甦る系譜

アントン・ルビンシテイン Anton Rubinstein

2006/06/09
【お知らせ】
金澤攝氏の全音源は2012年7月18日にすべて公開停止しました。
現在はウェブページのみをアーカイブしております。どうぞご了承ください。
【参照】http://www.piano.or.jp/enc/news/2012/07/18_14529.html

Anton Rubinstein (1829-1894)  アントン・ルビンシテイン

ロシアのピアニスト・作曲家・指揮者。リストと並ぶ19世紀最大のピアニストと目され、欧米各地を巡演して絶賛される。1862年、ロシアで最初の音楽学校、ペテルスブルク音楽院を設立。初代院長となり、チャイコフスキーらを指導した。オペラ、交響楽、室内楽曲など、情熱的で長大な作品が多いが、今日では僅かにピアノ小品のいくつかが知られるのみである。


SOIRÉES MUSICALES   9 Morceaux   Op.109 音楽の夜会  9つの作品

1.PRÉLUDE 前奏曲 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
2. VALSE ワルツ 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
3. NOCTURNE 夜想曲 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
4. SCHERZO スケルツォ 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
5. IMPROMPTU 即興曲 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
6. RÊVERIE-CAPRICE 夢想~奇想曲 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
7. BADINAGE バディナージュ 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
8. THÈME VARIÉ 主題変奏 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
9. ÉTUDE 練習曲 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
(録音日:2006年5月28日)


1884年作。後期を代表するピアノ曲である。1時間を超える大作はピアノ曲だけで5点あり、そのうちの一つとなっている。Op番号にして121を数えるルビンシテインの作品は、約半数が20代で一気に書かれ、Op.100以降の後期作品はとりわけ密度の高い、厳しい風情の作品が並ぶ。Op.109の各曲はそれぞれ当時の著名なピアニストたちに捧げられ、その芸風を偲ばせる。中でもフランシス=プランテ(1839-1934)に捧げられた第7曲は9つのセクションからなるこの曲集の白眉である。出版はモスクワのユルゲンソン社から。


SOUVENIR DE DRESDE  Op.118 ドレスデンの想い出

1.Simplitcias 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
2. Appassionata 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
3. Novellette 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
4. Capriccio 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
5. Noctune 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
6. Polonaise 【♪ 試聴する(Youtubeへ)
(録音日:2006年8月28日)

1ルビンシテインの死の年(1894)の作。ドレスデンは彼が晩年の日々をすごした愛着を寄せる町であったが、具体的な描写はない。円熟した書法、彫琢された構成、孤高の境地を極めた内容は、ルビンシテインのみならず、19世紀のピアノ音楽における至高の頁といえよう。同年、ウージュル社刊。


VALSE ワルツ 変イ長調

mp3(試聴)(録音日:2006年5月29日)

1891年作で、作品番号は付けられていない。チャイコフスキーに圧倒的な感化を与えたバレエ音楽的な要素と、幾何学模様風な音の組み立て方が特徴的。アナトール・リャードフ(1855-1914)に捧げられた。出版はユルゲンソン。


金澤 攝(かなざわをさむ)

作曲家、ピアニスト、研究家。1959年、石川県金沢生まれ。70年から74年までピアノを宮沢明子氏に師事。
15歳で渡仏、パリに学ぶ。作曲を独学で学び、ピアノのレッスンに並行して広範囲にわたる作曲家の研究に取り組む。78年、知られざる名作を日本に紹介すべく帰国、研鑽を重ね、現在200人の音楽家を対象として研究、演奏を行っている。 第7回ラ・ロシュル国際コンクール第2位(1位なし)、第1回現代音楽コンクール審査委員長(故・園田高弘氏)奨励賞、第3回村松賞大賞、金沢市文化活動賞、石川テレビ賞ほかを受賞。エピックソニーよりアルカン選集全8巻、自作アルバムを発表。

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