【実施レポ】目からウロコのピアノ奏法(3回シリーズ)Vol.2指の使い方を見直そう(馬塲マサヨ先生)

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2015/12/10
目からウロコのピアノ奏法(3回シリーズ)Vol.2指の使い方を見直そう
馬塲マサヨ
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2015年11月9日(月曜日)に日響楽器池下店2Fホールにて、馬塲マサヨ先生をお招きしてのセミナー「目からウロコのピアノ奏法(3回シリーズ)Vol.2指の使い方を見直そう」が開催されました。多くの先生方の熱気が伝わるなか、講座が始まりました。

レッスンの時、私は、子供たちについ「手を丸くして指先で弾きましょう」と、声をかけてしまいます。子どもたちは、私に言われたことを守ろうと一生懸命手を丸めて指先で弾こうとします。それを見ている熱心なお母様方は、お家での練習の際、忠実に声かけをして下さいます。実はこの声かけが、悪循環になっている場合もあることが、馬塲先生の講座を受講してはじめて分かりました。
人は皆それぞれ異なった手の形、指の形で生まれてきます。手の大きさや厚さ、また指の長さや太さ、そして爪の形、またそれらの動きまで、皆それぞれ個性が沢山あります。
その個性のある手や指に対し、それぞれの場合に応じて言葉かけをしなくてはいけなかったのです。

場塲先生は講座のはじめに、指先が反ってしまう子に対して、小さいうちは自由に弾かせ、指先のことはあまりこだわらずにレッスンしているとおっしゃいました。指先に注意を持たせて反ることを直そうと意識させるのは、小学校の高学年からだとも言われました。
その理由はまず、小さい子は良い手の形や良い指の形をつくるために、関節の使い方の話をしても理解できないからだそうです。次に、小さい時は指が柔らかく、指先の分化がはっきしていないからだそうです。そして、本来「音楽が大好きで、楽しくて、表現できる心」を育てて行くことが最も大切なのに、指先にこだわるあまりそれを阻害してしまうことが起こらないようにするためだそうです。
手や指の形の良くない子に、「手を丸くして指先で弾きましょう」と、声かけしていた私は驚いてしまいました。しかし考えてみれば、個性ある手や指に対し、ケースバイケースで対応しなければならない事柄なのですが、どの子に対しても同じように「手を丸くして指先で弾きましょう」と、声かけをしていたことを痛切に反省しました。

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馬塲先生は、手や指の形を固定化してはいけないと言われました。そして、指のどの関節をどのように動かすかということを、明確に知ることが大切だともおっしゃいました。
まず弾く前の手の形は、2の指・3の指・4の指の第3(手の甲についている)関節は少し出ている状態にして、第2関節は曲っています。そして打鍵する際、曲っている第2関節を伸ばすように動かします。すると指先がまっすぐ下方向に鍵盤を下げる動きになります。この動きを連続し、鍵盤を押すように指を使い続けることで、腕の重さも支えられる強い指になるのだそうです。そして、次の指が打鍵した瞬間に前の指の鍵盤を押し続けている力を抜くようにすると良いことも分かりました。
5の指は鍵盤に対して、並行ではなく斜めに当てるようにすることで、腕の負担がなくなり音も外れにくくなるのだそうです。また、5の指を曲げるのではなく、自然に伸ばして鍵盤に置くことで、力まずリラックスした状態で弾けるようになることも分かりました。
1の指も5の指同様、リラックスした状態で弾くことが大切なのだそうです。また、第1関節の曲げ伸ばしが自由に使えるように心がけることも必要だと分かりました。
脱力をして、手を鍵盤に置いてみると、2の指の第3関節が最も山になっています。手の中心は2の指のライン上にあり、この手の形で弾くと5の指に腕の重さが乗りやすくなることも理解できました。

このように合理的な指の使い方をすることで、疲れない自然な指の動きに繋がっていくことが分かりました。手や指が本来どのような動きをするのかを理解し、その動きに逆らわず弾くことで、今まで悩んでいた腕や肩の力が抜けないなどの事柄が、少しずつ解消されていくことができるのではないかと思いました。またそれが、美しいひびきのある音色にも繋がっていくことも分かりました。
子どもたちの手や指、また身体の動きをよく観察して、一人一人に適切なアドバイスができるよう、これからも身体の仕組みをより深く学んで行こうと思いました。

Rep:名古屋支部 松川 美子

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