【実施レポ】フレーズの法則(鈴木弘尚先生)

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2013/12/18

131216iyo_suzuki1.jpg2013年12月16日(月)アオノホールに於いて鈴木弘尚先生による
セミナーを開催しました。「フレーズの法則」をテーマに、
なめらかなフレージングのために必要なことを理論立てて
わかりやすく説明して頂きました。
「法則というと数学的ではありますが...」という切り出しで、フレーズの様々な形、フレーズの中心点及び方向性、
フレーズに内存するリズムなどについて、8曲もの例を挙げて下さいました。


131216iyo_suzuki3.jpg【内容の要約】
 ・フレーズとはイントネーションの芸術であり、弾き方により違った
   意味を伝えることができる。
・聴き手に伝えたいことが伝わるためにわかりやすいフレージングに    することが大切である。
・フレーズの中には重心があり、両側が曲げられることでアーチ状になり、重力のポイントを
どこに置くかによりフレーズが決まる。
・中心点は3拍目、3小節目、3段目という形が多い。
 ・フレーズの形は、2+2+4小節(a+a+b)、4+2+2小節(b+a+a)があり長いフレーズの方に
  言いたいことが来る。
 ・フレーズは、リズムによりイントネーションをどこに置くか決まる。
 ・音の高低や和声だけではなくリズムもフレーズの頂点を見極める判断材料にする。
 ・ルバートをする時は、時間を延ばしたら次は縮め、縮めたら延ばすことを基本とする。
 ・これらを演奏に活かすことが作曲家の意図を再現する手掛かりとなる。

 【演奏例】
・シューマン:パピヨン 
・ショパン:エチュード「革命」 
・チャイコフスキー:「四季」よりバルカローレ 
・ショパン:幻想即興曲
・ブラームス:「4つの小品」より第4番 
・メンデルスゾーン:「無言歌集」より失われた夢
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
・ブルグミュラー18の練習曲よりゴンドラの船頭歌 

131216iyo_suzuki2.jpgフレージングについては、日頃わかっているようで実は感覚だけの演奏になりがちです。正しく理論付けることで、安定して伝わる演奏が出来ることを目指したいものです。鈴木先生のピアノは、これがいつものホールのピアノかと思わせるほど美しい音でした。先生の音楽性に触れることができたセミナーでした。



(Rep:ピティナ伊予しおさいステーション 荒木惠子)





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