【実施レポ】指導者のためのライティングセミナー 「要約が得意になる!」(山本美芽先生)

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2015/12/10
指導者のためのライティングセミナー「要約が得意になる!」
文・加藤文穂(ピアノ講師)

日程:11月15日
会場:名古屋国際センター

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11月15日名古屋国際センターにて山本美芽先生による「指導者のためのライティングセミナー要約が得意になる!」が開催されました。
私たちピアノ教室の講師は、教室便りやレッスンブログなどで、日々多くの言葉を発信しています。しかし、それらが生徒の保護者の方々にとって、また新しく教室を探している未来の生徒さんたちにとって、本当に必要な分かりやすい文章だろうか、話が長過ぎてわかりにくくはないだろうか、などと不安になることがたびたびあります。同じような悩みを抱く受講生11名が美芽先生を囲み、自己紹介からの和気あいあいとした雰囲気の中でセミナーが始まりました。

必要最低限の言葉で分かりやすく相手に伝わる文章を書くためには、まず「要約」が大切であり、要約は論理的思考の基本であるという大前提。そこで、要約のやりかたについて〈理論編〉と〈実践編〉に分けて講義くださいました。

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要約のやりかた〈理論編〉では、まず長い文章の大事なところに線をひくこと、それをつなぎ合わせていくという作業をします。
そして全体の構成を考えます。まず始めに一番大切な「なんの話か」を書き、次に「それがどうした」を詳しく文にし、「だからどうした」という結論にまとめます。
また同じ言葉の言い換えはないか、削れるものはひたすら削り、ひとつの文にまとめられるものはまとめていきます。
指導者としての必要な要約ポイントとしては、自分の意見を入れることによって個性を出していくということです。ただし、自分の意見と他人の意見、事実と意見をきちんと区別して書くということをつねに心がけておくことが必須であるというお話には、ドキッとさせられました。
また字数制限のないブログはついつい長くなりがちです。まずは書いて見直し、半分くらいはボツにするくらいで良いとのこと。また一晩ねかせておくと違った視点で見直せるというお話もなるほど納得です。そして時には、文庫本の背表紙・帯などに書かれているいわゆるプロの要約文も参考に読んでみたり、ひたすら練習することが何よりも上達への近道だということです。

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後半は、〈実践編〉として『小澤征爾さんと音楽について話をする』という書籍の中の一つの項を取り上げ、実際に要約にチャレンジしました。まるで国語の授業のようで皆さん頭を悩ませていましたが、美芽先生からのヒント、段落分け・見出し付けなどの作業から徐々に全体の構成が見えてきたようです。最後は、それぞれに完成したその要約文を提出して終了です。

今回のセミナーを受講し、お便りにしろブログにしろ、大事な時間をさいて読んでもらっているのだから、決してひとりよがりの長いまわりくどい文にならないように、スッキリシンプルに分かりやすく情報や気持ち・考えが伝わるように、要約を習慣づけていきたいと思いました。何が一番大事なのか、事実が何で、自分の考えは何か・・・これらの要約の作業は、「限られたレッスン時間の中でいかに言葉と時間を有効に使って相手に伝えるか」ということにも通じてくる気がしました。
いつも笑顔で前向きな言葉をたくさん投げかけて下さる美芽先生に、今回もたくさんの元気と力を頂けた楽しくとても有意義なセミナーとなりました。

★このセミナー「要約が得意になる!」は、東京で開催されます。★
12月15日(金)9:45-11:45
指導者のためのライティングセミナー&お悩み相談会「要約が得意になる!」

★山本美芽先生 最新セミナースケジュール は こちら

山本美芽

や まもと・みめ◎音楽ライター、ピアノ教本研究家。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。中学校(音楽)、養護学校にて教諭と勤務したのち、執筆活動をはじめ る。ピアノ指導者としても大学在学中から現在までレッスンを行う。
『ムジカノーヴァ』『ジャズジャパン』等の音楽専門誌にて、国内外の一流アーティストに多数取材。「もっと知りたいピアノ教本」(大半を執筆、音楽之友 社)「21世紀へのチェルニー」(単著、ショパン)などを執筆、ピアノ教本についての研究をライフワークとして続け、多くのピアノ教本の著者・訳者に直接 取材した経験を持つ。中村菊子、呉暁、樹原涼子などピアノ教本の著者・訳者からは厚い信頼を得ている。2006年~2010年の間、夫の転勤のためアメリカ・カリフォルニア州在住。州立シエラカレッジにて単位取得。アメリカのピアノ教本事情を研究。
帰国後、2013年より著書「自分の音、聴いてる?」(春秋社)をテーマにしたセミナー、また音楽指導者のためのライティングセミナーを全国各地で行う。音楽教育学の知識と、音楽ライターとしてプロの音楽家・教育者との膨大なインタビュー経験、自分自身のピアノ指導・子育て経験、ピアノ学習、全国のピアノ指導者との密接な交流から得た現場発の問題点など、理論と実践を融合しながらピアノ教育が進むべき道を先導している。ピアノを多喜靖美氏に師事。室内楽を多喜靖美、松本裕子の両氏に師事。
2015年には「ピアノ教本、かしこく選ぼう」セミナーを関東・関西・北陸など全国で行っている。あわせて指導者向けのブログライティング・フェイスブック活用セミナー、地元・相模原市のホールにおいて隔月セミナー「21世紀へのチェルニー」、門前仲町シンフォニーサロンにおける「自己肯定感を育てる聴き方セミナー」(自分の音、聴いてる?)なども開催中。
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文・加藤 文穗(かとう ふみほ)

愛知県女子短期大学児童福祉学科卒業。幼稚園に6年間勤務の後、自宅にて「かとう音楽教室」を主宰。ピアノ・ソルフェージュ・わらべ うたを取り入れたリトミック指導を通して、幼児から保育士志望の学生・趣味の大人の方まで、ひとりひとりに寄り添うレッスンをめざし 実践している。また子育てサークルや読み聞かせボランティアなど地域の子どもたちの応援活動にも積極的に取り組んできた。老人福祉施 設や病院での慰問演奏活動も行っている。ブログ


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