【実施レポ】続・科学的ピアノ指導法 ―ピアノが育てる子どもの脳力―(塚原利理先生)

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2016/05/30
続・科学的ピアノ指導法 ―ピアノが育てる子どもの脳力―
塚原 利理

2016年4月18日(月)日響楽器名古屋池下店2Fホールにて、塚原利理先生のセミナー「続・科学的ピアノ指導法 ―ピアノが育てる子どもの脳力―」が、多くの熱心な参加者の中開催されました。

「ピアノを習うと脳を刺激して頭がよくなり勉強ができる!!」という類の言葉を多くのメディアが取り上げている昨今です。
そのフレーズに指導者としては心が動き関心を持たずにはいられません。この講座では、人間ならではの能力、子どもの4つの本能から始まり、ピアノレッスンと脳への伝達の仕組みや性質、保護者や指導者の役割、学校教育においてのニーズ等を詳しくご指導いただきました。

盛りだくさんな内容をまとめてみると、心に残るいくつかのキーワードがあり、
◎1 共働
人間ならではの能力の中のひとつに「しるし」を読み取るという行為がある。それはメッセージを読み取るというコミュニケーション能力(共働)であり、楽譜を読み取る力ともなる。また脳について言えば、右脳と左脳は脳梁により相互に関連して働く、つまり共働して「自動性」を持つシステムである。よって音楽も勉強もコミュニケーション能力が重要である。
◎2 触覚
触覚という皮膚感覚はどちらかというとあまり鋭いものではないので、楽譜を読み、指先に伝達しピアノを弾き、その音を聴き取る行為は子どもの4つの本能のひとつである芸術本能を鍛えることになる。
◎3「明示知」「暗黙知」「専門知」
暗黙知の多い音楽教育に対して、専門知をしっかりと捉え、保護者に理解してもらえる明示知を指導者は持つこと。
◎4 最重要他者
子どもの成長においては、脳を刺激することにより信頼関係を持つことが非常に大切であり、その信頼関係は個人差があるものの年齢によって変わってくる。10歳くらいまでは母親がその役割を担うため、「信、認、任」を母親と共働していくこと。

「ピアノを習うということは脳の発達に素晴らしい効果を顕すことは間違いない!!」 ただし「きちんと習うこと」ということを念頭に入れつつ、指導者は効果的な指導法を確立して絶えず客観的に再確認して、一人一人に柔軟に対応できるスキルを持つ必要があると思いました。そして私たち指導者は、長期間にわたってピアノ教育をするという大変な責務を負っているのだという認識を持たなければならないと強く感じました。
塚原先生、貴重なお話をどうもありがとうございました。 

Rep:ピティナ名古屋支部 野原眞由美

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