ルイのピアノ生活

第14回 山中湖/曲:サンサーンス=ゴドフスキー/白鳥 

2006/01/10
♪ 演奏
サンサーンス=ゴドフスキー/白鳥 動画 動画:(2,57s)
 

明けましておめでとうございます!
今年が素晴らしい1年になりますように...
そして皆さん今年もたくさん音楽を楽しんで下さい!
私は今年のお正月を日本で過ごしました。
山梨県の山中湖に小さな隠れ家があります。私は東京に住んでいますが、東京にはあんまり人が多いですので、時々どうしても静かな所に行きたくなります。「隠れ家」は富士山のふもとにあるので、朝、窓を開けるとすごいですよ!ピアノを弾きながら富士山が見えます。とても気持ちよく弾けますよ!富士山は見るたび、不思議な力を感じます。ひきつけられるようにずっと見入ってしまいます。まるで山に呼ばれているような感じです。一日中ずーっと富士山を見ている事もできそうなぐらいです。見ている内に色も雲も段々変わって行って、違う顔を見せてくれます。神々しい顔、優美な顔、男性的な顔...言葉でも表現できない色々な顔を持っています。富士山を見ながらピアノを弾きますと、とても幸せな気分になります。ここでピアノを弾きますと、自分が持っている音楽が変わります。出したい音色や曲の流れなどが段々変わります。私にとって、とても大事なところです。実は、私は東京に住んでいますが、住民票を山中湖に移しました。今は山中湖の村民です。夏を過ごすには涼しくて最適な所ですよ。家の近くに湖がありますので、とても楽しいです。魚釣りはしないのですが、ボートに乗ったり、湖畔を歩いたり。冬は寒いですが湖の白鳥を見たりするのは大好きです。自然を身近に感じられる、このような場所に癒されます。

そして、となりの町は富士吉田というところですが、ここにもよく行きます。「富士吉田うどん」で町おこしをしているようです。実は私は麺類大好き!まだオランダに住んでいた時に、自分でうどんとおそばを打っていましたよ。自己流でいい加減な物でしたが、日本人のお友達の皆が美味しいと言って食べてくれました。私は富士吉田のうどんは日本一おいしいと思います。大好きです。そしてどこのうどん屋さんでも一杯は300円位ですので、なんと安い!ふたつの大好きなお店があります。ひとつの店は身体は細いけれどすごく元気なおじさんが気を入れてうどんを打っている店です。うどんは歯ごたえがたまらなくおいしくて、食べると「気」までいただいているように元気が出ます。富士吉田のうどんはよく茹でたキャベツが載っているが、ここのはすごく甘くて絶品です!もうひとつのお店は珍しくおばさんがうどんを打っていて、うどんはキャベツや小エビの入ったかき揚げや味のいい馬肉などが入っていて本当に美味しいです。食べに行くとおばさんは「ありがとねっ!」と言ってうどんの他にいつも美味しい物をくれます。自分でつけた梅干や野沢菜や、夏はみょうがや、今の季節は自家製の干し柿など。やっぱりこのようなところにいますと東京に戻りたくなくなります。

しかし冬の寒さは厳しいです。そして特に今年は寒いですね!朝ピアノの鍵盤を触ると冷たくて、なかなか指も思い通りに動いてくれません!この時期になりますと、一日中寒さとの戦いです。温かい物を食べたり、温泉に入ったり...。村民ですので、近くの温泉が半額で入れるのでほとんど毎日行っています。この時期あんまり観光客は少ないので、夜温泉に行きますとほとんど地元の人しかいないのですが、知らない人に「あなたはどこからですか?」と言われて「この村の村民です」と答えるのはなんだか面白い気分です。結構皆びっくりしますよ。温泉に入ったり、こたつに入ったり、温かいうどんを食べたりするのはいいですね!私が大好きな日本の冬の過ごし方です。

私には「曲のイメージ」を持つ事はとても大事です。クラシック音楽を弾きますと、もちろんに作曲家の事を考えますが、これはすべてではありません。ウィーンやザルツブルグに行った事がなくても、モーツァルトを弾く事はできます。音楽には国境はありません。私にとっては作曲家はどんな人だったか、どこに住んでいたかより、彼は何を感じていたか想像するのが面白いです。白鳥を見て何を感じますか?場所は関係ありません。そして作曲家が感じていた事は別に珍しい事ではなく、だれでも感じたことがある感情だったかも。ヨーロッパの人、アフリカの人、アジアの人、だれでも悲しい時、嬉しい時、懐かしい感じ、楽しい感じがあります。作曲家の喜びを表現するより、自分の喜びを音楽で表して、更に喜びを人に与えるのが音楽の楽しいところではないでしょうか。作曲家たちもそれを望んでいるような気がします。

今年、皆さんが音楽からたくさん贈り物をもらえますように・・・

それでは、また!

ルイ・レーリンク

この編曲はL.ゴドフスキーが作りました。僕はゴドフスキーの編曲大好きです。この曲の一番難しいのは、メロディを綺麗に出す事です。長いメロディの音の間にたくさんな小さな伴奏ような音があります。技術的には弾きにくい音ですが、あんまり気にしないで、メロディをよく聴きましょう。小さな音を弾きながらメロディの音を口で歌うも良いです!そしてメロディ音を弾くタイミングはとても重要です。時々流れているように、時々死んでいる白鳥のように・・少し遅く。美しい+幸せ+悲しいを同時に表現しましょう。

今回このビデオを収録したロケーションはPTNAの東音ホール(東京都豊島区巣鴨) でした。




ルイ・レーリンク

オランダ出身。7歳からピアノを始め、15歳で音楽院入学。アムステルダム・スヴェーリンク音学院に於いてW・ブロンズ氏他に師事する。1996年音楽活動の為、日本に移住。「肩の凝らないクラシック」をモットーに各地で通常のコンサートから学校や施設のコンサート、香港等海外でも公演。九州交響楽団との共演、CD「ファイナルファンタジー・ピアノコレクションズ9」の演奏と楽譜監修を行うほか、CD「夢」をリリース。個人/公開レッスンや音楽講座を行い、ピアノ・音楽指導にも意欲的である。洗足学園音楽大学非常勤講師、洗足学園高等学校音楽科講師として、「演奏法」の授業 、演奏家を目指す生徒のための「特別演奏法」の授業、ピアノレッスンを受け持つ。

NHK/BSテレビ「ハローニッポン」、「出会い地球人」
TBSテレビ「ネイバリー」、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」他出演。

ピアノ演奏法のページ : http://www.senzoku.pianonet.jp も作成中
演奏者のホームページ http://www.pianonet.jp

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