【実施レポ】第3回やる気を引き出す"魔法のレッスン"(渡部由記子先生)

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2011/11/02

blog_111101hibiya_watanabe.jpg11月1日(火)、渡部 由記子先生の「やる気を引き出す
"魔法のレッスン"3回シリーズ」
の最終回、 「バスティン 
幼児のためのベーシックス プリマーBの指導法」
講座を
日比谷スタインウェイサロンにて、開催いたしました。
 
今回は、プリマーBのほか、「魔法のノートの作り方」「一方通行にならない注意の仕方」「魅力的な曲の仕上げ方」「本番で最高の演奏をする方法」について、お話してくださいました。

「魔法のノート」は、3つの柱(能率のよい楽譜作り・練習項目の表作り・練習時間のノート作り)から成ります。強弱の確認のため色を塗った楽譜、練習回数を記入するマス目表、など、特に小さい子が「これならラクにできそう」「ここまで進んだ」と一目でわかるようにするため、たくさんの工夫がなされた楽譜やノートです。これらを作成することで、毎日何を練習すればよいのか、どのくらい練習すればよいのか、どのように練習すればよいのか、などが瞬時にわかるようになります。

 「一方通行にならない注意の仕方」は、一番重要な楽譜に焦点をあてたお話でした。複数の
サインペンを使用したり、付箋紙やシールの利用、注意を促す旗印の記入・・など、楽譜を
ネガのように脳に焼き付けるための様々な方法を教えていただきました。
重要なことは、楽譜をパッと見て、「今、どこを直すのか」がすぐわかるようにするということ、
そして、注意されたところを生徒自身がきちんと理解しているかを確認する、ということです。
先生のお話で、指導者は生徒に理解させるにはどうしたらいいのか、を常に考えなければいけ
ないのだ、と実感いたしました。

「魅力的な曲の仕上げ方」は、楽譜に書いてあることをどれだけ忠実に注意深く読み取るかという
お話でした。ブルグミュラーの「貴婦人の乗馬」の実演を交え、クレッシェンドやディミヌエンドの
効果的な方法、表現など、曲のポイントになる部分を美しく仕上げる方法を教えていただきました。
その後、由記子流「幼児のためのベーシックス プリマーB」に移りました。

前回のプリマーA同様、先生は「ピアノ」と「セオリーとテクニック」全100曲中、4分の1の25曲
のみを使用します。順番もページ順ではありません。その25曲すべてについて、練習方法を
説明してくださいました。

始めに、プリマーAのおさらいをします。そしてミドルCポジションの確認後、曲に入ります。
新しい曲を練習する場合、「12種類のポイント」を必ずチェックします。
その一部をご紹介しますと・・

〇姿勢のチェック  〇拍子や楽語  〇リズムたたき  〇メトロノームに合わせる 
〇リズムを言う  〇音名を言う  〇部分練習・・・etc.

12種類のポイントチェックは、全曲、きちんと行わなければなりません。
これを毎回行うことで、頭のすみずみ、そして指先にまで、ピアノを練習するために必要な情報の
すべてがしっかりと行き渡るのだと感じました。
25曲すべてを12の角度からアプローチするというわけですから、大切な導入期に、ピアノを学ぶ
「基礎」がガッチリと固まります。決して疎かにしてはいけない過程です。

 最後に、本番で最高の演奏をする方法を、主にメンタル面を中心に、「曲が決まった時から」
「本番前日」「本番当日」「舞台ソデ」「舞台へ出るとき」「椅子に座ったとき」「演奏後」と
それぞれの場面で、親や本人、指導者が心がけることを教えていただきました。

 第1回のハノン講座から3回シリーズで続いた渡部由記子先生の講座。その間、一貫して
先生がおっしゃっていたこと、それは「すべてを確実に」ということです。
「あれもやった、これもやった(でもあやふや)」ではなく「あれができた、これができた」ということを
大事にしなければ、と先生はおっしゃいます。
難しいことをなんとなくやるのではなく、やさしいことをしっかりと、そしてひとつずつきちんとできて
から次に進むこと・・一見、あたりまえに見えることですが、徹底的に行うには忍耐が必要です。
私達指導者が、どれだけ真剣に向き合えるかを問われているのではないか、と感じました。

(Rep:ピティナ日比谷ゆめステーション  中前浩子)


 


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