ハイドンの世界

第23回 ソナタ第56番 Hob.XVI/42 ニ長調

2007/07/31
SONATA No.56 Hob.XVI/42 Andante con espressione-Vivace assai

あたたかい木漏れ日があたりを照らしているような雰囲気をもつ名曲です。ハイドンが好んで使ったニ長調の美しさが曲全体を包み込んでいます。2楽章形式のこの曲は、他の曲とは少し変わった形式をもち、第1楽章は複合3部形式と変奏曲が合わさったものです。テーマが変奏される過程は聴いても弾いても息をのむほど美しく、私はハイドンの変奏曲つきソナタの中で、この曲は特に大好きです。2楽章も、愛らしいメロディーが鮮やかに、けれどさりげなく変化していくハイドンらしい気まぐれな雰囲気をもち、最後は慎ましやかに終わります。

ハイドン・ひとことメモ
「第23回 ハイドンの弦楽四重奏曲 ─弦楽四重奏曲について─」
ハイドンは「弦楽四重奏曲の父」と言われています。たくさんの素晴らしい弦楽四重奏を作曲したばかりでなく、弦楽四重奏というジャンルを切り拓いていった功績者として認識されています。ハイドンに影響されたモーツァルトは、後にハイドンに献呈した「ハイドン・セット」という弦楽四重奏を作曲し、その後ベートーヴェンやシューベルトなど、様々な作曲家が作曲したことによってこのジャンルは重要なものとして確立されました。はじめは83曲とみなされていたハイドンの弦楽四重奏曲ですが、後に偽作などが含まれていることが発覚し、現在は全68曲とされています。多くが6曲か3曲でまとめて作曲されており、現在も演奏される機会が多い曲もたくさんあります。次回から、この魅力溢れるハイドンの弦楽四重奏について詳しく書いていきたいと思います。
ソナタ第56番 Hob.XVI/42

1,2楽章♪試聴 

前山 仁美(まえやまひとみ)

1987年3月22日生まれ。
1996年 ピティナ・ピアノコンペティションB級奨励賞。1998年 第15回教育連盟ピアノオーディションA部門入賞、同入賞者演奏会出演。2000年 ピティナ・ピアノコンペティションD級銅賞。2001年 第17回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門中学生の部第1位、総合第2位、神奈川新聞社社長賞受賞。トップコンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。2003年 第1回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2004年 第5回ショパン国際ピアノコンクール in Asia、アジア大会奨励賞。第9回浜松国際ピアノアカデミー受講。ピティナ・ピアノコンペティションG級金賞、併せて東京都知事賞、讀賣新聞社賞、ヒノキ賞、王子賞、洗足学園前田賞受賞。第2回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2005年 フランスのMoulin d'Andeにて行われたマスタークラス受講。アメリカにて行われたジーナ・バックアゥワー国際ピアノコンペティションYoung Artist部門第6位。第3回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。
2006年 ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞受賞。併せて文部科学大臣賞、讀賣新聞社賞、ミキモト賞、王子賞、三菱鉛筆賞受賞。

幼少の頃より現在に至るまで江口文子氏に師事。モスクワ音楽院にて、パーヴェル・ネルセシアン教授に師事。これまでに、佐藤俊、日比谷友妃子の各氏に師事。

ハイドンの世界:http://j-haydn.blogspot.jp/

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