【実施レポ】ベートーヴェン ピアノソナタ・初期作品の奏法と解釈 ~11/10仙台・マーティン・ヒューズ教授~

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2006/11/21

061110sendai-martinhughes.jpgベートーヴェン・シューベルトに大きな研究功績をお持ちの、ウィーン国立音楽大学のマーティン・ヒューズ教授。今回はレッスンだけでなく是非ベートーヴェンのお話をと思い、ベートーヴェン曲の勉強課程の中で必ず弾かれると思われる「ソナタOP2-1」「ソナタOP.13」公開講座を依頼いたしました。

講演は、ベートーヴェンソナタは大変細かい解釈は勿論、分析するだけでも一生かかると言うお話から始まりました。「ベートーヴェンの解釈で重要なのは、形式の分析に終わらず、『物語としての分析』、つまり、一つのフレーズから次のフレーズへ移るとき、聴衆や演奏者がどのようなものを期待するのかを理解する事です。自分も作曲家になったつもりで楽譜を辿ってみて、生徒にもベートーヴェンの音楽物語の特殊性を強調する事が大切です。」
ヒューズ先生は、このような前置きの後、ソナタの全楽章の演奏を交え、各曲の作曲意図や分析についてお話されました。また、色々な分析の基に、ペダルの必要性についての細かい指示もありました。小節を指示しての詳しい説明に、受講者は楽譜を手に大忙しで、2時間の講演はあっという間でした。
 
最後に講座を締めくくったのは、「このソナタの登場によって、ある偉大な作曲家が、このソナタを土台にして傑作の一つを書いたが、それは次回のお楽しみ」と言うコメント。次回への更なる期待を持って、会は終了しました。終了後も、先生は楽譜を手に持った何名かの受講者に、質問攻めにあっていました。皆すばらしい講演だったと大喜びで、久しぶりに大学での授業を思い起こしたようです。

今回の講演後2日半に渡って実施された個人レッスンでは、曲の分析や指の使い方、腕の使い方とレッスン曲にあったテクニックをそれはそれは丁寧に指導されていたヒューズ先生は、まさに名教授でした。お忙しい先生はこの後すぐ、ソウルの国立大学でのコンサート&レッスンのため日本を飛び立って行かれました。(Report:仙台中央支部支部長 庄司美知子)


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