福田靖子賞選考会20周年記念
2023/05/25 執筆:専務理事 福田成康
福田靖子賞選考会が20周年を迎えました。
この選考会は、ピティナ創設者である福田靖子の「海外に羽ばたく若い世代を支援したい」という思いから、その遺産と多くの方からの寄付で設立されたものです。
今週のトップニュースでは20年の歴史を振り返りました。これまでの入賞者からはショパン国際コンクールなど名だたる国際コンクールの入賞者が輩出され、挑戦を続ける姿は子どもたちの憧れとなりました。さらには関本昌平さんのように、次世代を育てる優れた指導者が生まれていることを、福田靖子も喜んでいることと思います。
今年は11回目の選考会が開催されます。選考は海外からの教授陣によるマスタークラスと、学びの成果を披露する演奏会を通じて行われます。音楽が世代や地域を超えて広がり、受け継がれていく現場に、ぜひ御立会いください。
「未来会議」でミッションとビジョンを決める
2023/05/18 執筆:専務理事 福田成康
この春、ピティナが目指すものを一言で表すビジョン「音楽がつなげる豊かな人生」と、それを実現するための4つのミッションを策定しました。その取り組みなどが評価され、「第10回エクセレントNPO大賞」では最高賞の「大賞」と「組織力賞」を受賞しました。
一言で「ピティナ」といっても、ピアノの先生、学ぶ人、支部やステーション、楽器店、そして本部事務局など、関わりかたや思いは様々で、一人ひとりに「わたしのピティナ」があります。ビジョン策定の道程ではみんながあつまって「未来会議」を行いました。
「大賞」という結果もさることながら、「未来会議」でお互いの「わたしのピティナ」を言語化し、「わたくしたちのピティナ」への意識を深めたことが、ピティナの未来にとって重要だったと感じます。
「Lesson Check Up」を観て、参加して
2023/05/11 執筆:専務理事 福田成康
お客さんが見ている中でレッスンをすれば、大きな気付きと学びが得られます。
いっぽうでベテランの先生のレッスンと対比されるので強いプレッシャーを感じると思います。一時的に「恥ずかしい」思いをするかもしれません。今回、向上心と勇気をもって参加された指導者の皆様を尊敬しますし、皆様にもぜひ賞賛していただきたいです。
指導者育成委員長の金子勝子先生は「若い時からそのような場を乗り越えてきたから今がある」とおっしゃいます。
「我こそは向上心の塊だ」と自認する方は、eラーニングで「Lesson Check Up」をご覧になられてください。そして、ぜひご参加ください。その先には今の自分には見えない、明るい未来が開けていると確信します。
音楽で街に「にぎわい」を作る
2023/04/27 執筆:専務理事 福田成康
ゴールデンウィークの東京に「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」が帰ってきます。「丸の内エリアコンサート」は、周辺のビルのロビー等を開放して、今年も行われます。
人が集まって創り出される「にぎわい」が街の根源だとしたら、かつては商店街やデパートが、まさにその象徴でした。ところが時代は移り、モノからコトへと消費のトレンドが変化し、「にぎわい」を創出する原動力も多様化しています。音楽はまさにその一つです。
耳と心を合わせて同じプロセスを体験できる音楽は、新たに<にぎわい>の中心になる可能性を持っています。
今年のエリアコンサートも、様々な形の音楽が集う見本市になりました。さらに音楽を聴きたくなってホールへ足を運ぶ方も、仲間と楽器を演奏したくなる方もいるでしょう。ゴールデンウィークは、ぜひ丸の内へお越しください。
自分自身のためのピアノ演奏
2023/04/20 執筆:専務理事 福田成康
角野隼斗さんの新しいプロジェクトが始まります。普段は聴衆を前にしたステージ経験の重要性をお伝えする機会が多いのですが、今回の話題はアップライトピアノです。
