【実施レポ】ショパン名曲シリーズ第1弾 4つのスケルツォをめぐって(樋口紀美子先生)

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2014/10/16

141004南麻布_樋口1.jpgヨーロッパの雰囲気が漂う南麻布、その地に溶け込み温かみのあるセントレホールで行われた今回のセミナーは、10月4日、『ショパン名曲 シリーズ第1弾 4つのスケルツォをめぐって』と題して、樋口紀美子先生のトーク&演奏が繰り広げられました。

樋口先生のショパンに対する思いは深く、渡欧40周年の今年に至るまでに、数々のリサイタルでショパンの作品を演奏されてきました。今回、樋口先生はピアニストとしての視点から、スケルツォ第1番から第4番の中に織り込まれているショパンの心の中の風景が変遷していく 様子などお話しされ、1曲1曲心に染み入る演奏に、受講生の方々は感嘆の表情を浮かべていました。

 

141004南麻布_樋口3.jpgショパンの時代背景や作曲時の心情などに加え、樋口先生ならではのエピソードを交えてお話してくださり、ピアノ講師だけでなくクラシック の魅力に惹かれセミナーに参加された方たちにもスケルツォをより親しみ深い作品と感じられるようになったと思います。また、演奏&指導法として、スケルツォの曲調、構成、拍感、テクニックなど具体的にお話され、いかに立体的な音楽にまとめるか...が大事だと再認識しました。

♪ 1番~3番は短調の曲で、苦しみや不安といった、スケルツォ本来の意味(滑稽、ユーモア)とは少し違うイメージで始まる。4番は長調で明るさを感じるが、ある意味、諦めの境地での明るさとも言える。
♪ ABAの3部形式のAの部分は激しく、劇的で技巧的。それに対して、Bの部分は静かなゆったりとした曲想。
♪ スケルツォは速い3拍子で、全て4小節単位になっている。
♪ シンコペーションや休符が多く、間の使い方が大事。
♪ アウフタクト的な音型を意識する。
♪ 旋律の流れを「起承転結」に当てはめることができる。

樋口先生の演奏を聴いて、拍感、リズム感が大切だと気付きました。特にフランスのノアンで作曲された後半の曲はバッハの影響が随所に見られ、ショパンの奥深さを知ることができました。あっという間の2時間、樋口先生の素晴らしい演奏と共に中身の濃い充実したセミナーになりました。

141004南麻布_樋口2.jpg受講生から次のセミナーを希望する声が多くあがりましたので、早速、【ショパン名曲シリーズ 第2弾】を行うことを決定いたしました。多く の方のご参加、お待ちしております。


『バッハからショパンへ~ショパン後期作品を題材に』
♪ ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58 / ♪ 3つのマズルカ Op.59
日時:2015年2月11日(水祝)11:00~12:30
場所:南麻布セントレホール

(Rep:ピティナ南麻布インターナショナルステーション 野中秋子)


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