ピアノステージ

Vol.12-5 「グランミューズ入賞者記念コンサート」まもなく!

2010/01/22
「グランミューズ入賞者記念コンサート」まもなく!
2009年度ピティナ・ピアノコンペティション グランミューズ部門の入賞者記念コンサートがまもなく開催されます。今年も素晴らしい演奏者が勢ぞろい。出演者のみなさんにコンクールに参加した経緯や練習方法、そしてコンサートへの意気込みをうかがいました。

磯島 藍矢野 恒徳岡本 悟士アラファト・ローランド成田 衣里矢野 志保美小林 創栗本 康夫
高溝 正鷹野 妙西村 咲子白井 真里遠藤 千恵・香山 木実| |西口 彰浩・岩井 良裕

磯島 藍 A1カテゴリー:第1位
ヒナステラ:ピアノ・ソナタ 第1番 Op.22 第1、4楽章

本番前は毎日自分の演奏を録音して聴き直す。

音大を卒業して三年が経ち、ちょうど仕事も落ち着いてきたので、そろそろもう一度自分の勉強を真剣に再開しようと思って参加しました。コンクールを受けるということは、かなり集中して曲に取り組むことになるので、ある意味自分への挑戦といった感じです。普段はあまり時間がとれないので、気になるところを取り出して効率よく練習することを心がけています。時間のあるときには、とにかく丁寧に、ひとつずつ音をよく聴きながらさらいます。本番前は毎日自分の演奏を録音して聴き直しています。ヒナステラは初めて取り組む作曲家です。まだ試行錯誤の毎日ですが、ヒナステラ特有の「血沸き肉躍る」音楽を私なりに表現したいと思っております。

矢野 恒徳 A1カテゴリー:第2位
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番「幻想ソナタ」 嬰ト短調 第1楽章

コンペは毎年の夏のお祭り!

師事している相澤聖子先生の門下はほぼみんな、夏のお祭りの感覚で毎年楽しみながらコンペティションに参加しています。練習時間の確保が難しいのは共通の悩みだと思いますが、私の場合、平日出勤前の早朝を練習時間と定めています(スケールを一回弾いておしまいという日もありますが)。牛歩の歩みで何とも気の長い作業ですが、根気強く続けると、年に1?2曲ですが何とか形になるもののだなぁと思います。スクリャービンは以前から気になっていましたが、難しく、なかなか手をつけられなかった作曲家です。神秘的な音楽というイメージで、ちょっととっつきにくかった感じがありました。このほど一念発起し譜読みしたのですが、この「幻想ソナタ」は本当に美しい音で満ちていて、一気にとりこになりました。
一歩でもスクリャービンの意図する音楽に近づけるよう頑張りたいと思います。

岡本 悟士 /A1カテゴリー:入選
ブラームス:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ヘ短調 Op.2 第1楽章
コンペ本番前はスタジオ通いです。

コンペにはここ数年、毎年参加しています。趣味のひとつでありながら、参加することが自分の練習のはげみにもなっています。自宅には電子ピアノしかないので、コンペ本番前はスタジオに通って練習しました。選曲は自分で決めているのですが、いつも「選曲が地味」「選曲にセンスがない」と言われるのが悩みでもあります。(笑)以前は、近現代の作品が好きだったのですが、最近はバロックや古典派の作品にとても惹かれています。今回初めて、ブラームスの作品を手がけます。 ブラームスが自信を持って書き上げた初期の作品のひとつなので、彼の若々しさを表現できるように頑張ります。

アラファト・ローランド B1カテゴリー:第1位
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117 第1番 変ホ長調/幻想曲集 Op.116 第7番 奇想曲 ニ短調

音楽を一番うまく生み出す指番号を見つける。

7年前に日本に来ました。演奏する機会は時々ありましたが、様々な観点からのアドバイスをいただきたく、初めてコンクールに臨みました。練習で重要だと考えるポイントはいくつかありますが、自分が想像した音楽を一番うまく生み出す指番号を見つける事です。ペダルなしで音とリズムの正確性を確認する事も重要。他にはフレーズがどこからどこまでなのか、ピアノなしで歌うことで明確するように心がけています。さらに言えば、どのような楽器を想像してフレーズを作曲されたのかを考慮すること。それを想像して演奏することで曲の性格を如実に伝えることができます。ブラームスが「私の苦悩の子守唄」と記述したとおり、op.117-1は冒頭にメロディーが「子守唄」のように、中間部には哀切かつ神秘的な雰囲気で、「痛苦」な音形が繰り返して出てきます。Op.116-7は、荒々しい即興風の勢いで始まり、最後まで不安を覚えさせる曲です。