角野さんの全国ツアーを訪れた際、この公演のために特別に調整されたアップライトでの演奏がありました。サントリーの大ホールでしたが、なじみ深いコンパクトな楽器と少しくぐもった音により、角野さんの私的なピアノ遊びを垣間見ているようでした。
音楽の未来を考えるとき、私自身が何をしたいかではなく、周囲を見渡して誰が未来を切り開くのかを考え、探索します。ピティナはコンクール等の事業を行いつつ、皆さまの学習をさまざまな角度から支えることを目指しています。
角野隼斗さんの活躍は今や世界が知るところです。彼の歩みの後ろにこそ、道ができると思って、楽しみに追いかけます。ぜひご注目ください。
私のお気に入りの1曲を皆にシェアする
2023/04/14 執筆:専務理事 福田成康
今年度から23ステップに1曲で参加できるようになりました。練習する曲を厳選して丁寧に取り組んだり、長い曲に挑戦する際の選択肢になります。この制度変更に伴い、課題曲の追加が進んでいます。新しく出版された教材の曲を追加したり、皆様からのリクエスト曲を随時検討しています。
また、ステップ課題曲を各地のステーション代表が紹介するウェブ連載を開始しました。ステップ課題曲を選ぶ際に、その曲について「こんな良さがあった」とか「こういう使い方があった」といったヒントが得られるかもしれません。
新しい曲との出会いは学びの幅を広げ、ピアノを継続する意欲をかき立てることでしょう。そして、ステップは日々の学習に合わせた循環型のイベントとして、今後も発展していきます。ぜひご活用ください。
ピティナ音楽研究所の成果を取り入れる
2023/04/06 執筆:専務理事 福田成康
クラシック音楽は普遍的であると思われがちですが、ブゾーニやバックハウスの時代と現代の演奏ではスタイルが違います。ピティナ音楽研究所の高橋舞さんの研究は、その違いを鮮やかに、客観的に示しています。このような研究成果を知ることは楽しく、音楽への深い理解を促します。自然に「自分なりの演奏」が生まれてくるはずです。
ピティナ音楽研究所は、音楽と音楽教育に関する研究を行っています。現在4名の研究員が所属し、来年度は科研費の取得を目指しています。この過程で、外部の研究者との協力も進んでいます。また、数年以内にピアノ白書の発行や、在野の研究者支援といったプロジェクトも計画されています。
先日、研究所初の公開イベントが開催され、聴講者との活発な質疑応答が行われました。今後も、研究員たちはそれぞれの多様な視点から探究を進め、音楽研究の発展を目指します。
ピアノを習ったら「一度はピティナに参加する」
2023/03/31 執筆:専務理事 福田成康
AI(ChatGPT)で国会質問を作る時代になりました。人に必要とされる能力が大きく変わろうとしています。
今後必要な能力の一つに「レジリエンス」があります。構成する要素には、(1)粘り強さ、(2)環境への柔軟な適応力、(3)未来志向・チャレンジへの意欲、(4)感情のコントロール能力などとされています。
ピアノのコンクールに参加経験のある方は、これらの能力が鍛えられると感じるはずです。レジリエンスを高めることはピアノを習う主目的ではないかもしれません。とはいえ、ピアノを習い、コンクールに参加して結果的にそれが高い人になれるなら、幸せなことです。
今年も4/3(月)正午にピティナ・ピアノコンペティションの申込受付がスタートします。「いつかはピティナ」「一度はピティナ」という気持ちで日本最大のピアノコンクールに挑戦してみて頂きたいです。
「ふりかえりシート」で自分の変化を確認する
2023/03/23 執筆:専務理事 福田成康
ピティナ・ピアノステップに参加すると、ピティナ・パスポートが発行されます。パスポートには「自己評価」の欄があります。ステップでアドバイザーからもらえる点数やコメントは外からの評価として重要ですが、自らふりかえることも大切です。2023年度からは「ふりかえりシート」が始まります。
