ピアノとコーチング

第19回 本番で強みを活かす

2008/08/14

とても嬉しい事に、私は「コーチ」として、ピアノのコンクールの審査を求められることが増えてきました。

私は、次のような視点で演奏を聴きます。

 ● 参加者が聴衆とのコミュニケーションは、自然であり、説得力のあるものであったか
 ● 本人の生まれ持った才能や強みは、充分出せていたか
 ● 本人の中に可能性を伸ばそうとする資質があるか

曲としての仕上がりというよりも、その人そのものにスポットを当てて審査する事は、とても難しい事なのですが、私は、演奏者の内面にまでもぐりこみ、一体化して聴いていきます。

「あなたの強みは何?」

その私の問いかけに、きちんと答えてくれる演奏は、数少ないものです。
なぜなら、ほとんどの演奏者は、自分の欠点や弱点の克服に一生懸命になり、強みを光らせる事を忘れているからです。
自分を抑えすぎることにより、不自然で窮屈な演奏になってしまったり、生き生きした本来の力が出せない演奏が続くと、みな同じ演奏に聴こえてしまい、本当に残念に思います。

皆さんは、完璧な演奏を求めすぎて、自分の強みや個性をどのように出したらよいのか迷ったことはありませんか?
また、不得意な事が「欠点」というレッテルになって貼りつき、コンプレックスやトラウマになったことはありませんか?
ネガティブな感情を多く抱えると、本当の自分を愛せなくなります。
自分を愛せないでいると他人を思いやる気持ちが育ちません。
思いやりや豊かな心が育たないと、音楽を心から楽しむ事は難しいかもしれません。

第19回

ところで、「強み」に光を当てれば、自信を持った人になることが出来ます。
強みとは生まれ持った能力、才能のようなものです。
この「強み」にスポットライトを当てて、前向きに自分を捉えると、欠点だと思い込んでいたことがそれほどでもないと思えたり、ちょっと努力して克服してみたいという気持ちになってきます。

私は、コーチングの中で、本気で自分と向き合い、信じられないほどのパワーを出して欠点を克服した、多くのクライアントさんや生徒さんを知っています。皆さん、「もう1段階上の自分の演奏に出会うために、自分に必要な事はなんでもするぞ!」と前向きでした。
そういう人は、必ず自分が大好きですし、自分の演奏はもっと良くなる。可能性は無限大だと本気で信じています。
何よりも、堂々として自信に満ち溢れています。

さて、私は、強みの見つけるために次のような質問をします。

 ● 制限なく自由な時、あなたはピアノと向き合ってどんなことをしているでしょうか
 ● 得意な練習、行動パターンは何でしょうか?
 ● 意欲的な行動が起こせる時は、どんな時ですか?
 ● 自覚している自分の長所、長けているところはどこでしょう?
 ● 人と違ったところは何ですか?
 ● 習得が早いと思われる事はどんなこと?
 ● 人から褒められるところは(性格・行動)?
 ● あなたは、どんな人?
 ● あなたの演奏はどんな演奏だと褒められますか?
 ● どんな成功体験があるでしょう?
 ● 困難な時、どのように克服しましたか?

他にも、ご紹介する本の中のテストで、キャラクターの強みを調べる事ができます。
私の強みは・・・

 1.ポジティブ
 2.社交性
 3.活発性
 4.コミュニケーション
 5.戦略性

それは、私の演奏にもよく現れていているようです。
人からも、明るく華やかな演奏だと言われます。
反面、慎重さに欠け、構築性がないし、やる気が持続しないところが自分の弱みだと思い込んでいました。
かつての私は、何かにつけ、「だって、私は、○○なんだもん」「やっぱり○○だから無理だ」などと言い訳をして、弱みを理由に自分の居心地の良い場所から出ようとしませんでした。

しかし、自分の強みを認識して以来、それを味方につけて、良いところをもっと伸ばすよう意識を変えてみました。
得意なところを伸ばす練習は、とても楽しいですし、あっという間に時間が過ぎて生きます。
すると、上手になりたいという欲が沸いてきて、自然と弱みである自分の足りない部分も補いたくなってきたのです。
この経験を通じて、弱みよりも強みを意識した方が、ずっと効果的に楽しく練習出来る事がわかりました。


ハイドパークの南 2007年夏至

私の強みを見つけたのは、この本です。
全部で、34個の強みの中から、5つ調べる事が出来ます。

この本のカバーの裏側に、14桁のシリアルナンバーが書いてあります。
本文に書いてあるサイトに行ってナンバーを打ち込むと、自分の強みがテストでわかる画期的な本です。
(中古の本は買わないでくださいね。すでに他の人が自分の強みを調査済みかもしれません)

こちらは、小学校高学年でも楽しく読めます。

2冊ともHPで強みのテストを受ける事ができます。
強みが見つかったら、それをどのように演奏や練習に活かすか生徒さんと話し合ってみてください。
また、リハーサルやコンサートの打ち上げなどで、みんな集まり、「強み自慢」をする事もとっても楽しく、お勧めです!


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