんか。

全員が望む結果を得られるわけでないという点も重要です。相対評価を経験した人であれば、結果は個人の努力だけで決まるものではないと身をもって知っています。いきすぎた自己責任論に偏ることなく、他者にも自分にも寛容でいられます。

今年は新たに「動画予選」を実施します。地域や日程の制約を超えてコンクールを体験することが目的です。より参加しやすくなったピティナ・ピアノコンペティションを、ぜひ多くの指導者・学習者の皆さんに活用していただきたいと思います。

ピアノの練習時間に関するアンケート結果報告

2024/02/22 執筆:専務理事 福田成康

多くの生徒さんはピアノ指導者が思っているよりも、よく練習をしています。

ピアノ上達のカギは練習ですが、その内容はブラックボックスでした。練習の成果を測るのはレッスンでの演奏の出来栄えです。そこで問われるのは多くの場合、練習量すなわち時間でした。「たくさん練習してえらいね」あるいは「もっと練習しなさい」という言葉がけになるわけです。しかし実は「練習の質」こそ大事だということがわかってきました。

現在、開発中の「hiketa(仮称)」では、自宅練習で取り組んだ内容を指導者が閲覧でき、練習プロセスが可視化されます。また、自主的な練習を支援するシステムのため、保護者もずっと付き添って練習に付き合うことなく、指導者も生徒の自宅練習が増えることで音楽表現により力を入れることもできるようになるでしょう。生徒、保護者、指導者それぞれに、音楽を通して豊かな人生が提供できるシステムとなるべく、開発を進めて参ります。

提携コンクールで多様なコンクールをご紹介

2024/02/15 執筆:専務理事 福田成康

今月行われたバッハコンクール全国大会では2,500人以上が東京のホールで演奏し、表彰式ではステージ上で参加者にトロフィーが渡されました。スポットライトを浴びての演奏、賞の重み、手にできなかった悔しさ。数々の心の機微が「ピアノを弾く自分」というアイデンティティを創ると思います。

日本はピアノコンクール大国です。バランス型のピティナ・ピアノコンペティション、バロックに特化したバッハコンクール、ポピュラーや連弾コンクールなどが、それぞれの特色を通じてピアノ学習者の個性を伸ばす多様な学びを後押ししています。生徒さんの「自分は弾ける」という自尊心や「もっと頑張りたい」という向上心を、それらのコンクールをうまく活用して伸ばしていただきたいです。

今回は提携コンクールを活用する3名のピアノ指導者にお話を伺いました。生徒さんが一歩踏み出すきっかけに、ぜひご活用ください。

アップライトピアノ再考

2024/02/08 執筆:専務理事 福田成康

静岡県楽器製造協会の調べによれば、2023年度の国内向け楽器生産販売実績では、アップライトピアノは、グランドの2倍強の台数となっています。また、販売数から見れば電子ピアノの普及が目覚ましいのですが、ピアノ学習をある程度継続している方々の間では、アップライトは今も多数派です。

アップライトは、一般的には板に囲われており、普段は鍵盤から先の中身が見えません。調律の際に外装板を外すことで露出する煌びやかな内部に、つい近寄って観察したという方も多いと思います。グランドよりも普及している身近な楽器ですが、楽器内部を見たり触れたりする機会は意外と少ないかもしれません。

今回5回目となる「ピアニスト×調律師徹底対談」のテーマは「アップライトピアノ」です。アップライトを味わい尽くすヒントを得る場として、あるいはその価値や意義を再認する機会として、ぜひご注目ください。

能登半島地震で被災した2ステーションへの援助

2024/02/01 執筆:専務理事 福田成康

1月1日に発生した石川県能登地方の震災に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

災害など様々な苦難が立ちはだかるたびに「音楽でできること」について考えます。日々の生活を取り戻す過程では、音楽活動が最優先となりにくいことは否めません。しかし、どんな状況にあっても音楽は心の支えになり得ますし、音楽で培われた共感や助け合いの精神は、多くの人々を救ってきました。

現在、能登半島にある2つのステーション活動の存続が危ぶまれています。ステップの再開は今すぐには難しいかもしれませんが、多くの方々が音楽に触れ、ともに学ぶ拠点を残したいと思います。ピティナは音楽を通じて助け合う組織です。会員の皆様のご助力をお願い申し上げます。

角野隼斗 UPRIGHT PIANO PROJECT 開催レポート

2024/01/25 執筆:専務理事 福田成康

最近、野球の大谷翔平選手が全国の小学校にグローブを届けたことが話題となりました。憧れの存在が応援してくれている実感をもつことは、子どもたちにとって大きな意味を持ちます。

角野隼斗さんが全国ツアーで使用されたアップライトピアノを貸し出す「角野隼斗 UPRIGHT PIANO PROJECT」は昨年7月に始まり、すでに全国8カ所を回りました。

