- トップ
- 今週のコラム
- 率先して指導者がピアノを弾く
率先して指導者がピアノを弾く
言葉を覚えるのは私たち人間にとって、最初の学びの一つです。赤ちゃんを対象としたある実験では、人間の先生と対面で学んだグループは音を聞き分けられるようになり、同じ音声をテレビやオーディオで聞いたグループはほとんど学習できませんでした。 この結果は言語学習には音声だけでなく表情や視線などが不可欠であることを示唆していますが、ピアノの学習にも同じことがいえそうです。コンペティションに向けて指導する先生方へのアンケートでは、全体の99.5%の先生がレッスン中にご自身で演奏しながら指導していることがわかりました。先生の演奏によって、呼吸や声部のバランスなど音楽をするのに不可欠な感覚を身に着けることができ、生徒さん自身の聴く力や主体性も育つことが期待できます。 先生の演奏は学びの宝庫です。ぜひ生徒さんの前で弾いてあげることを続けていただきたいと思います。
執筆:専務理事 福田成康