海外の音楽教育ライブリポート/菅野恵理子

【速報】後藤正孝、優勝!第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクール(オランダ)

2011/04/10
後藤正孝

オランダ・ユトレヒトで、3月29日から行われていた、第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクールで、2004年度特級グランプリの後藤正孝さん(昭和音楽大学大学院修了)が、見事、優勝した。合わせて、聴衆賞・ジュニア審査員特別賞も受賞している。10日、アムステルダム・コンセルトヘボウでの入賞者演奏会に出演する。後藤さんは、1985年生、愛知県出身。幼少より江口文子先生に師事し、数々の国内・国際コンクールで入賞してきた。 > 詳しいプロフィールへ
The First Prize: Masataka Goto(後藤正孝)
The Second Prize:Olga Kozlova
The Third Prize: Oleksandr Poliykov

★コンクールの公式サイト内ニュースは こちら
リスト国際ピアノコンクールレポート(執筆:菅野恵理子(音楽ジャーナリスト))

ピティナでは、音楽ライターの菅野恵理子氏を派遣して、今回のコンクールを速報レポートしてきた。1次予選からの演奏や現地の様子の詳細がご覧いただける。追って、後藤さんのインタビュー等も掲載される予定となっている。(2011年4月10日 8時30分時点)

後藤正孝演奏風景
ソロ演奏の様子
写真提供:リスト国際ピアノコンクール(撮影Allard Willemse)
後藤正孝ファイナル演奏風景
ファイナルでの演奏風景
写真提供:グスタフ・アーリンク Gustav Alink (国際ピアノコンクール評論家)
後藤正孝表彰式写真
表彰式の模様
写真提供:リスト国際ピアノコンクール(撮影Allard Willemse)
後藤正孝表彰風景
表彰式の模様
写真:菅野恵理子

同コンクールは、ロマン派の大作曲家フランツ・リスト(1811-1886)の名前を冠した世界に数ある国際ピアノコンクールの中でも、リストの作品のみを課題曲として1986年から3年に一度実施されており、そのレベルの高さはよく知られている。
今回第9回は、リスト生誕200年記念イベントとして特に力を入れて行われていた。2009年の世界各地でのマスタークラス(講師:アンドレア・ボナッタ教授、東京会場でのマスタークラスはピティナ協力・運営)を皮切りに、2010年5月には世界からトップ6名のジュニアを招いての特別マスタークラスを実施、ピティナから第4回福田靖子賞受賞の阪田知樹さんが招待された。今回のコンクールでは、アメリカ・中国など世界中で2010年9月に予備審査が行われ、この本大会に進む22名が選出されていた。
同コンクールでの日本人の優勝は、1999年の第5回大会での岡田将氏に続き、2人目の快挙となる。同コンクールでは、過去に、ユンディ・リ(1999年大会第3位、2000年第14回ショパン国際ピアノコンクール第1位)ら、世界的に活躍するピアニストを輩出している。(過去の入賞者一覧はこちら

★後藤正孝(ごとうまさたか)プロフィール
 (※2011年4月10日版)

1985年、愛知県生まれ、神奈川県在住。4歳からピアノを始める。昭和音楽大学卒業、同大学院修了。
2003年ローラント・バーダー指揮ポーランド国立クラクフ・フィルハーモニー管弦楽団との共演を皮切りに、2005年に高関健指揮日本フィルハーモニー交響楽団、小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団、内藤彰指揮東京ニューシティ管弦楽団と共演した。リサイタルも数多くおこない、イタリア、ポーランド、アメリカ、フランス、イギリスなどに招かれて多くの演奏会に出演している。
これまでに、2000年第7回エトリンゲン国際青少年ピアノコンクール(ドイツ)B部門(20歳以下)第2位、2001年オーベル・シュル・オワーズ国際音楽祭(フランス)に出演、2003年第19回エピナル国際ピアノコンクール(フランス)において第4位入賞、2004年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞、2005年エンニオ・ポリーノ国際ピアノコンクール(イタリア)第1位、2007年第4回中国国際ピアノコンクール(中国)第6位、2008年ヴァル・ティドーネ国際音楽コンクール(イタリア)第5位、2009年浜松国際ピアノアカデミーに参加、同コンクールにおいて第4位、2011年第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、2006年川崎市アゼリア輝賞受賞、2010年愛知県芸術文化選奨文化新人賞受賞。
現在、昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミーに在籍。江口文子氏に師事。
(プロフィール提供:昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミー

【速報】昭和音楽大学にて凱旋コンサート決定!
後藤さんの母校、昭和音楽大学にて、後藤正孝さんの「リスト国際ピアノコンクール優勝記念リサイタル」が開催決定した。2011年7月9日(土)15時予定。


菅野 恵理子(すがのえりこ)

音楽ジャーナリストとして各国を巡り、国際コンクール・音楽祭・海外音楽教育などの取材・調査研究を手がける。『海外の音楽教育ライブリポート』を長期連載中(ピティナHP)。著書に『ハーバードは「音楽」で人を育てる~21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』(アルテスパブリッシング・2015年)、インタビュー集『生徒を伸ばす! ピアノ教材大研究』(ヤマハミュージックメディア・2013年)がある。上智大学外国語学部卒業。在学中に英ランカスター大学へ交換留学し、社会学を学ぶ。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会勤務を経て現職。2007年に渡仏し「子どもの可能性を広げるアート教育・フランス編」を1年間連載。ピアノを幼少・学生時代にグレッグ・マーティン、根津栄子両氏に師事。全日本ピアノ指導者協会研究会員、マレーシア・ショパン協会アソシエイトメンバー。 ホームページ:http://www.erikosugano.com/

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