「ふりかえりシート」には、9つの選択式アンケートと1つの自由記述欄があります。継続的にステップに参加することで、自分自身がどのように「変化」していくかを確認することができます。また、シートに記入することで次回以降の参加に使える500円のギフトカードがもらえます。
振り返りの際には、ぜひその時の素直な気持ちで自己評価をつけてみてください。ピティナでは参加情報やシートから得られたデータを分析し、より良いピアノの学びを支えるための活用を考えています。
審査員から新たな観点を学ぶ
2023/03/16 執筆:専務理事 福田成康
日頃のレッスンでは一人の先生から指導を受けることが多いですが、ピティナ・ピアノコンペティションでは予選5名、本選は7名の審査員から採点票を受け取ります。
2つの目があることで立体的に見えますし、2つの耳で音の方向が判ります。
多くの人から評価を受けることは貴重な機会です。ピアノ指導者がベテランになるほど、生徒さんにコンクールやステップ参加を促し、生徒さんと一緒に採点票を読んで振り返るのは、その効果を経験的にご存じだからです。
本日のトップニュースは「コンペ採点票をもっと活用しよう!」です。習っている先生と正反対の指摘をされることもありますし、抽象的なコメントに戸惑ったというエピソードもうかがいました。そんな時、ベテランの指導者はコメントに解釈を加えて翻訳して生徒さんに伝えます。審査員のコメントを上手にご活用頂きたいと願っています。
「課題曲聴き比べ」の活用提案
2023/03/09 執筆:専務理事 福田成康
ピアノコンクールは点数によって結果が決まりますが、点数の高い演奏が唯一の正解ではありません。
「課題曲聴き比べ」企画では5人のピアニストたちによる、同じ曲の演奏を聴けます。まずは「違い」を感じてみてください。聴き比べるうちに、映像を見ないでも誰の演奏かが分かるようになると思います。
そうしたら次に「まねをしてみたい演奏」を見つけてみませんか。「創作は模倣から始まる」という言葉があります。他人とまったく同じ演奏にはなることはありえません。練習を重ねてたどり着いた演奏からにじみ出ているのがあなたの「個性」です。
音楽では正解が無限にありますが、審査員は皆さんの個性と向き合いつつ、点数の大小を決めます。「正しさ」を求めようとせず、ただ個性を発揮できたなら、きっと審査員のみならず、会場の皆さんの心に響く音楽が生まれているはずです。
Com(一緒に)petere(追い求める)
2023/03/02 執筆:専務理事 福田成康
ピアノ教育でコンクールを利用することは、すっかり定着しています。
ピティナ・ピアノコンペティションは基本的に自己研鑽の場です。グランプリを選ぶ特級には、ある種「スター誕生」的な要素もありますが、いずれの級も、志を同じくする人たちがより良い演奏を目指して集います。まさにCompetitionの語源の通り、Com(一緒に)petere(追い求める)のです。
Competitionは「競争」と日本語訳されますが「争」の文字に抵抗を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。駅伝チームで「競走部」と名乗っているところもありますので、ピアノのコンペなら「競奏」などと訳されるべきものだと思います。
今では1曲で参加できるコンクールがたくさんあり、チャレンジの機会は多くなっています。そして、もし競奏に魅力を感じられたら、特級まで続く日本一のピアノコンクールにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「マンネリ」こそが問題、勉強会参加のススメ
2023/02/22 執筆:専務理事 福田成康
ピアノ指導者の多くはひとりで指導をされています。長年、指導方法を変えずとも大きな不都合はありません。明確な課題や悩みがあれば、誰かに相談したりネットで調べますが、悩みがなければ新たなことを学ぶ必要性を感じないかもしれません。
