【実施レポ】バッハからショパンへ(樋口紀美子先生)

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2017/01/10
バッハからショパンへ
樋口紀美子
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2016年12月17日(土)那覇新都心キリスト教会にて樋口紀美子先生をお招きし、「バッハからショパンへ」という題で講座が開催されました。

セミナーは2部構成で「ショパンエチュード徹底講座」& 公開レッスンが行われ、昨年の樋口先生によるバッハ・インヴェンション全曲講座に魅せられた指導者や、コンクール前の学生が多く受講されました。 樋口先生は、33年にわたって、ピアニスト、指導者としてドイツで活動されていらした経歴からか、飾らないざっくばらんな語りと、大らかな雰囲気に、受講者もリラックスした空気の中で、先生のエネルギー溢れる演奏に聴き入っていました。

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第1部の講座では、ショパン・エチュード作品10全曲を、先生ご自身による演奏と各曲解説という形で進められ、技術的に難しいとされるエチュードを音楽的観点から捉えた練習法、表現の仕方など、演奏に繋がるヒントを沢山お話下さいました。 左手の扱い方、小指の扱い方の工夫、和声進行の大切さ、拍感の大切さ、輝きのある音色、調性による音色の変化、等など、「 ショパンのエチュードは、音楽的な要素がたくさん織り込まれている芸術品なので、それを理解することがとても大切です。そこはバッハの平均律などの作品にも通ずることがあります」とおっしゃっていたことが印象的でした。

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第2部の公開レッスンでは、コンクールを目前に控えた学生が主に受講されたこともあり、会場に も一気に緊張が走りましたが、生徒一人ひとりの良さを大切に引き出して下さる先生の熱心なご指導に、徐々に身体の硬さが抜け、音楽がより自由に生き生きと変化していく様子が伝わり、一曲一曲が、又新たな輝きを持って聞こえてきたことが、大変貴重な時間でした。 講座、公開レッスン 共に、先生が一貫してお話されていたのは、しっかりとしたアナリーゼ、和音の変化に敏感になる、又、調性に対してのイメージをはっきりと持つこと等でしたが、指からではなく、曲のイメージ、「はじめに音楽ありき 」を強調されていたことが、正にドイツで長年培われた樋口先生の揺るぎない音楽観なのだと、強い共感を覚えました。

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4時間半以上にわたるセミナーでしたが、あっという間の時間で、受講者も、たくさんのイマジネーションとエネルギーを吸収できる機会となりました。樋口先生、素晴らしいセミナーを有難うございました。

Rep:バッハコンクールin OKINAWA実行委員 長堂奈津子
 

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