【実施レポ】作品の時代によって"音色を変える"とは?(関本昌平先生)

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2014/11/24

141116高知_関本1.jpg2014年11月16日(日)高知市文化プラザかるぽーと小ホールにて、関本昌平先生の講座「作品の時代によって"音色を変える"とは?~古典期のソナタとショパンエチュードを題材に~」が催されました。多方面でご活躍中の関本先生の音色に期待が高まり、たくさんの受講者が集まりました。

活躍した時代の違う作曲家の作品の特徴的なモチーフをどのように演奏するのか?当時の楽器や生活文化を知り、現代のピアノで表現するには・・・。関本先生は素晴らしい音色で見本演奏され、ハイドンの細かいパッセージや、一瞬で流れの方向を変えるところでは、何度も打鍵の仕方を丁寧に見せてくださいました。受講者は皆、見よう見まねで、腕の力を入れずに指を素早く動かしてみたり、鍵盤から指を引き上げる動きを試してみたりしていました。

モーツァルトのスケールではドライ感を表現され、ベートーヴェンでは駆け上がった先での脱力で穏やかさを表現するなど、腕、肘、手首、指の関節をどのように使うと良いのかを見せてくださいました。オクターブは関本先生の出される厚みと弾力のある伸びやかな音に圧倒され、腕の力が入らないことがどれほど大切かよくわかりましたが、脱力はかなり難しく、腕に力が入ってしまい自由に動かせませんでした。

141116高知_関本2.jpg先生は古典ソナタを使ってショパン風に弾くとこんな感じになるかな?と演奏され、クリアで直線的で重さを意識した古典期ソナタと、ペダルが多用され響きや音色をいかに作るかというロマン派の違いを弾き分けられ、その変貌ぶりに感動しました。そこからショパンのエチュードに進み、先生特有の表現「くねくねモチーフ」を、くねくねと見本演奏をしてくださり、感覚的にもなる程!と、ショパンエチュードの魅力がさらに理解できました。

難しい曲を楽しくわかりやすく説明してくださり、そして何よりも演奏を通して音のサンプルをたくさん示してくださいました。指導者の先生方はもちろん、生徒さん、ご父兄の皆さんにとっても、とても素晴らしい講座となりました。この日受講された方からは「2時間半があっと言う間にすぎました」「1週間分くらいの内容でした。」「演奏を聴いて、ずっとこの中に浸っていたいと思った。」と感想を寄せられました。ますますご活躍でご多忙な先生ではありますが、ぜひまた、高知へいらしてほしいと願います。

(Rep:ピティナ高知県支部 宮地公美子)


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