この課題を感じない「マンネリ」こそが問題だと思っています。
状況を打破するには、日ごろからピアノ指導者仲間と触れ合うのが一番です。「最近、試した方法が良かったわよ」とか「先日の〇〇先生のセミナー、素晴らしかった!」といったことを聞けば「何々?」と興味津々で周りの先生方のお話を聞くことができるはずです。
本日のトップニュースでは「勉強会コミュニティ」で励まし合って学ぶステーションの代表者インタビューを紹介します。ようやくコロナによる規制も緩んできました。興味を持たれた皆様はぜひ勉強会に参加し、もし手近にそういった会がなければ、自ら作って頂きたいと思います。
ステージ演奏を「体験」と捉える
2023/02/16 執筆:専務理事 福田成康
ピアノを学ぶお子さんがいる家庭にとって、ステージでの演奏体験は成長ぶりを確認できる絶好の機会です。一見すると非日常的なイベントですが、自分で選曲し、練習計画を立て、聴く人の感想をもらう一連の流れは、インプットを基本とする日常の学びと地続きです。
決断することには責任を伴いますから、ステージ・デビューは大きなハードルだと感じるかもしれません。しかし、学習者の様子をよく観察している指導者が、道筋をアシストしてくれます。人に言われたからやるのではなく、自分で決めたことをやり遂げることで、結果に関わらず納得できると思います。
ピティナ・ピアノコンペティション、ステップ、提携コンクールの申込数は10万人を突破しました。ステージでの演奏はより身近なものになっています。舞台に出た瞬間から、あなたの音楽が会場の聴衆と共有されます。ぜひ演奏者として、また聴衆として、ステージを体験してみませんか。
ピアノという楽器を知る
2023/02/09 執筆:専務理事 福田成康
多くの楽器の演奏者は、チューニングを自分で行います。声楽家は身体自体が楽器なので、自分の健康管理も調整の一つです。ピアノは調律・調整とも専門家にお願いするのが普通なので、楽器の状態に意識が向きづらいかもしれません。
今年4回目となる「ピアニスト×調律師徹底対談」のテーマは「ペダル」です。久しぶりに調律したピアノの弾きやすさと表現力には、感動を覚えることがあります。他方でペダルについては、何か明らかな不調があった時に見てもらうくらいかもしれません。
ピアノ技術者によると、ペダルはメーカーやモデルごとに機構の違いがあり、調整方法も一様ではないそうです。そのため、調整の仕方によって演奏や表現に変化が出ることもあります。
音楽表現の手段としてペダルを使いこなす「ピアニスト」と、ペダルの構造や調整方法を熟知した「ピアノ技術者」の対談から、演奏や指導のヒントが得られると思います。ぜひご注目ください。
ピアノ指導者のニーズに合わせて
2023/02/02 執筆:専務理事 福田成康
教室運営のなかで「もっとこうしたい」「他の先生の話も聞きたい」と考えることはありませんか。運営から指導までを一人で担う先生も多くおられ、理想を実現する手段を探して試行錯誤中かもしれません。
そこで、ピティナの会員特典を今一度、確認していただきたいと考えています。今週のトップ記事では「○○したい」に合わせたコンテンツ一覧をまとめ、ご活用いただいた先生方のお声も掲載しました。ピティナの強みは、入会期間の長さに関わらず会員間の交流があることです。同じ関心を持つ仲間と出会い、繋がることを通して、新たな挑戦や学び、ひいては教室運営の充実・発展に寄与できれば幸いです。
ピティナ会員だから仲間と出会える、仲間とならきっと実現できる理想がある。
ご自身の活動に合わせたピティナの活用法を見つけるきっかけになればと願っています。
連弾とコンペ継続の大きな相関関係
2023/01/26 執筆:専務理事 福田成康
ピティナ・ピアノコンペティションに参加した方のうち、連弾での参加歴がある人は約20%です。今回のトップニュースではそんな「連弾」の知られざる秘密をお伝えします。
