【実施レポ】ピアノの先生のための伴奏講座(香川紀恵先生)

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2017/05/24
ピアノの先生のための伴奏講座
香川紀恵
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5月10日、横浜カワイのサロン、プラージュにてコレペティトール香川紀恵先生の「ピアノの先生のための伴奏講座」が開催されました。

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本講座は数少ない伴奏についての講座で、受講者の方々は全員が、ご自身の演奏のため、または生徒さんが学校で伴奏しているが、その指導について模索している、といったお悩みをお持ちのピアノの先生がたでした。




講座では、まず最初に

・コンサートピアニスト
・練習ピアニスト
・コレペティトール

の各々の役割を明確にしたうえで、伴奏者自らが歌詞を理解することが重要であるということを強調されました。そして歌詞を理解することで、楽曲が伝えたい内容を理解することができる、ということを、先生自らが歌詞を朗読しながら丁寧に解説されました。
その後、実際に歌詞を音に乗せてみると、歌詞のアクセント(韻律)が音型と綺麗にマッチしていることを発見、共有しました。
私たちが話している日本語も、地方によってはアクセントや言葉そのものが異なります。そのうえ外国で生まれ、外国語の詩を用いて創作された声楽曲になると、「日本人の感覚」のままでは対処できないことは、周知のとおりとはいえ、ついつい音に頼りすぎる場合があります。だからこそ私たちは常に(それも特にコレペティトールは)、外国語を勉強していかなければならいのだ、ということを目の当たりにし、改めて身が引き締まる思いがしました。
また伴奏はソリストに「伴う」のではなく、「サポート」することも大切な役割であるいうことを、実際の経験談とともにお話されました。伴奏者はソリストを「フォロー」することはもちろんのこと、時にはリードすることも必要で、そのためには伴奏パートだけではなく、音楽作品全体を理解することが大切だということがわかりました。

これまでに多くのソリストと共演されている香川先生は、本番まで短い準備期間で、効率的に曲を仕上げる極意をお持ちですが、もう一つ、ソリストの声質を瞬時に判断される確かな耳をお持ちです。
今回は「耳」を使い、響きのある和声を作る秘密も教えていただきました。
それは旋律のなかの共鳴し合う音と、そうでない音をどのように処理するか、ということです。これはビゼーのオペラ《カルメン》のアリア「ハバネラ」の半音階を例に挙げ実演くださいました。
先生の理論を使うと「ハバネラ」の半音階進行が、より魅惑的で艶やかな、まさにカルメンらしい、色気を感じさせる響きが生まれ、その技に受講者の皆さんは感嘆していました。

今回参考曲として実演されたのは以下の楽曲です。

カルダーラ:たとえ苦しくとも
シューベルト:菩提樹、野ばら
ビゼー:ハバネラ
プッチーニ:ある晴れた日に

香川先生、充実した内容の講座をありがとうございました。 次回のセミナーも楽しみにしています。

Rep:水野直子

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