ピアノが各地を巡る趣向は珍しいと思いますが、数々の創意工夫を凝らした企画が生まれ、全国各地へ角野さんのピアノを届けることができました。多くの人を集める求心力に感動するとともに、ピアノの新たな価値が生まれることを予感しています。

ピアノの継続学習につながる「連弾」

2024/01/18 執筆:専務理事 福田成康

2023年度のピティナ・コンペティションで参加者数が最も伸びたのはデュオ部門です。昨年のコンペのデータによると、学年が上がるほど連弾の参加率が大きくなっています。

連弾には一人では音楽を完成できない難しさがありますが、二人だからこそ生まれる新たな音楽に触れ合えます。他人と目標を共有することがピアノを継続するモチベーションを高めますし、お互いの演奏を聴き合い、コミュニケーションを図ることで社会性も身につきます。

「連弾」がピアノの継続学習に重要な役割を果たし、音楽的にも人間的にも成長させてくれると考えています。

3月2日(土)には、2024年度コンペデュオ部門の課題曲説明会を開催します。久々の実地開催で、特別な企画もご用意しています。ぜひご参加ください。

自治体連携のプロジェクトが進んでいます

2024/01/11 執筆:専務理事 福田成康

近年、経済状況や地域による子どもの「体験格差」が社会問題となっています。子どもの興味、関心、意欲を育み豊かな人間性や価値観を形成するうえでは、学校外の体験も重要な要素です。

このたび神戸市×ピティナ×神戸クラシック協会は、官民協働で神戸市内5か所のストリートピアノを活用し「ストリートピアノ無料体験教室」を実施しました。27名の子どもが4回のレッスンを受け、最終日に演奏を披露しました。貴重な体験になったはずです。

今後もより多くの自治体でストリートピアノを活用してほしいです。たとえば栃木県県庁ではピアノにいちごの装飾を施して「県庁Berry Piano」として今週末(1月14日)お披露目されます。実は発案者の一人なのでとても嬉しいです。

引き続きピティナでは、皆さんとともに音楽教育の力で社会課題の解決に挑戦していきます。

2024年度の指導セミナーは「レッスン」がテーマ

2024/01/04 執筆:専務理事 福田成康

「探究学習」の重要性が教育現場で頻繁に聞かれるようになりました。自ら問いを立てたのち様々な方法で答えを探す学習方法です。ピアノ演奏を磨く過程は自ら課題を設定し、情報を集めて表現する「探究学習」そのものだと思います。

2024年度の指導セミナーは指導の原点に立ち返って「レッスン」をテーマとしました。
第1部と2部は公開レッスンです。まずは生徒さんの演奏を聴いて「自分ならこう指導する」というイメージを持って臨まれると学びが深くなるはずです。学んだ成果をご自身の生徒さんのレッスンで活用=表現することで、指導力が磨かれます。

第3部は室内楽がテーマです。楽器を通じた上質なアンサンブルに触れるともに、会場での受講者どうしの対話も、ぜひ楽しみにご参加ください。

コンペ課題曲説明会は5年ぶりホール開催

2023/12/21 執筆:専務理事 福田成康

2024年3月1日、2日のコンペ課題曲説明会は、5年ぶりにホールで開催します。

課題曲説明会は毎年、コンペの開会式と位置付けて課題曲発表にあわせて実施してきました。演奏や解説はオンラインでも聴けますが、実地とは情報量が大きく異なります。そして講師や聴講されるピアノ指導者が一所に集い「今年も頑張りましょうね」と励まし合うことで実地開催ならではの空気感が生まれます。

今回は実地での交流を促すため、従来の説明会に加えて懇親会や作曲家によるトークコンサートなど新たな企画を盛り込みました。引き続きオンライン聴講を希望される方には、eラーニング加入者対象として、ライブ配信も実施します。

2024年コンペの開幕を一緒に迎え、モチベーションを高め合う機会として活用いただきたいと思います。

音楽総合力UPセミナーで新たな気付きと喜び

2023/12/14 執筆:専務理事 福田成康

「音楽総合力UP」企画は来年で節目の15年目を迎えます。このたび「音楽総合力UPセミナー(旧ワークショップ)」と改称しました。

今回も指揮者、様々な楽器奏者、脳内科医師、法学者、情報学研究者など、実に様々な講座が予定されています。

多種多様な分野の最前線で活躍されている先生方の話は、音楽をより深く、時には思ってもみなかった視点からとらえなおす良いきっかけになると思います。ふと目線を落として道端に美しい花を見つけ、あるいは偶然の出会いが人生を一変させるように、新たな気付きと喜びを与えてくれる学びとなるはずです

本日のトップニュースでは、音楽総合力UPセミナー2024のプログラムをご紹介いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