連弾の演奏では1台のピアノに対し2人で音楽をつくります。自分の役割を果たすだけではなく、パートナーの音を聴きながら、音量や速度を調節することも重要です。ソロと連弾は「ピアノを弾く」ということでは共通ですが、必要とされる技術は大きく異なります。
そんなソロと連弾の意外な関連性が、この度データとして浮かび上がってきました。これまでソロしか参加したことがない方にも、連弾への挑戦をお勧めしたくなる内容です。連弾を経験することで、ソロ演奏にも良い影響があるはずです。
ピティナ入会で指導者コミュニティに入る
2023/01/19 執筆:専務理事 福田成康
昨年ピティナには1,193名の方が入会されました。新入会員アンケートでは、入会動機の上位3つが「コンペ・ステップ要項の入手」「ピアノ教室紹介への掲載」「指導法の学習」でした。ピアノ指導者としてキャリアアップを目指す方々が入会されています。
指導者どうしの交流が生まれることも大きな利点です。各地の指導者コミュニティでは、一人では実現が難しいようなことも実施しています。あるステップ・ステーションでは複数の指導者が話し合って企画し、ピティナ本部経由で著名なピアニストを招き、セミナー等のイベントを開催しました。ピティナは先生と生徒さんがともに成長する機会が得られるよう、プラットフォームを提供します。
最近会員となられた方や入会を検討されている方は、はじめの一歩として「ピアノ指導者交流会&ピティナ説明会」へ参加されてはいかがでしょうか。直近では1月25日(水)にも実施予定です。
音楽教室 での演奏に関わる著作権について
2023/01/12 執筆:専務理事 福田成康
JASRACが音楽教室から演奏料の徴収を求めようとした動きに対し、2017年の反対署名活動では4万を超える会員、関係者の皆様にご賛同をいただきました。今週のトップニュースでは、あらためて多大なご協力に御礼申し上げるとともに、その後の経過を報告いたします。
昨年10月の最高裁の判決に至るまでの過程で、いわゆる「カラオケ法理」は適用させず、ピアノ教室の中で指導者と生徒を分けて考え、生徒からは著作権利用料を徴収しないこと、つまりカラオケと音楽教室は違うということが明確になりました。
まだ未確定の要素も多いので引き続き状況をふまえつつ、2023年もピアノ教育業界の充実と発展に貢献して参ります。
指導セミナーに為末大さんご登壇が決定
2023/01/05 執筆:専務理事 福田成康
世界陸上銅メダリストの為末大さんが、様々な分野で共有できる「熟達論」を語っています。
為末さんによれば、熟達はまず「遊び」から始まり、次に「型」を覚え、自分なりの個性を生かす段階があり、最終的には無意識の境地に至るそうです。このプロセスはピアノ学習や教育の過程にも当てはまるのではないでしょうか。
クラシック音楽の指導では「型を覚えること」や「個性を生かすこと」が特に注目されがちです。熟達の「段階」があることを認識すれば、それに応じた教育方針を考えることができ、指導にも大いに活かせると思います。
今年の指導セミナー第3講座の講師として、為末さんをお招きしました。上手に弾けることとは何か、そしてどのように導くことができるのか。皆で一緒に考えてみませんか。
新年のご挨拶
2023/01/01 執筆:専務理事 福田成康
Well-being(ウェルビーイング)という言葉が使われるようになってきました。身体的・精神的・社会的にバランスのとれた状態で「継続的に幸福である」ことを示します。
Well-being研究では幸福感につながる4つの因子が導き出されています。「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」「ありがとう」です。前の3つがあれば積極的にコンクールへ参加して楽しめるようになり、結果や学びによっては「ありがとう」も強まるはずです。
お正月は「〇〇してみたい」と考えることでしょう。「やってみよう」と動くことで、きっと新たな境地が開けます。
3月1日=コンペ開幕の日
2022/12/22 執筆:専務理事 福田成康
