2.講座内容・プロフィール

第1回 2014年4月24日(木) 今井 顕先生
言語と音楽との濃密な関係―抑揚のとらえ方再確認
●講座内容

あたりまえと思い、わかっているつもりの音楽ですが、実は日本人にとっては強烈な「異文化」です。本当は外国語を勉強するのと同じぐらいの心構えが必要なのです。「倍音」をキーワードにその真実を解き明かし、自然な表現のために必要な「抑揚」の大切さを再確認します。「わかっています」だけでは不充分。「やっているつもり」も、独りよがりに過ぎないことがほとんどです。これを機会に根性を入れ直してみませんか?

●プロフィール

今井 顕(いまいあきら/ピアノ)◎16才で渡欧し、ウィーン国立音楽大学をわずか3年で最優秀の成績にて修了する。パウル・バドゥーラ=スコダに薫陶を受け、コンサートピアニストとして国際的な活動を行う。1981年より14年間にわたってウィーン国立音楽大学ピアノ専攻科にて教鞭を執り、1995年オーストリア政府より名誉教授の終身称号を授与される。現在は国立音楽大学大学院教授、全日本ピアノ指導者協会評議員。ペータース社やオイレンブルク社における原典版楽譜、全音の「ソナチネアルバム」「ソナタアルバム」や音友社の「モーツァルトソナタアルバム」など国内外の楽譜校訂をはじめ、音楽雑誌などへの執筆も数多い。

第2回 2014年5月21日(水) 石田 祥子先生
今年度コンペ課題曲研究~近現代作品を中心に
●講座内容

時間藝術である音楽は様々な音階と和音、リズムによって物語を作り出します。
ここでは、主に小学生の近現代曲を彩る音階や和音(進行も含む)を使って皆様とフレーズ、物語と曲の構成などを考え、曲作りの擬似体験をしていきます。
時間制限がありますので私の方で提案する事が多いかと思いますが、曲作りの擬似体験をする中で曲の演出についても皆様と活発な意見交換を入れたいと思います。
皆様の楽しいアイディアをお待ちしております。

●プロフィール

石田 祥子(いしだ さちこ/作曲家)◎東京芸術大学作曲科卒業。在学中より舞台芸術の音楽に興味を持ち、今までにダンスパフォーマンスの演出、作曲、オブジェとのコラボレーションの他、児童劇団の音楽や国内外のミュージカルの作、編曲に関わる。ピティナに於いては2007年、2013年に新曲課題曲賞を受賞。

第3回 2014年6月18日(水) 広上 淳一先生
京都市交響楽団と私~信頼と愛情に育まれる演奏~
●講座内容

演奏という共通の目標に向かう集団「オーケストラ」の面白さ。構成員が同じであってもモチベーションが大きく違ってくるその理由とは?可能性はだれの中にも等しくあります。ピアノ指導にも活きる「音楽の最前線」からのおはなし!

●プロフィール

広上 淳一(ひろかみ じゅんいち/指揮者)◎東京生まれ。東京音楽大学指揮科に学ぶ。第1回キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールに優勝し、国際的な活動を開始。ノールショピング響首席指揮者、日本フィル正指揮者、ロイヤル・リヴァプール・フィル首席客演指揮者、リンブルク響首席指揮者を歴任。2006~08年には米国コロンバス響の音楽監督を務めた。オペラの分野でも国内外で活躍。2008年4月より京都市交響楽団常任指揮者に就任。多忙な指揮活動と平行して、母校東京音楽大学教授としても後進の育成に情熱を注いでいる。

第4回 2014年7月23日(水) 廻 由美子先生
現代音楽に学ぶ~しなやかな発想と身体性
●講座内容

皆様は現代音楽に「難しい」というイメージをお持ちではないでしょうか?でも他の音楽と確実に同じと言えるのは、人が「身体」という最も古い道具を使って演奏するということ。バロックから現代曲に至る幅広いレパートリーを持つ廻由美子先生による現代ピアノ曲「解題」講座!

●プロフィール

廻 由美子(めぐり・ゆみこ/ピアノ) ◎桐朋学園大学ピアノ科を卒業後渡米、インディアナ大学音楽学部でジョルジュ・シェベックに学び最高位を得て卒業。これまでにバロックから近現代に至る10数枚に及ぶCDをリリース。その数多くが「レコード芸術誌・特選盤」に選ばれている。多彩な活動を展開しており、2007年より年2回主催、企画運営する「テッセラ音楽祭・新しい耳」は、ボーダーレスな個性派音楽祭として注目されている。現在、桐朋学園大学音楽学部教授。

第5回 2014年9月3日(水) 篠崎 史紀先生
「コンサートマスター」という仕事
●講座内容

様々な役割を担うオーケストラの花形「コンサートマスター」。指揮者の意図を楽団員に伝え、時に補い、音楽の流れを見極め、あるいはリードしながら演奏するという縦横無尽の活躍ぶり。体も心もフルに使うお仕事からは、大きな重圧とともに、他では味わえない喜びや、様々な思いも生まれるはず。日本一のコンサートマスターから、その「お仕事」内容をご紹介。

●プロフィール

篠崎 史紀(しのざき ふみのり/ヴァイオリン)◎愛称 "まろ"。NHK交響楽団第1コンサートマスター。15歳の時に毎日学生音楽コンクール全国第1位。北九州市民文化賞を史上最年少で受賞。高校卒業と同時にウィーン留学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビュー後、ヨーロッパの主要なコンクールでの受賞多数。88年帰国後、群馬交響楽団、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、97年、NHK交響楽団コンサートマスターに就任。"N響の顔"として国内外で活躍中。桐朋学園非常勤講師、昭和音大客員教授。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。

