【実施レポ】2009コンペ課題曲セミナーIN弘前(黒田亜樹先生)

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2009/03/27

blog_090315hirosaki_kuroda.jpg2009年3月15日(日)10:00より、黒田亜樹先生による課題曲説明会 A2級からD級までを時代別に説明していただきました。

バロックは、書かれているスラーやスタッカートをよく考え、
原点版も参照して楽譜を読み取ることが大切。
1音楽的 2舞曲 3合奏風 4声楽的 
どんな形式でできているかを見極めることも大切。

バロックものは、音域も狭い。音量も弱い。
チェンバロをイメージして、よりバロックらしく弾くためには指先をしっかりさせ、指先で弾く。手首は少し下った感じで。キャラクターをいかすために、音色、タッチ、様式感、和声などをしっかり理解すること、これは全級を通して強調されていました。

チェンバロは、余韻がなく、「ブチッ」と切れるので曲の終わり方も気をつけましょう!
コンクールでは繰り返しが省略されるけれど、繰り返しは曲を理解する(どんなテーマなのか)上
でも大切。音楽の聴き方、楽しみ方をお話くださいました。
バロックものは、くりかえしで装飾音を多く使ったり、タッチ、音量、音質の変化をくわしく弾いていただけました。

タッチの種類も、はじく つまむ ねりこむ こするように 浅く 深く 等、
豊かな音の色彩がすばらしかった。

ペダリングも 浅く 深く ゆっくりふみこむ はやくふみこむ ほわーっとはなす 等、
きれいな響き、定番わざもおみごと!

近現代は、1 フランス 2 ロシア 3 アメリカのジャズ 風ものに分けられる。曲の中にある時代を理解することはとても大切。歴史を知ろう。

印象に残った練習法
1 カノンの曲は左右入れ替えて弾いてみるとよい
2 弾きにくいところ 2音 3音 4音と、音を1つずつ増やしてゆくとできる。
何のためにその練習をするのか、目的意識をもって有効的な練習をするとよい。

☆全体を通して、短時間の中でも多くの曲を取り上げてポイントをお話くださいました。
音色の多彩さ、ペダリングの細やかさ、リズムの歯切れのよさ、なめらかさ、
とにかくピアノがばつぐんにうまかったです!!

14:00からは、課題曲紹介コンサート。
★始めに平均律 第1巻 第1番のプレリュードでオープン。
生徒達に心静かに音楽を聴く雰囲気を作ってくれました。時代ごとにA2?D級まで、説明は短めに、たくさんの曲を弾いてくれました。

★バロックのチェンバロ風の音を聴かせるために、弦の上にネックレス(弦よりやわらかいもの)をおいてチェンバロのような響きを体験させてくださいました。
インヴェンション1番をたくさん装飾音を入れて弾いてくださいました。
コンクールは繰り返しをしないけれど、繰り返しはテーマを確認する意味からも大切。テーマがどう展開してゆくのかを具体的に聴かせてくださいました。

★コザックの踊りは曲に合わせて手拍子を打ち、小さな生徒達はとても楽しそうでした。

★バルトークを例に印象に残った言葉。
バルトークのお父さんは音楽の先生で教育者。バルトークは、お父さんとは違う。
クラシックよりも農民の歌や、おばあさんの歌う歌を楽譜にした。
音楽の中でやる気になったり、なくなったり、音楽の中でいたずらをしている。
そういうことを音楽の中から感じてほしい。
音楽は大きな文化を背負っている。
みんなの心が豊かになるためにピアノをやってほしい。
歴史、人物、いろんな国、言葉を勉強してほしい。

★最後にくるみわり人形から「行進曲」をジャズ風に弾いて聴衆を喜ばせてくださいました。

パワフルで生き生きとした演奏は、会場にいたすべての人々に音楽の楽しさ、ピアノを弾く楽しさを教えてくださいました。コンクールの曲だけでなく、おまけがいっぱいの楽しい、聴いた人はみんな心が豊かになったコンサートでした。

(Rep:ピティナ弘前支部 田中みゆき先生)


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