来年3月1日と2日のコンペ課題曲説明会は、今年と同じくオンラインで実施します。
ホールで聴く生の演奏には何物にも代えがたい魅力がありますが、配信ならではの良さもあります。映像では「全体」「手」「足」と3つのアングルで、ペダルやタッチの細部まで、ピアニストの演奏をご覧いただけます。
会員の皆様にはいち早く参加要項をお送りします。また、2月21日にはマイページ上で課題曲をお知らせします。説明会より前に楽譜を用意して、じっくり学ぶことができます。また、選曲や練習計画など、現場の悩みを指導者どうしで相談できる交流イベントの実施も検討しています。
「いつでもできる」と思うと不思議と後回しにしてしまうもの。全国の仲間とともに、3月1日=コンペ開幕の日から、学びのスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
「進化」は偶然との出会いから
2022/12/15 執筆:専務理事 福田成康
音楽家をはじめ第一線で活躍する方々が講師を務める連続講座「音楽総合力UPワークショップ」は、来年で14年目を迎えます。
偶然との出会いをきっかけにより「化学反応」が起きます。人は外からの刺激によって変異をはじめ、その先にはきっと「新しい自分」との出会いがあります。
ワークショップの各講座では、ピアノを専門としてきた方々にとって新しい知見が得られるはずです。新たな視点は目標到達の助けになるかもしれませんし、知らなかった価値観を得て、思ってもみなかった場所へ到達するかもしれません。自分を「進化」させる機会としてワークショップをご活用ください。
23ステップが26年ぶりの大改革
2022/12/08 執筆:専務理事 福田成康
音楽は目に見えないので成長を測るのが難しいですが、各レベルの合格を目指す23ステップを使うと上達を可視化できます。
S,A,B,C,Dの5段階評価でアドバイザーの先生3人全員が合計6個の「S」をつけるのは大変珍しく、わずか0.15%、700人に1人です。アドバイザーからの評価は大きな励みになります。
その23ステップが26年ぶりの大改革で、2023年4月からは1曲でも参加できるようになります。発表会で弾きたい憧れの長い曲に挑戦するもよし、リピートを省略せずに曲の本来の姿を勉強するもよし。この改革に合わせて課題曲も積極的に増やします。あなたらしい方法で23ステップをご活用ください。
G・Pre特級・特級の予選を実地審査に戻します
2022/12/01 執筆:専務理事 福田成康
2023年ピティナ・コンペティションの最初の情報を発表しました。
来年は特級、Pre特級、G級の一次予選は実地での審査を復活させます。ホールでの演奏から審査員に伝わる情報量は、動画にくらべれば格段に多いものです。審査員からも参加者からも再開の要望が寄せられていました。
今年、グランミューズ部門の参加人数は過去最高を記録しました。コロナ禍を経てなお、多くの大人の方々の間で挑戦のステージに立つ機運が高まっていることが心強いです。
ピアノのコンクールは「参加せねばならない」ものではありません。何百時間もの練習を重ねても審査時間は10分程度ですから、悔しい思いを持つかもしれません。しかしこの感覚は音楽のみならず、人としての成長に繋がります。「ピアノ人材」の目覚ましい活躍を、これまで様々な場面で見てきました。
来夏、皆様の渾身の演奏に出会えますことを楽しみにしております。
社会環境の変化に合わせたピアノ指導
2022/11/24 執筆:専務理事 福田成康
近年の教育においては「個別最適化」というキーワードが注目されています。
ピアノ教育は元々個人レッスンです。先生は生徒一人ひとりの個性に応じて指導していますから、現在のトレンドに乗った習い事です。
各地のピアノ指導者の間でも、自らが受けた昔ながらのレッスンを見直す動きは活発です。吹奏楽部のソロ・コンテストや合唱部のピアノ伴奏の指導に力をいれたり、教室そのものが子どもたちの居場所となるような在り方を模索されています。
