【実施レポ】音楽総合力UPワークショップ2018 第5回 新井鷗子先生

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2018/09/21
音楽総合力UPワークショップ2018 音楽総合力UPワークショップ2017
実施レポート
レポート:村上美紗子先生
  • 4
  • 新井鷗子先生(構成作家)(2018年9月5日(水):開催)
  • 客を惹きつけるコンサート構成術
満員のコンサートを目指す

私達楽器演奏者は指導の一環として発表会や演奏会などお客様に披露するための舞台を企画する事があります。

演奏者は素晴らしい舞台を目指し、研鑽を積みます。ここに演目を客観的に見て助言のできる演出家の立場を加えたら、どんな効果が生まれてくるでしょうか。それが音楽構成作家である新井先生のお仕事です。「題名のない音楽会」や「ジルベスターコンサート」など、工夫を凝らした演出で視聴者を惹きつけるその手法について考えます。

敬遠されがちなクラシックコンサート

クラシックコンサートは一般的に敷居が高い、マナーがわからない、眠くなるなど、近寄りがたいイメージがあるようです。

コンサートの動員数を上げるのは簡単な事ではありません。自主公演のコンサートでは出来る限り宣伝に駆け回っても一般の集客は中々難しく、自己研鑽の為と割り切って赤字を覚悟するという事も少なくありません。動員数を上げるにはまず集客、そして次回に繋がるリピーターを確保する事が必要です。

ターゲットに合った宣伝

集客に繋がるのは宣伝です。ポスターやチラシをパッと見た時に「楽しそう」と感じるデザインにするなど、コンサートの雰囲気を伝える為の工夫が必要です。例えば気軽な初心者向けコンサートなのに、チラシを堅い雰囲気にしてしまうとその趣旨は伝わりません。聴きたいと思っていた内容とマッチする事は満足度に繋がるはずです。お客様は予定を組んで、お金を払って、足を運んでという手間をかけてコンサートに来ています。一度不満を感じさせてしまったら、次に足を運んでもらうのは難しくなるでしょう。

プログラム構成はコース料理のようにバランスよく

どんなに肉料理が好きでも、メインディッシュのみではあっという間に食べ終えてしまい、物足りない気がします。だからといって同じ物を二つ食べれば満足というわけでもありません。コース料理のように順を追ってバランスよく組み合わせられた食事が運ばれてくると、メインを心待ちにしながら前菜やスープを味わい、デザートで余韻を楽しむなど、その時間の中に満腹だけではない心地よさを感じるのです。曲の組み合わせも、前後の関係や全体のバランスが大切です。眠くならないようにと活発な曲ばかりを演奏したら疲れてしまう人もいるでしょう。曲の性格をよく理解して、選曲をする必要があります。

新井先生の手法から

ここで新井先生が携わった「題名のない音楽会」から構成の手法を紹介します。テーマは「ノクターンとは何か」です。

つかみ

ゲストに有名人を呼ぶ。
取っ掛かりやすい様に、ドラマの主題歌になった「ノクターン」を紹介する。

ダブリ

言葉で発されているものを、字幕で出す。
耳だけでなく目にも入る事で情報が伝わりやすい。

実演

ノクターンの中で有名な作品を演奏。マイナーでないものを選ぶ。

〈絵変わり〉
飽きさせないために演奏楽器を変える。同じ作曲家の曲や、ノクターン風の作品を選ぶなど、テーマから外れずに変化を出す。

新井先生の手法を参考に有名曲をプログラムに入れてみます。チラシの目玉になる様、曲名を見るだけでわかるような名曲です。また違う楽器での演奏を取り入れたり、ピアノコンサートでは4手や6手の連弾を取り入れる事で見た目や音に変化をつけられます。トークを入れたり、スクリーンを使って解説を入れてみるのも、分かりやすさや興味に繋がっていくでしょう。色々なアプローチ方法がありそうです。

興味を惹きつける鍵は「分かりやすい」こと

もちろんコンサートの趣旨によって集客の対象も変わりますから、客層に合わせたメニューを考える事が大切です。「楽しかった」「心地よかった」と感じてもらえれば、リピーターに繋がる可能性もあります。

中学時代に音楽の授業で「魔王」や「モルダウ」に触れた際、教師が説明する情景であったり、登場人物の心情を思い浮かべながら耳を傾けたものです。興味を持ったものにはすんなりと入り込めるのです。クラシックには1時間を超える交響曲などありますから、何の知識も興味もないままBGMとして流れていたら、睡魔が襲ってくるのは仕方のない事でしょう。

観てもらうという受け身な状態ではなく、こちらから投げかけるようなアプローチを心掛けていけば、観客にとって満足度の高いコンサートを実現できるでしょう。

コンサートにはテレビやCDにはない臨場感があります。舞台から聴こえてくる息遣いを同じ空間で感じるのです。奏者と聴衆が音楽を共有する事でお互いが満たされるのなら、こんなに素晴らしい瞬間はありません。

受講生インタビュー
瀬戸章子先生

テレビ番組の構成のお話やお客様を惹きつける技をお話いただき面白かったです。また自分達で構成を考える作業を通して、人の目に止まる、興味を持ってもらうという事がいかに大変かを実感しました。


こちらの講座は「音楽総合力UPワークショップ2018」のeラーニングコースでご覧いただけます。eラーニングコースは随時受け入れており、途中からでも2018年度すべての講座のご視聴が可能です!

  • 「音楽総合力UPワークショップ」は定額見放題のeラーニングではご視聴いただけません

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