【実施レポ】「四期」のしっておくべきこと‐作曲家とその時代の音楽的語法‐(赤松林太郎先生)

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2016/12/19
「四期」のしっておくべきこと‐作曲家とその時代の音楽的語法‐
赤松林太郎
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2016年12月5日(月)ヤマハミュージック倉敷店2Fホールにて赤松林太郎先生をお招きし、「「四期」のしっておくべきこと‐作曲家とその時代の音楽的語法‐」という題で講座が開催されました。



お忙しい先生の講座がようやく実現し、多くの方に受講していただきました。 今回は、来年にかけての全4回シリーズの第1回目ということもあり、まず「速さの概念」を軸に、バロック、古典、ロマンそして本日のテーマである近現代へと続く大きな流れを解説していただきました。

速度記号のもつ意味合い・ニュアンスは、その時代の速度感から生まれたものであり、楽曲を知っていく大きなヒントになるのですが、どんどん広がっていく先生の解説は本当に興味深いものでした。
音楽史的な観点からだけではなく、広く世界史的な視野からもとらえてお話しくださった「四期」の音楽の変遷を学びながら、多くの作品を送り出した作曲家達の様々な挑戦を知ることが、曲の解釈ひいては演奏の工夫につながっていくのだと再認識させていただきました。

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そして本題の近現代。印象派、新古典派など近現代を代表する作曲家達の作曲技法についてお話が進むのですが、印象的だったのは「ドビュッシー」の「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」冒頭部の楽譜を使ってのペダルの奏法でした。
調性の決まった時代の濁りのないペダルから、ハーモニーの混ざり方が美しく濁るペダルへと変化していくのですが、踏むタイミングだけではなく、深さのアレンジ、細やかに実現するための足の向き(フォーム)、ソフトペダルの効果的な使い方等々、演奏をされながら詳しく解説して下さいました。その音色の変化と響きの美しさとニュアンスの豊かさに感動でした。

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次々溢れ出てくる深い知識、テクニック、指導法、その合間にユーモアセンスたっぷりのお話も交えられ本当にあっという間の2時間でした。次回は、「バロック期」ですが、バロックにおけるペダルのとらえ方も、というまた興味深い予告もいただきました。益々楽しみです。
赤松先生ありがとうございました。

Rep:PTNA岡山支部 藤井洋子・野中典子
 

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