ハイドンの世界

第04回 ソナタ 第47番 ロ短調 Hob.XVI:32

2007/07/12
SONATA No.47 Hob.XVI/32 h: Allegro moderato-Menuet-Finale

ハイドンのソナタの中でも、よく弾かれる名曲です。ロ短調の、あたたかくもあり、厳しくもある雰囲気の中で、初めの音から最後の音まで曲を一貫してhの音にこだわりをみせています。冒頭の、何かを予感させるようなモチーフが1楽章を支配し、ロ長調の2楽章のメヌエットは、あたたかい光があたりを照らしているような美しいフレーズが響きます。3楽章の冒頭にはハイドンがよく使った連打の音型が多用されています。まるで心臓の音のようで、曲全体に緊張感が走っています。私がこの曲に出合ったのは14歳の時で、長い間この曲と向かいあってきましたが、弾くたびに違う感動を与えてくれます。昔も今も変わらずこの曲を心から大切にしています。

ハイドン・ひとことメモ
「ハイドンの兄弟」
ハイドンの両親、マティアスとマリアの間には12人の子どもが生まれ、ハイドンは2番目に生まれました。18世紀当時は子どもを育てる環境が整っていなかったため、子どもが生まれても次々と死んでしまい、ハイドン一家も12人のうち6人死に、姉とハイドン、弟と妹が2人ずつ生き残りました。この中で、音楽家として活躍したのは、弟のミヒャエルとエヴァンゲリスト、そしてヨゼフ・ハイドンの3人で、特にミヒャエルはモーツァルトと親交が深く、たくさんの曲を残しました。46歳で母マリアが他界した後は召使いだった19歳の女性が後妻となり、さらに5人の子どもを生みました。
ソナタ 第47番 ロ短調 Hob.XVI:32

第1楽章 ♪試聴 
第2楽章 ♪試聴 
第3楽章 ♪試聴 

前山 仁美(まえやまひとみ)

1987年3月22日生まれ。
1996年 ピティナ・ピアノコンペティションB級奨励賞。1998年 第15回教育連盟ピアノオーディションA部門入賞、同入賞者演奏会出演。2000年 ピティナ・ピアノコンペティションD級銅賞。2001年 第17回かながわ音楽コンクールユースピアノ部門中学生の部第1位、総合第2位、神奈川新聞社社長賞受賞。トップコンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。2003年 第1回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2004年 第5回ショパン国際ピアノコンクール in Asia、アジア大会奨励賞。第9回浜松国際ピアノアカデミー受講。ピティナ・ピアノコンペティションG級金賞、併せて東京都知事賞、讀賣新聞社賞、ヒノキ賞、王子賞、洗足学園前田賞受賞。第2回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。2005年 フランスのMoulin d'Andeにて行われたマスタークラス受講。アメリカにて行われたジーナ・バックアゥワー国際ピアノコンペティションYoung Artist部門第6位。第3回カワイ主催ロシアン・ピアノスクール in 東京受講、受講生選抜公開演奏会出演。
2006年 ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、聴衆賞受賞。併せて文部科学大臣賞、讀賣新聞社賞、ミキモト賞、王子賞、三菱鉛筆賞受賞。

幼少の頃より現在に至るまで江口文子氏に師事。モスクワ音楽院にて、パーヴェル・ネルセシアン教授に師事。これまでに、佐藤俊、日比谷友妃子の各氏に師事。

ハイドンの世界:http://j-haydn.blogspot.jp/

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