成田 衣里 B1カテゴリー:第2位
小栗 克裕:ピアノ・ソナタ 第5番

「自分が弾きたい曲」と「自分に合っている曲」がある。

ピティナのコンペは、年代ごとに違うランクで続けていけるので、C級の頃から、現在は連弾でも参加しています。グランミューズはたくさんの愛好家との出会いやコミュニケーションがあることで、良い刺激となり、相乗効果が得られていると思います。コンクールは選曲が重要だと思うので、「自分が弾きたい曲」と「自分に合っている曲」を見分けるために先生や友人に聞いていただいて選出することが多いです。練習時間はあまり確保できないので、イメージトレーニングを常にしています。うまくいくときは、一日中頭の中で音が鳴っていたり、自分が弾けない、うまくいかないところがループし続けたりという風に過ごすことができますが、調子が悪い時は原点に戻って練習をやりなおしたり、気分転換をしたりして前向きになるように行動しています。

矢野 志保美 B1カテゴリー:第3位
プーランク:バッハの名による即興的ワルツ/15の即興曲より 第13番 イ短調/「3つの小品」より トッカータ ハ長調

一度限りの本番を聴いてくださる方々に感謝いたします。

コンクールに参加することは、目標を明確にし、限られた時間を計画的に過ごすことに良い励みになっています。今回プーランクを選曲しましたが、お洒落さ、諧謔性、叙情的なメロディーと、曲によっても様々で、また一つの曲の中にも色んな要素が次々と現れますが、そこにいつも一寸の余裕があるところがポイントだと思っています。今でもまだまだ出来ないことが多く、音楽の果てしなさを痛感する日々です。独りでは今日の私は無かったことは言うまでもありません。先生、実技以外の音楽面でのサポートをして下さる方、友人、そして、何より一番私の事を考えてくれている両親に、感謝しています。また、本番は一度限りです。その演奏を聴いて下さる方々にも感謝致します。日頃、なかなか気持ちを伝えることができませんので、今日は、その気持ちを込め、演奏したいと思っております。

小林 創 A2カテゴリー:第1位
アルベニス:「イベリア」より エル・アルバイシン

ピアノに向かわず作曲者の意図を楽譜から解読する。

コンクールは曲をじっくり仕上げ、また上達する格好の機会と捉えています。初めて参加するカテゴリーでしたので気負わず音楽を大切に、を心がけました。練習では、ピアノに向かわず作曲者の意図を楽譜から解読すること、頭の中で曲を奏でることに時間を使います。技術面では音色やニュアンスの表現に留意して部分練習に徹します。また、短時間集中して練習に専念するよう配慮しています。「イベリア」は学生の頃から馴染みある曲集ですが、演奏が難しいこともあり長らく遠ざかっていました。今回は、入賞者記念ということもあり、特に有名で親しみやすい選曲としました。ドビュッシーが芳醇なブランデーの香りに喩え絶賛した曲でもあります。

栗本 康夫 B2カテゴリー:第1位
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36(1931年版)第2、3楽章

レコードがすり減るまで聴いた曲です。

どんなに忙しくても何とかピアノは続けていきたいという思いで、練習のモチベーション作りのためにコンクールにエントリーしました。練習で特別なことはしていませんが、短い時間で集中するように心がけています。私にとってラフマニノフは昔も今も大好きな作曲家ですが、特にこの2番ソナタは学生時代の一時期に大いにはまった曲で、ヴァン・クライバーンのモスクワライヴのLPをレコード盤がすり減るまで聴き続け、当時交際していた今の妻にあきれられた思い出があります。大学時代に演奏したことがあるので、準備期間が短くても何とかなるだろうと選曲しましたが、四半世紀のブランクはあまりに大きく、古ぼけた楽譜を前に「昔はようこんな難しい曲を弾いたものや」と途方に暮れています。

高溝 正 B2カテゴリー:第2位
ラフマニノフ:前奏曲 変ホ短調 Op.23-9/楽興の時 ホ短調 Op.16-4

妻の薦めでチャレンジしました。

大学時代からの友人がかつてこのコンクールで入賞したこともあり、妻の薦めでこのたびチャレンジしました。ラフマニノフのピアノ曲はすべて好きですが、特にop16-4は妻の持っていたDVDでルガンスキーが弾いていたのを見てしびれたので、コンペティションに続き再度弾きたいと思います。op23-9は、独特の困難なテクニックに敢えて挑戦してみたいと思いました。

鷹野 妙 Yカテゴリー:第1位
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.36 (1931年版) 第1楽章

