【実施レポ】バッハが教えてくれること!バロック6つの指導ポイント

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2015/10/29
バッハが教えてくれること!バロック6つの指導ポイント
石井なをみ

2015年9月28日(月)日響楽器名古屋池下店2Fホールにおいて、石井なをみ先生のセミナー「バッハが教えてくれること!バロック6つの指導ポイント」が、多くの熱心な参加者の中、開催されました。
石井先生はお忙しいピアノ指導の中、バッハコンクールを立ち上げ運営されています。それは、音楽の基礎であるバロック音楽をより深く理解するために、演奏者自らが楽譜を読み取りそれを生かした演奏能力をつけることを目的とされています。この講座では、その重要性と「バロック白楽譜」を使った具体的な方法をお話ししていただきました。

石井先生は、バロックを学ぶ必要性は、多声部に渡るすべての音を聴き分けて音楽の層を作り、コントロールできる力をつけることであり、そしてそれはその後に続くすべての音楽の理解に繋がるとお話しされました。
そのポイントとして、
調性、拍子、テンポ設定などその曲へのアプローチの仕方
フレーズの作り方などの横の整理と、和声、拍感、バランスなどの縦の整理
リズムやテンポの調整
音楽的に演奏できるように、目的を持って計画的に効率よくする良い練習の仕方
などを具体的に示されました。

また、その指導ポイントとして
国語の読解力と同じように、曲の構成を理解すること
ハーモニーをつかむために、最初は両手でゆっくりきっちり丁寧に弾くこと
フレージングと指使いに注意して片手ずつゆっくりきっちり丁寧に弾くこと
バロックは、拍>音程なので1拍目を大切にする拍節感の重要性
音楽にさまざまな表情を持たせるアーティキュレーションの工夫
形式美であるバロックのテラスデュナミークの工夫と、楽器の響かせ方
などを、演奏を交えてひとつずつ丁寧に説明されました。

その後、石井先生が監修された「自分で書き込む!バッハ白楽譜」を使って、各々が調性、指番号、和声、アーティキュレーションを書き込むという実践も行われ、改めて解釈の多様性を実感しました。とともに、バッハコンクールの課題曲の説明により、よりその理解が深まりました。
「バッハが教えてくれること!」それは、疑問を持ちながら楽譜を読み取る力を育てることのみならず、ピアノを学び続けるための音楽的基礎と自立した精神でもあるのだと、石井先生が教えてくださいました。
石井先生、素晴らしい講座をどうもありがとうございました。

★次回セミナー告知★
関本 昌平先生による 【やっぱり基本。もっと高めた~い古典期のソナタ!!~ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン~】
◆日 時:2015年10月30日(金)10:00-12:00
◆会 場:日響楽器池下店 2階ホール
◆受講料:PTNA会員:3,000円/一般:3,500円
※シリーズ講座 4回通し券:10,000円
◆内 容:ソナタとは?知っているようで知らないその構造と魅力。作曲家別の特徴と奏法?代表的な作曲家の作品を題材に? 時代を代表する作曲家それぞれの曲の中に秘められた音のこだわり、聴かせどころなどを演奏家の観点よりわかりやすくアドバイス。 関本先生による演奏も交えながら、タッチやアーティキュレーションなど具体的な指導法もわかりやすく解説していただきます。
◆お問い合わせ先:ピティナ名古屋支部 TEL: 052-753-6275

Rep:名古屋支部 野原眞由美

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