【実施レポ】「ピアノ教本、かしこく選ぼう」 第1回 人気の教本それぞれの特徴~譜読みとテクニック、音楽性~(山本美芽先生)

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2015/07/28
「ピアノ教本、かしこく選ぼう」
第1回 人気の教本それぞれの特徴
~譜読みとテクニック、音楽性~
文・押見雅子(ピアノ講師・おしみピアノ教室主宰)

日程:2015年7月17日
会場:ヤマハミュージックリテイリング横浜店B1F Music HARBOR

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昨今のピアノレッスン・ピアノ教本には、ピアノを習う個々の生徒に合わせながら楽しく基本を学び、総合的音楽力、演奏力を身につけることが求められています。
バイエル・チェルニーで育った世代(バイエルしかなかった時代?)としては、大変なプレッシャーを感じています。それだけ日本のピアノ教育が進化し多様化しているという幸せな時代でもあります。
そんな中で、楽譜売り場を華やかに賑わす教本の数々。音楽ライター/ピアノ教本研究家の山本美芽先生はそれらを良い悪い、好きか嫌いかではなく、公平なものの見方でその日のセミナーを組み立てて下さいました。

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まず海外と日本の教本とに分けて、教本の歴史を追い、それぞれの関連性を検証しました。そこから見えてくる20種類ほどの教本の特徴を比較しながら説明、実際に弾いてみたり、受講者の経験を引きだしながら進行していきました。
そこには受講者から大きなうなずき声が度々広がります。全調の総合型教本はペースメソッドが基本となっているということ、脱力を身につけてからレッスンを進めていく教本、即興から始まり創造力を育てていく教本、その時にできなくても早めに難しいことに慣れておく考え方など、大変興味をそそられました。

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こうして広い視点から発せられるお話は、「レッスンの何を見直すべきか」、投げかけでもありました。今の生徒たちの現状・これからの生徒たちに付けたい力を明確にするために、数ある教本の意図することから指導者が何を学び、どのようにレッスンでアプローチしていくのか。こうした課題を確認し、整理できたことはとても有意義でした。
大切なことはどの教本を使おうとも自分自身が音楽を感じる心に磨きをかけ、生徒たちの感性を広げてあげられるかということなのではないでしょうか。
最後に弾いたMiyoshiピアノ・メソードの「ド」につけられた美しいハーモニーの響きを心の中で繰り返しながら、その日のセミナーレポートのまとめに取りかかりました。

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美芽先生のセミナーでは、たくさんのお部屋を用意してくださって、「自分でそのドアを開けてみてくださいね。きっと面白いと思いますよ!」と言われているような気がします。
次回は、それぞれの教本でつまずいてしまった場合はどうしたらよいのか、また美芽先生の視点で紐解いて下さる予定だそうです。とても楽しみです。

★次回の厚木ライティングセミナーの日程★
9/4(金)10:00-12:00 ピアノ教本、かしこく選ぼう 第2回  乗り換えポイントを考える ~初出事項の出てくるスピード・順序~

★山本美芽先生 最新セミナースケジュール は こちら

山本美芽

や まもと・みめ◎音楽ライター、ピアノ教本研究家。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。中学校(音楽)、養護学校にて教諭と勤務したのち、執筆活動をはじめ る。ピアノ指導者としても大学在学中から現在までレッスンを行う。
『ムジカノーヴァ』『ジャズジャパン』等の音楽専門誌にて、国内外の一流アーティストに多数取材。「もっと知りたいピアノ教本」(大半を執筆、音楽之友 社)「21世紀へのチェルニー」(単著、ショパン)などを執筆、ピアノ教本についての研究をライフワークとして続け、多くのピアノ教本の著者・訳者に直接 取材した経験を持つ。中村菊子、呉暁、樹原涼子などピアノ教本の著者・訳者からは厚い信頼を得ている。2006年~2010年の間、夫の転勤のためアメリカ・カリフォルニア州在住。州立シエラカレッジにて単位取得。アメリカのピアノ教本事情を研究。
帰国後、2013年より著書「自分の音、聴いてる?」(春秋社)をテーマにしたセミナー、また音楽指導者のためのライティングセミナーを全国各地で行う。音楽教育学の知識と、音楽ライターとしてプロの音楽家・教育者との膨大なインタビュー経験、自分自身のピアノ指導・子育て経験、ピアノ学習、全国のピアノ指導者との密接な交流から得た現場発の問題点など、理論と実践を融合しながらピアノ教育が進むべき道を先導している。ピアノを多喜靖美氏に師事。室内楽を多喜靖美、松本裕子の両氏に師事。
2015年には「ピアノ教本、かしこく選ぼう」セミナーを関東・関西・北陸など全国で行っている。あわせて指導者向けのブログライティング・フェイスブック活用セミナー、地元・相模原市のホールにおいて隔月セミナー「21世紀へのチェルニー」、門前仲町シンフォニーサロンにおける「自己肯定感を育てる聴き方セミナー」(自分の音、聴いてる?)なども開催中。
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押見雅子

ピアノ講師。武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科卒。武蔵野音楽大学付属音楽教室講師、ヤマハ音楽教室PSTA講師を経て、横浜で「おしみピアノ教室」を主宰。指導歴25年。PTNA全日本ピアノ指導者協会指導会員。横浜むさしの会会員カワイ音楽教育研究会会員。現在、白石准氏にピアノとアンサンブルを師事。豊富な指導経験と継続的な研鑽、7年間のスペイン在住経験を持つ。ソルフェージュをしながら楽譜を読み解き、美しい音を奏でる指導、個人に合わせたコミュニ ケーションレッスンを行っている。おしみピアノ教室HPはこちらから


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