名曲喫茶モンポウ

開店のごあいさつ

2008/06/22
 
 このたび、関係者各位のお力添えを得て、PTNAさんのサイト上に、「名曲喫茶モンポウ」を開店させていただく運びとなりました。
 開店にあたりましては、オマージュもこめまして、店主の敬愛する作曲家、フェデリコ・モンポウさん(1893-1987、スペイン)のお名前を店名として拝借させていただきました。モンポウさんの音楽はあまり知られていませんが、えもいわれぬ静けさと懐かしさが心に染み入る、すてきなピアノ小品の宝庫です。
 音楽は時間芸術であり、はかなく消えていってしまうからこそ、いとおしく思います。私は、音楽の流れにリアルタイムで身をゆだねているとき以上に、過ぎ去ってしまった美しい音楽を頭のなかで反芻し、余韻に浸っているひとときがたまらなく好きです。
 わずか数分間、一瞬のうちに過ぎ去っていってしまう小品は、私たちの心に詩的でさわやかな余韻を残していきます。ソナタのような構造的な大曲とはまったく違った、小品のかけがえのない魅力です。特に、その曲を初めて聴いたときの鮮烈な印象と美しい余韻を味わうよろこびは格別です。
 そこで、当店では、古今のピアノ小品から、おそらく皆さまの多くがご存じないであろう詩情あふれる名作をピックアップし、モンポウさんを始めとする、愛すべき知られざる作曲家の美しい小品から、大作曲家の隠れた佳曲まで、幅広くご紹介してまいります。小品は、作曲家の音楽の魅力がぎゅっと詰まった数分間の宇宙です。店主の拙いご紹介が、ひとつでも素敵な出会いのきっかけとしてお役に立てれば、望外のよろこびです。
 当店でのひとときをごゆっくりおくつろぎいただければ幸いです。お気軽にご来店いただき、末永くご愛顧賜りますよう切にお願い申し上げます。
カフェ・マスター(店主):内藤 晃

内藤 晃(ないとうあきら)

 栄光学園高校、東京外国語大学卒業。桐朋学園大学指揮教室、ヤルヴィ・アカデミー(エストニア)にて指揮の研鑽を積む。チャリティー、施設慰問等の演奏活動に長年意欲的に取り組み、2006年度、(財)ソロプチミスト日本財団より社会ボランティア賞受賞。外語大在学中、CD「Primavera」(2008年3月)でピアニストとしてデビュー、「レコード芸術」5月号誌上にて特選盤に選出され、「作品の内面と一体化した純粋な表現は聴き手を惹きつけてやまない」(那須田務氏)などと高く評価される。

 現在、ピアノ、指揮、作曲、執筆の各方面で活躍。ピアニストとして、ソロ、アンサンブルの両面で幅広く活動するほか、監訳書にチャールズ・ローゼン著「ベートーヴェンを"読む"―32のピアノソナタ」(道出版)、校訂楽譜に「ヤナーチェク:ピアノ作品集1・2」「シューベルト=リスト:12の歌、水車屋の歌」(ヤマハミュージックメディア)がある。谷口未央監督による映画「仇討ち」(田原拓主演・ソーシャルシネマフェスティバル2012優秀賞受賞作品)、「矢田川のバッハ」(冨樫真主演・ショートストーリーなごや2012入賞作品)の作曲、音楽監督を務める。2013年、楽譜CDセット「マリンバ・フェイバリッツ」(野口道子編著・共同音楽出版社)のピアノ演奏を務め、伴奏譜の編曲にも参画する。横浜市栄区民文化センターリリス・レジデンス・アーティスト。(社)全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)正会員。

 これまでにピアノを城田英子、広瀬宣行、川上昌裕、加藤一郎、デイヴィッド・コレヴァー、ヴィクトル・トイフルマイヤーの各氏に、指揮を紙谷一衛、レオニード・グリンの両氏に、音楽理論を秋山徹也氏に、古楽を渡邊順生氏に、ジャズコンポジションを熱田公紀氏に師事。

ホームページ http://www.akira-naito.com/

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