ショパンコンクールレポート

ショパン国際コンクール第三次予選・初の共通課題曲「幻想ポロネーズ」

2010/10/15

14日から始まった第3次予選(55?60分・曲順自由)。課題曲は下記の通り。今年は初めて共通課題曲として幻想ポロネーズop.61が課されている。その理由を審査員長のアンジェイ・ヤシンスキ先生にお伺いした。

 

<第三次予選課題曲>
 
●共通課題:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」 Op.61 / Polonaise-Fantaisie As-Dur Op.61
 
●ピアノ・ソナタのいずれか1曲
・ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 / Sonate c-Moll Op.4  (0名)
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 / Sonate b-Moll Op.35 (8名)*
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 / Sonate h-Moll Op.58 (13名)*

 *第三次予選出場者20名のうち、1名はソナタを2曲選択。 


●その他、ショパンの作品の中から、第一次・二次予選で演奏していない曲を1曲以上選択

 

<アンジェイ・ヤシンスキ審査員長に聞く>
?初の共通課題曲「幻想ポロネーズ」について

二次予選課題であったポロネーズop.44やop.53などは英雄的でヴィルトォーゾ的なのに対し、幻想ポロネーズは「瞑想」であり、豊かな想像力、繊細さ、精神性などが詰まっています。私にはポーランドの歴史、すなわち祖国の過去や未来に対する想いも込められているようにも思います。ポロネーズの部分も僅かに出てきますが大半は幻想であり、ショパンの美しい夢といってもいいでしょう。

夢を見ると様々なことを想像しますね。もちろんピアニストによって中身は違うのですが、私の場合は、特に中間部でショパンの歌曲を思い浮かべます。歌曲にはショパンの愛や友情、愛国心などが投影されています。また演奏者によって、色彩感やルバートなどの表現方法も異なると思いますが、どれもあり得るのではないでしょうか。フェルマータやテヌートも多く、そうした比較的長い音や間に込められている音楽的な緊張感を保つことが大事ですね。また印象派のようなハーモニー、美しい旋律と伴奏・・全てに集中力と緊張感を持って演奏してほしいと思います。


ピティナ編集部
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