【実施レポ】楽譜の向こう側 ―楽譜を読むために必要な和声の知識― 第2回(西尾洋先生)

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2016/06/21
楽譜の向こう側 ―楽譜を読むために必要な和声の知識― 第2回
西尾 洋
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2016年6月16日(木)鶴見区民文化センターサルビア音楽ホールにて西尾洋先生をお招きし、「楽譜の向こう側 ―楽譜を読むために必要な和声の知識― 第2回」が開催されました。

まず「ピアノを弾くって何だろう?」の問いかけから講座はスタートしました。
「正しい手の形、正しい音で弾くことだけが目的になっていないでしょうか?」

ピアノの弾くことはその先にあるもの、ピアノを通してどう感じるか、何を表現したいか、 響きを作って、その響きでドラマを作ることだと先生はお話になり、作品の世界に入っていく入口ために、どこに到達するかの作業のために今回は音階、音程、和音、譜表についてご教授くださいました。

音階は、どこに行きつくか、目的地が主音であり、主音が変われば雰囲気が変わるだけでなく音域に意味があります。
その曲の最高音を探せば、盛り上がりがわかります。主音を中心とした1オクターブで動く変格旋法は主音からの距離はおおむね5度以内であり、うねるような小さい動きになることが多いそうです。

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音程については、バスの響きが大切、左手から考える、バスがなければハモらない、ピアノ練習は右手ばかりになりがちだが、間違えるのはバスが多いなど子供のレッスンでも気をつけなければならないことをご指摘くださいました。
完全4度は協和音程であるのに、GCE(Cの第2転回形、4,6の和音)は不安定でハモっていないのは倍音列にないからの説明に今までなんとなく不思議に感じていたことが、氷解するようでした。

ゆっくりしたテンポの演奏で1つずつの音程の響きを確かめることで、その曲の物語が見えてきます。実践としてブルグミュラーのアラベスク、狩、ゴンドラの歌の楽譜で音域や、音程を見ていきました。
今まで気づかなかった新たな発見がたくさんありました。

楽譜の中には作曲家の多くの意図がある、その理解のための音楽理論だが咀嚼してこそ自分の演奏になるということも今後の勉強の励みになりました。

Rep:横浜バスティン研究会 石渡真理子

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