グランミューズ部門の参加者から「音楽は自由でいいんだ」と学びました。

幼少時からご指導賜っている穂積先生から"グランミューズ部門は、参加者がクラシックからジャズまで幅広いジャンルの曲を用意して参加するので、とても勉強になる"ことを伺い参加しました。様々な解釈・表現の演奏に出会い、型にはまった演奏へと向かっていた私は、"音楽は自由でいいんだ"という衝撃をうけました。音楽に向き合う心も、楽しむ心もおおいに成長し、充実した夏休みとなりました。
 今回、聴いていただく曲は、叙情的な旋律が魅力のラフマニノフ作曲ピアノ・ソナタ第2番です。このソナタは、1913年にローマで作曲され、1931年にラフマニノフ自身によって改訂されました。私の1楽章の後に栗本康夫さんが、第2,3楽章を演奏します。併せてお楽しみ下さい。

西村 咲子 Yカテゴリー:第2位
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 第3楽章

参加者の個性的な演奏が勉強になりました。

毎日取り組む練習に目標が出来るという先生の勧めでコンクール出場を決めました。 グランミューズ部門は今回が初めてでしたが、皆さんの個性的な演奏を聴かせていただいた事も、とても勉強になりました。練習では常に「作曲家が曲にどういう想いを込めて作ったのか」を意識し、その曲の内面性・精神性を考えてひとつひとつの音を創っていくことを心がけています。 シューベルトのソナタは今回初めて挑戦。典型的なソナタ形式の曲ですが、それぞれに秘められた複雑な内面性を表現することが出来ればと思っています。

白井 真里 Yカテゴリー:第3位
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻より 「アナカプリの丘」 「西風の見たもの」

1曲を深く追求できるのがグランミューズ部門。

1曲を深く追求するという勉強がいま自分に足りない部分だと思い、今回グランミューズ部門を受けることを決めました。予選のかけ持ちをしなかったので1回1回が本当に緊張する本番になりとても勉強になりました。大学(一般大教育学部)の授業はピアノ実技も多いですし、他の方と比べたら練習時間の確保に恵まれているのですが、学校まで片道2時間半ほどかかるので電車の中では体力回復のために寝ているか、暗譜をしたり、どうやって曲を弾くか考えるようにしています。フランスの作曲家が好きで今回はドビュッシー選びました。以前から譜読みをしながらずっと弾いてみたいと思っていた曲ですのでこれからしっかり取り組んで素敵な演奏ができればと思います。

遠藤 千恵・香山 木実 Dカテゴリー:第2位
レーガー:6つのブルレスク Op.58 第4、5、6番

間の呼吸がピッタリ揃ったときの感覚。今では断然連弾の方が楽しいです!

先生の「連弾やってみない?」の一言で、それまで挨拶程度しか言葉を交わした事のなかった私達が連弾をすることに(笑)。最初はお互い遠慮しながらの演奏でしたが、回を重ねるうちに、間の呼吸がピッタリ揃ってきたり、一人では出せない音の厚みがバランス良く出た瞬間とか、ソロにない面白さがわかってきて...。今では断然連弾の方が楽しいです!仕事をしつつなので、せいぜい合わせるのは週に1回ほど。ひとりの時には相手の音を想像してバランスを考えたり、それぞれのイメージについて話し合ったり。(でもいざ合わせてみるとうまくいかなかったり...)苦労もたくさんありますが曲が出来上がった時の感動は2倍...それ以上かもしれません。今回の曲目は2人が一致して「弾きたい!!」と思ったとってもかっこいい曲です。少しでもレーガーという作曲家の魅力を表現できればと思います。

西口 彰浩・岩井 良裕 Dカテゴリー:第1位
廣田 はる香:Fluorite

今回のコンサートのために曲を書いていただきました。

(西口さんが)高校生になったことにより、Dカテゴリーに参加できるようになりました。5年間共にやってきたペアで挑戦したいと思い、参加を決めました。今回のコンサートでは自分たちが納得し、弾きたいと思う曲がなかなか見つからず、悩んだ末に、先輩で東京芸術大学大学院で作曲の勉強をなさっている廣田はる香さんに曲を書いていただけないかお願いしたところ、快く新曲を書いていただけました。今回新曲を初演させていただけるという光栄に恵まれ、多くの方々に聞いていただけるということで、作曲者の思いを伝えられるような良い演奏ができるよう精一杯がんばりたいと思います。

取材・文:毛涯 達哉

グランミューズ部門入賞者記念コンサート 詳細はこちら


ピティナ編集部
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