【実施レポ】エコ奏法のすすめ(多喜靖美先生)

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2015/06/10
エコ奏法のすすめ~無理な力を使わずに弾くピアノ~
多喜靖美先生
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2015年4月22日(水)ミュージックサロン「ヤマハツ」にて、多喜靖美先生による「エコ奏法のすすめ~無理な力を使わずに弾くピアノ~」セミナーが開催されました。多くの参加者が身をのりだして多喜靖美先生の手の動きを観察し、自主的にピアノを弾いてくださったおかげで、とてもアットホームなセミナーとなりました。

◆エコ奏法とは?

「エコ奏法」って、「脱力奏法」となにが違うの?と思われる方もいるかもしれません。一般によく言われる「脱力奏法」という言葉では、力の抜きすぎ・力を抜いたふり、という現象が起こってしまうこともあります。「脱力」と一言でいっても、実際は必要な力や筋力は使っているわけです。
「エコ奏法」では、必要のない動き・手の癖を取り除き、ニュートラルな手のかたちを多くもつことを目指します。そのためには、弾く前・弾いた後に必要のない力をいれないこと(=無理にポジションをとって弾かないこと)が大切だそうです。

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◆ニュートラルな手のかたちとは?
まずは、自分の手の形をみてみよう!

・手のひらの大きさ
・ゆびの長さ
・ゆびの曲がり
・まるいかたち、平べったいかたち

参加者の手を見比べると、面白いことに様々なかたちの手がありました。

ここでちょこっと、豆知識!
人差し指と薬指を見比べて
・人差し指の方が長い人は、女性的
・薬指の方が長い人は、男性的
だそうです。
ちなみに、私は男性的でした。

話をもどしまして、ニュートラルな手のかたちとは・・・
「手を、だらん~と下におろしている時の自然なかたち。」
だそうです。
・指のまがりかた、丸み
・指と指の開き具合
などは人それぞれです。

◆ニュートラルな動きの実践

ピアノの椅子に座り、パッと手を鍵盤に置いたとき、ドレミファソの位置に指を置いていませんか?
先ほど観察した通り、もっとも自然なときの指の開き方は、人それぞれです。中には、ドレミファソにぴったり!という方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的な手の大きさから考えると、ド~ミまたはド~ファの範囲で指が納まってしまう場合がほとんどです。
ドレミファソの位置にポジションをとると、すでにニュートラルなかたちから離れてしまい無駄なエネルギーを使っていることになります。これは、意外な盲点でした。
また、打鍵について・音域が広がったときの手首の位置や動きについて、実際に参加者にピアノを弾いてもらいながら、具体的に説明をしていただきました。

◆質疑応答コーナー

事前に生徒さんの動画を投稿してもらい、映像を見ながら個別のアドバイスをいただきました。その後も質問がたくさん飛び交い、具体的な対策・実例をお話いただきました。

今回のエコ奏法セミナーに参加して、一番驚いたことは「エコ奏法」でピアノを弾くと、自然とピアノが音色をもつことです。大きな音でなくても、無理なく楽器が響き、大変心地のよい音がたくさんありました。

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スポーツ界では、自分のフォームを動画撮影しスロー再生で動きの確認をすることが一般的になってきました。ピアノもそういうことをする時代になったのだと思います。大変講評だった今回のエコ奏法セミナー、第2弾も企画中です。


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