第6回 2014年10月15日(水) 亀田 正俊先生
ピアノ楽譜出版の現在 ~編集の現場から~
●講座内容

今、日本では「選ぶのに困る」くらい膨大な数のピアノ教本・教材が出版されています。この状況にどのように至ったか、そしてどのように捉えるか。ピアノ楽譜出版の歴史と現状について、楽譜編集者の立場からお話しします。

●プロフィール

亀田正俊(かめだまさとし)◎1967年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部人文専修卒業。音楽之友社出版部所属。これまでに「標準版ピアノ楽譜NewEdition」「ニュー・スタンダード・ピアノライブラリー」「舘野泉左手のピアノ・シリーズ」「ピアノ共演法」「ブルクミュラー25の不思議」等の編集を手がける。早稲田大学交響楽団(チェロ)卒団。1982年ピティナ・ピアノコンペティションF級全国決勝大会出場。2008年APA室内楽クリニック最優秀賞受賞。日本楽譜出版協会制作委員会副委員長、日本セヴラック協会事務局。

第7回 2014年11月20日(木) 梅津 時比古先生
音楽大学の教育の価値と発展~文化としての音楽
●講座内容

西洋音楽の日本伝来から100余年。21世紀の音楽大学に問われる役割とは?「文化としての音楽」、「社会の一員としての音楽家」についてそれぞれが問い直すきっかけとなるような内容を予定しています。

●プロフィール

梅津 時比古(うめづ ときひこ)◎桐朋学園大学学長。毎日新聞学芸部特別編集委員。早稲田大学講師。著書に「冬の旅 24の象徴の森へ」、「<セロ弾きのゴーシュ>の音楽論」(芸術選奨文部科学大臣賞、岩手日報賢治賞)、「<ゴーシュ>という名前」(NHK制定「日本の100冊」)、「神が書いた曲」「フェルメールの楽器」ほか。音楽評論で初の日本記者クラブ賞受賞(2010年度)。内外のコンクールの審査員を務める。

第8回 2014年12月17日(水) 海老澤 敏先生
モーツァルトのピアノ曲とその周辺(仮)
●講座内容

"モーツァルトのピアノ作品は演奏家・指導者にとって重要レパートリーです。
「モーツァルトは、音は少ないけども難しい」とは、専門家のあいだでもよく話題にのぼること。その「難しさ」の理由に迫ります。

●プロフィール

海老澤 敏(えびさわ びん)◎東京生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒業、同大学院人文科学研究科美学専攻修士課程修了。1962年~64年、フランス政府給費留学生として滞仏。現在、尚美学園大学大学院特別専任教授、日本モーツァルト研究所所長等。平成19年には文化功労者顕彰を受けた。元国立音楽大学学長、学園長・理事長、日本音楽学会会長、日本18世紀学会代表幹事等を歴任。サントリー学芸賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、オーストリア共和国有功勲章学術・芸術第一等十字章他、多数の賞(章)を受けている。主な著書に「モーツァルト像の軌跡」、「超越の響き」、等、主な訳書に「モーツァルト書簡全集」(全6巻、共編訳)、「ルソー全集・音楽論」等がある。

第9回 2015年2月5日(木) 日原 美智子先生
自分の音は聴けていますか?―より魅力的な響きへのアプローチ
●講座内容

演奏中、ホールにただよっている残響を聴くのではなく「今、まさに演奏している自分の音をリアルタイムでチェックする」――そのためにはちょっとしたコツが必要です。それを会得すると響きがとてもピュアになり、表現したいことが聴いて下さる方によりダイレクトに、鮮明に届くようになります。まずは骨導(骨の響き)を含んだハミングによって「響き」そのものを自分の身体で実感するところからスタートしてみましょう!

●プロフィール

日原 美智子(ひはら みちこ)◎東京藝術大学声楽科卒業。トマティス聴覚カウンセラー、CAV(Course Audio-Vocal:トマティス発声法) インストラクター。トマティス博士から直接指導を受け、日本人初めてのCAV指導者となる。トマティス博士の意思を忠実に受け継ぎ、その理念を基にCAVの指導だけでなく「パフォーマンスにおける声(音色)の重要性について」の公演活動や若い演奏家の育成、多分野の演奏家のサウンド構築や合唱団の指導を多数行っている。

第10回 2014年3月26日(木) 池辺 晋一郎先生
作曲家の音符たち
●講座内容

音符から巨匠たちの息遣いに迫ります。作曲家の池辺晋一郎先生に、大作曲家たちの努力や苦労を「同業者ならではの観点」から語って頂く講座です。音楽史でも普通の分析でもないけれど音楽の本質が垣間見える・・・すべては「音符」から!

●プロフィール

池辺 晋一郎(いけべ しんいちろう/作曲家)◎水戸市生まれ。1971年東京芸大大学院修了。66年日本音楽コンクール1位。以後、ザルツブルクTVオペラ祭優秀賞、イタリア放送協会賞3度、尾高賞2度、毎日映画音楽賞3度、日本アカデミー賞優秀音楽賞9度、放送文化賞、紫綬褒章など。作品:交響曲9曲、オペラ10曲他。映画・演劇・放送音楽多数。著書多数。横浜みなとみらいホール館長、東京オペラシティ・ミュージックディレクター、石川県立音楽堂洋楽監督他。東京音楽大学教授。

音楽総合力UPワークショップとは?特集ページはこちら
【GoogleAdsense】