ピアノ教室紹介の現状報告

2023/12/07 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノ教室紹介は、専属の仲介スタッフ10名が年間約10万本の電話とメールを駆使して、習いたい方と先生とをつないでいます。

指導者の多くの方が自宅でレッスンを行っていますので、初対面の人が個人宅に出入りすることになります。紹介のプロセスをスタッフが仲介することで安心感が高まります。生徒と先生がお互いに心地よく出会い、トラブルを最小限に抑えるお手伝いをしています。

ピアノ教室紹介のウェブページには日本全国約9,000名にのぼるピティナ会員の指導者を掲載しています。紹介料はかかりません。まだ掲載されていない先生方はぜひご利用ください。ピアノを習いたい方は、まずお近くの先生を探されてはいかがでしょうか。

2024年度コンペの改訂点

2023/12/01 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・コンペティションは2024年に48回目を迎えますが、通常よりも大きな変化の年となります。

注目すべき変更点の一つは新設される「動画予選」です。これまでの課題曲チャレンジとは異なり、動画予選では優秀者に実地本選への進出権が与えられます。

コンペティションへの参加には交通や宿泊など経済的な負担がかかります。特に離島などでは大きなハードルになります。動画予選がそれらの負担を軽減し、より開かれたコンクールへの一歩になることを期待しています。

そのほか、Pre特級をより「特級」への足がかりとするべく、コンチェルト審査による第三次予選の追加など、コンチェルトに重心を置く改編を行います。

詳細はをご覧いただき、来夏のステージをご想像いただければと思います。

入賞者記念コンサートのシーズン

2023/11/22 執筆:専務理事 福田成康

夏のコンペティションで優秀な成績をおさめた方の入賞者記念コンサートのシーズンです。
支部主催の入賞者記念コンサートはこの秋から全国20箇所以上で開催されています。首都圏では来年2?3月に3会場で実施予定です。

才能あふれるちいさなピアニスト、国際舞台での活躍を目指す学生、あるいは仕事や家庭をもちながらピアノを続けている人など、 出場者は個性豊かです。コンクールで研鑽を積んだ出演者たちは、今度は演奏家としてじっくり作品と向き合って舞台に臨みます。音楽を通じて、私たち聴衆にどのようなメッセージを届けてくれるでしょうか。

皆様が会場に足を運んでくださることは彼らの演奏家としての自立につながります。聴衆の応援なくして音楽家の成長は成しえないからです。ぜひ未来あるピアニストたちへのエールをお願いいたします。

進化するeラーニング

2023/11/16 執筆:専務理事 福田成康

アメリカの私立大学は学費が年間800万円以上になることもありますが、授業の一部がオンラインで無料公開されています。この動きは「オープンコースウェア」として広がり、日本の多くの大学も参加しています。また最近の学会ではオンラインでの視聴が無料もしくは低価格で提供されるケースも増えています。

ピティナでは1日ぶんの講座参加料より安価に、いつでも視聴できるeラーニングのコースを提供しています。これは講師の経験と知識を共有し、次世代のピアノ指導者を育てるという願いから生まれました。

同時に、ピティナは人々が集まるコミュニティでもあります。eラーニングの内容に興味を持たれたら次はぜひ現地に参加してみてください。学習者同士や講師との直接の出会いはより深い学びとなり、時にその後の人生を変えるような交流が生まれるはずです。

今後もeラーニングはますます進化し、様々な講座企画が提供される予定です。ぜひご期待ください。

A1~F級コンプリート賞

2023/11/09 執筆:専務理事 福田成康

コンペティションで得られる「幸せ」とは何でしょうか。一つは受賞して得られる"happiness"です。もう一つはピアノがアイデンティティとなった時に得られる"well-being"です。

今年度はソロ部門A1級からF級まで全級に参加された方を表彰する「A1~F級コンプリート賞」を新設しました。

この賞は他人に与えられた賞ではありません。自分自身の意志で得た賞です。私が会話した受賞者の中に「参加させられた」という人は1人もいませんでした。落ちることもある舞台に自ら挑戦し続け「ピアノを弾く私」というアイデンティティを確立したのです。

そうして得られた"well-being"すなわち「良く在る」という満ち足りた感情は、生涯を豊かに過ごすことにつながります。人生の一つの軸を手に入れた301名を、心から賞賛します。

関本昌平先生による徹底研究

2023/11/02 執筆:専務理事 福田成康

関本昌平先生を講師に迎え徹底研究「あなただけの表現のために」を実施。満席の様子からコロナ明けを実感しました。

関本先生な多種多様なテクニックを持ちつつ、曲の音楽内容に応じてどう組み合わせると魅力的に聞こえるかを常に意識されています。豊かな演奏表現はまさに「創作」です。

作曲家を尊重しつつも、その後に生きた演奏家や楽器製作者など様々な音楽家の叡智を盛り込み、作品から作曲家自身すら知らなかった可能性をも引き出すことこそ、演奏することの意味であり「自分だけの表現」ではないかと思いました。

