「チェルニー30番」再考

【番外】チェルニーの練習曲による 公開録音コンサートのお知らせ

2014/11/05
番外
チェルニーの練習曲による
公開録音コンサートのお知らせ

 本連載は27回目でようやく後半の一区切り、次回からようやく「チェルニー30番」の話題に入ります。とその前に、これまで27回分を振り返る意味で、本連載に関係する公開録音コンサートを実施することとなりました。この連載では、チェルニーのあたらしい練習曲を読者の皆様と共に「発見」してきましたが、音源がないものも多いのが難点でした。そこで、百聞は一見に如かず、チェルニーの色とりどりの練習曲を上演&録音しようという企画を立てました。題して『色とりどりの練習曲~新しいチェルニーの世界』。詳細はこちらのページをご覧下さい。

出演はピアノ曲事典にも多数の音源を提供下さっている作曲家・ピアニストの林川崇さんと同じくピアニストでソルフェージュの専門家、中村純子さんです。コンサートでは、エチュードの「創始者」クラーマーの練習曲、チェルニーによる、高度な音楽的表現を目指した練習曲を聴くことができます。

聴き所はなんといっても「機械的な練習のチェルニー」のイメージとはかけ離れた作曲家チェルニーの力作です。とくに、後半を彩る《24の性格的大練習曲》Op.692から抜粋した練習曲「心の動揺」、「バラード」、「波乱の人生」、《6つの練習曲、またはサロンの楽しみ》Op.754から抜粋した「ロマンス」、「情熱的な即興曲」、そして《フーガ演奏と厳格様式の作品を演奏するための学習》Op.400からの「前奏曲とフーガ 第4番 変ロ短調」がプログラムのメインを占める重要作です。

筆者のお話を交えながら和やかに進行する予定ですので、どうぞお気軽に足をお運びくださいませ。

コンサート予告動画

上田 泰史(うえだ やすし)

金沢市出身。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学修士課程を経て、2016年に博士論文「パリ国立音楽院ピアノ科における教育――制度、レパートリー、美学(1841~1889)」(東京藝術大学)で博士号(音楽学)を最高成績(秀)で取得。在学中に安宅賞、アカンサス賞受賞、平山郁夫文化芸術賞を受賞。2010年から2012まで日本学術振興会特別研究員(DC2)を務める。2010年に渡仏、2013年パリ第4大学音楽学修士号(Master2)取得、2016年、博士論文Pierre Joseph Guillaume Zimmerman (1785-1853) : l’homme, le pédagogue, le musicienでパリ=ソルボンヌ大学の博士課程(音楽学・音楽学)を最短の2年かつ審査員満場一致の最高成績(mention très honorable avec félicitations du jury)で修了。19世紀のフランス・ピアノ音楽ならびにピアノ教育史に関する研究が高く評価され、国内外で論文が出版されている。2015年、日本学術振興会より育志賞を受ける。これまでにカワイ出版より校訂楽譜『アルカン・ピアノ曲集』(2巻, 2013年)、『ル・クーペ ピアノ曲集』(2016年)などを出版。日仏両国で19世紀の作曲家を紹介する演奏会企画を行う他、ピティナ・ウェブサイト上で連載、『ピアノ曲事典』の副編集長として執筆・編集に携わっている。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会研究会員、日本音楽学会、地中海学会会員。

【GoogleAdsense】
ホーム > 「チェルニー30番」再考 > > 【番外】チェルニーの...