本日のトップニュースでは社会環境の変化に伴い、多様な子どもたちの音楽観を育てるための取り組みをまとめています。地域におけるピアノ指導が果たすべき役割を考えるきっかけになれば、嬉しく思います。
発表会とステップの使い分け
2022/11/17 執筆:専務理事 福田成康
ピアノ学習者にとって発表会とステップは同じ「人前で弾く本番」ですが、指導者の観点からは異なる部分もあります。
発表会は先生が主催者として生徒さんのステージを作ります。先生と生徒は、いわばホストとゲストの関係です。一方、ステップは先生が生徒さんと同じ参加者目線で演奏時間や曲目を決められます。
教育においては先生が生徒と向き合って「教える」ことも、ステップでの役割のように先生が生徒と同じところを目指して「導く」ことも、ともに重要です。
本日のトップニュースではステップと発表会の相乗効果についてご紹介します。全国各地の教室でどのようにステップを活用されているのか、3人の先生のインタビューから紐解きますので、ぜひご覧ください。
入賞者記念コンサート
2022/11/10 執筆:専務理事 福田成康
夏のコンペティションで優秀な成績を収めた入賞者たちが、今度はひとりの演奏家として入賞者記念コンサートの場に臨みます。
この冬、首都圏では3会場、さらに支部主催の入賞者記念コンサートは全国17箇所で開催されます。
出場者もバラエティ豊かです。才能あふれる小・中学生。まさに世界へ羽ばたこうとしているピアニスト、あるいは社会人として活躍しつつピアノと寄り添って生きる人たち。
コンクールで研鑽を積んだ出演者たちは、音楽を通じて私たち聴衆にどのようなメッセージを訴えかけてくれるでしょうか。期待が高まります。
この記事を読んだ皆様が会場に足を運んでくださることが、彼らの演奏家としての自立につながります。聴衆の応援なくして音楽家の成長はなしえません。
ぜひ、未来あるピアニストたちへのエールをお願いいたします。
「四期」の課題曲で音楽を読み解く
2022/11/02 執筆:専務理事 福田成康
コンペのオフシーズンだからこそ、あえて課題曲のことを取り上げたいと思いました。
いざ3月に課題曲が発表されると「その曲そのもの」に意識がいきがちです。いっぽう、落ち着いて音楽史の連続性を意識し、その一曲について俯瞰した見かたができれば、曲の違いも浮き彫りになりますし、その曲らしさを表現しようとも思えるはずです。
課題曲の選定では、選定委員会の先生方の知識と経験が余すことなく投入されています。先生や保護者の方がコンペ参加をすすめることが多いと思いますが、「弾いてみたい」「ここがおもしろい」と思える魅力的な課題を考えることは、生徒さんの能動性を引き出すきっかけになると思います。
本日のトップニュースでは課題曲選定委員会の先生方のお話を紹介します。審査結果にとらわれることがない今、課題曲となった曲の音楽史上の位置づけや成立背景なども認識して、基礎力を身に着けて頂きたいと思います。
生徒一人ひとりに合わせた指導をするために
2022/10/27 執筆:専務理事 福田成康
ピアノ指導者に限らず、社会に還元・貢献するために求められる姿勢の1つに「学び続ける」ことが挙げられます。私自身も現在大学院に通い、学ぶ日々を送っています。日々変化する社会に貢献するためにはたゆまぬ努力が必要だと思うからです。
ピアノ指導者は生徒ひとりひとりによって特性も与える曲も変えるため、膨大な量の知識の引き出しが必要になります。金子勝子先生の輝かしい指導歴は、ピアノと真剣に向き合う生徒の思いを受け取り、長年に渡り、真摯に学び続けた結果です。
失敗を恐れずに学び続けた結果、生徒が持っている資質を最大限に引き出す指導者になるのでしょう。指導者ライセンスでご自身のレッスンを振り返りながら、ぜひ学び続け、生徒ひとりひとりに寄り添いながら、その力を最大限に引き出せる最高のピアノ指導者を目指していただければと思います。