講座はeラーニングでも年内には配信されます。ぜひ関本先生のレクチャーに触れて、ご自身の表現を模索してみてください。

生徒募集のためのSNS活用

2023/10/27 執筆:専務理事 福田成康

instagramでは教室の雰囲気を端的に写真で伝え、ブログでは指導者としての考えを深く掘り下げて文章で表現ーーーいまや、ピアノ教室の生徒募集に様々なSNSを活用することは当たり前になっています。

複数のプラットフォームを使うのでより広く、多くの世代の人々にアクセスできますし、事前に教室の基礎情報や、指導者の想いをヴィヴィッドに伝えられます。入会後のミスマッチを減らすこともできるでしょう。

今回のトップニュースでは、会員6人のSNS広報事例と、実際の投稿を比較してみることができます。

また、ピティナ教室紹介でいつでもリンクを登録できることも紹介しています。一つ一つの教室がSNSで広報を繰り返せば、習い事としての「ピアノ」の存在感を飛躍的に高められるはずです。ぜひご活用ください。

ステージ体験を提供し続けるステップ

2023/10/19 執筆:専務理事 福田成康

かつて演奏した場面を鮮明に思い出すことはありませんか。はじめてのコンクール出場、新しい交流がうまれた会場、自作曲を披露した舞台など、人によって様々なはずです。

ピティナ・ピアノステップは好きな時に全国各地で、どなたでも参加できるステージです。ステップを通して継続100回表彰を受賞された方は通算で50名以上にのぼります。たくさんの方がピアノの継続学習にはげみ、ステップが音楽人生の一場面とされていることに、主催者として喜びを感じます。

このたび継続100回表彰を受賞された方へインタビューを実施しました。ピアノ・音楽を継続することの素晴らしさが迫力をもって伝わると思います。ぜひお読みください。通年開催されているステップだからこそ生まれるステージ体験が、皆様に学びと音楽の喜びをもたらすものであることを、願っています。

大人のピアノ弾き合い会「グランミューズ・サロン」

2023/10/12 執筆:専務理事 福田成康

今年のコンペティションでは、連弾とグランミューズ部門に参加された方が増えました。

音楽は大人になっても、あるいは大人になってこそ楽しむものです。
ピアノを通じた大人の交流の場を提供する「グランミューズ・サロン」は、2019年度に企画が始まり、これまで全21回、261名の方が参加しました。

このイベントはピアニストが主催します。一般のピアノ愛好家からプロのピアニストまで、様々な演奏家が演奏を披露し、お互いに感想をシェアします。アマチュアから熟練者までが集ってピアノを弾き、あるいは語り合う新しいコミュニティの形成を目指しています。

ピアノを学ぶ大人の方々の交流が促進され、活動の幅が広がることを願っています。グランミューズ・サロンは18歳以上の人なら誰でも参加可能です。ぜひ一度ご参加ください。

レッスン見学、コロナ以降初の実地開催

2023/10/05 執筆:専務理事 福田成康

テレビ画面の向こうや舞台上にいる人々を別世界の人のように感じることはありませんか。一見遠いと感じても、普段の姿を見ると意外と身近に感じることができ、自身に新たな発見があるかもしれません。そんな経験ができるのがレッスン見学です。

このレッスン見学では、ホールやサロンで開催する公開レッスンとは異なります。講師の先生自身のレッスン室で、普段と同様のレッスンを見学します。そのため受講者の皆様ご自身のレッスンとの比較が容易なはずです。早速取り入れられるネタがたくさん見つかることは間違いありません。

2023年度の冬は、12人の名だたる先生方がレッスン見学の機会を引き受けてくださいました。実地での開催はコロナ以降、初となります。

A2級から特級までコンプリートの鈴木愛美さん

2023/09/28 執筆:専務理事 福田成康

今年の特級グランプリに輝いた鈴木愛美さんは、コンペティションA2級から特級までの全級に参加されてきました。初めて全国大会に進んだのは小学5年生の時で、本選結果の一番上に名前を見つけて驚いたそうです。

グランプリは「雲の上の存在」と思われるかもしれませんが、過去の演奏曲や、幼少期からの成長の様子を知ると、ぐっと身近に感じられると思います。

鈴木さんにとって、受賞からの1か月は初体験の連続でした。今後も入賞者記念コンサートや全国各地のゲスト出演が決まっています。後に振り返ったとき、その一つ一つが重要な出来事として、A2級から繋がる線上に刻まれるはずです。

鈴木さんの"今"を一緒にご体験ください。

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