ショパン物語

第070回 初めての不和 その2

2006/06/29
ショパン物語 第70回

1、ショパンの苛立ちこの年のノアンでは、ロジエーリ嬢への苛立ちのほかに、ノアンに新しく届いたプレイエルのピアノにも「音が悪い」と、荒々しい調子で、ピアノを交換させたり、下男を解雇したり、親友たちにヒステリー的な手紙を書き送ったりしていたという。
しかし8月ころには、ショパンのお気に入りの友人・芸術仲間でもあるポーリーヌも遊びにやってきて、ショパンの苛立ちも落ち着いてきたようで、その頃のサンドの、ロジエール嬢に宛てた手紙にも「彼の気分が落ち着き、快活になったことに驚いてます」と書いている。

2、ロジエール嬢のその後結局、アントニとは別れることになり(アントニが逃げたのだ)、それにより、ショパンもロジエール嬢を許し、ロジエール嬢とショパンは、師弟関係として元の親しい関係に戻ったのである。


林 倫恵子(はやしりえこ)

漫画家・ピアノ指導

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