ハイドンの世界

第06回 ソナタ第3番 Hob.XVI/9

2007/07/14
SONATA No.3 Hob.XVI/9 F: Allegro-Menuet-Trio-Scherzo:

小さいソナタながらも、管弦楽曲を意識したような旋律が多く、オクターヴの使用が目立ちます。1楽章は4分の2拍子で書かれ、どちらかというとハイドンらしいあたたかさに満ちた曲です。2楽章は、1楽章の雰囲気をそのまま受けつぎながらメヌエットの拍子になり、その後のトリオでは変ロ長調に転調します。最終楽章は、スケルツォと記されていて、軽快で明るい雰囲気のうち幕を閉じます。

ハイドン・ひとことメモ
「ハイドンの弟ミヒャエル その2」
ミヒャエルは、モーツァルトと大変仲が良かったようで、モーツァルトの姉ナンネルは日記にミヒャエルとモーツァルトがいつも身近であった様子を書き記しています。その日記には、彼らと、友人たちで弦楽四重奏などを演奏した事などが記されています。その他にも、ミヒャエルが作った曲をモーツァルトが演奏したり、大司教から作曲を命じられ、ミヒャエルが病気で曲が書けなかったときも、モーツァルトが代理で作曲し、困っていたミヒャエルを助けたという話も残っています。ミヒャエルは周囲の人々から大変尊敬されていたようで、ほかから魅力的な仕事の申し出があっても、それを受けることはせずに、ザルツブルクの宮廷コンサートマスターを勤め始めてから44年間、職務に服しました。69歳でザルツブルクで亡くなった時、ミヒャエルにはごくわずかな遺品しか残っていませんでした。彼は長期に渡る病気のために、全財産を手放さなければならなかったといわれています。
ソナタ 第3番 ヘ長調 Hob.XVI:9 第1楽章 ♪試聴 
第2楽章 ♪試聴 
第3楽章 ♪試聴 

前山 仁美(まえやまひとみ)

1987年3月22日生まれ。
1996年 ピティナ・ピアノコンペティションB級奨励賞。1998年 第15回教育連盟ピアノオーディションA部門入賞、同入賞者演奏会出演。2000年 ピティナ・ピアノコンペティションD級銅賞。2001年 第17回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門中学生の部第1位、総合第2位、神奈川新聞社社長賞受賞。トップコンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。2003年 第1回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2004年 第5回ショパン国際ピアノコンクール in Asia、アジア大会奨励賞。第9回浜松国際ピアノアカデミー受講。ピティナ・ピアノコンペティションG級金賞、併せて東京都知事賞、讀賣新聞社賞、ヒノキ賞、王子賞、洗足学園前田賞受賞。第2回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2005年 フランスのMoulin d'Andeにて行われたマスタークラス受講。アメリカにて行われたジーナ・バックアゥワー国際ピアノコンペティションYoung Artist部門第6位。第3回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。
2006年 ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞受賞。併せて文部科学大臣賞、讀賣新聞社賞、ミキモト賞、王子賞、三菱鉛筆賞受賞。

幼少の頃より現在に至るまで江口文子氏に師事。モスクワ音楽院にて、パーヴェル・ネルセシアン教授に師事。これまでに、佐藤俊、日比谷友妃子の各氏に師事。

ハイドンの世界:http://j-haydn.blogspot.jp/

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