あらためて... 「ピアノの調律」を知る!

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2019/03/20
あらためて...「ピアノの調律」を知る!

ピアノがある生活を続ける限り欠かせないのが定期的な調律と、調律師さんとの関わりです。ピアノは複雑な楽器であるせいか「演奏する人」と「調律する人」がわりとはっきり分かれています。しかしそれが「普通」になってからの歴史はせいぜい100年程度。そもそも楽器の調律(チューニング)はふつう演奏者自身が行います。ピアノと同じ鍵盤楽器でも、チェンバロや初期のピアノ等を演奏する人は、調律の技術を持っていることがほとんどです。楽器演奏の歴史や、他の楽器の常識から見れば、調律を「知らない」ことの方が不自然だ、というのは言い過ぎでしょうか。
この記事ではピティナでは一般社団法人 日本ピアノ調律師協会と協力して開催する、二つのイベントをご紹介します。調律に関わるアンケートにもご回答いただき、「ピアノと調律」のこれからを、ご一緒に考えて下さい。

「調律を知る」チャンスその1
調律師×ピアニスト徹底対談『タッチとは何か』...10mmに秘められた世界

昨年4月に「音色の正体」と題して開催し、好評だったイベントの第二弾です。
実は「音色の正体」は「倍音」という一言で表すことができます。しかしこの答えで調律師の多くが明確なイメージを持てる一方、ピアノを演奏する多くの方々にとってイメージしやすいかと言うと、そうでもなさそうです。調律師さんとピアノ弾き。お互いのことを知っていくには、共通の言葉を使ってコミュニケーションを取るのが近道です。「倍音」の物理的な現れ方や、ピアノの整備状態による差異など、相互理解につなげるための多くのアイデアが語られる会でした。
「音色=倍音」に続く、今年のキーワードは「タッチ」です。この言葉について深く考える過程では、グランドとアプライトの構造の違いによるタッチの変え方、適切なピアノの調整方法といった「実践的」な内容も語られることになる予定です。学生料金も設定してあります。若いピアノ弾きの方、趣味でピアノを弾くor聴く方のご参加も大歓迎です。ピアニストの白石先生によるピアノ演奏もあり、「ピアニストによるアプライトとグランドの弾き比べ」とその場でのコメントが得られる珍しい試みも予定しています。

日時
4月11日(木)10:30~12:30(開場 10:00)
場所
新宿文化センター 3Fホール
講師
ピアニスト:白石光隆
調律師:齋藤 翔太(株式会社 松尾楽器商会 技術部)
受講料
ピティナ会員 3,000円/一般 3,500円
共催
一般社団法人日本ピアノ調律師協会 関東支部
白石先生からのメッセージ

そもそもピアノから音が出る、音を出すとはどういうことなのか。「タッチ」の結果として音色があり、それが連なって音楽となります。ピアノの構造の話から身体の動かしかたに至るまで、考えねばならないことはとても多いのですが、何を紡ぎだすかは結局、たった「10mm」をどう使うかにかかっています。

白石光隆

東京藝術大学、大学院を修了。ジュリアード音楽院へ進む。リンカーンセンターでジュリアード・オーケストラと協演。1992年帰国。1994年第63回日本音楽コンクール声楽部門木下賞(共演)受賞。一般財団法人地域創造の公共ホール音楽活性化事業などの活動では全国を巡り、子どもたちへの教育プログラムにも積極的に取り組む他、後進の指導やさまざまなコンクールの審査員も務める。毎年定期的に東京で開催するソロリサイタルは2018年で31回を数える。現在、東京藝術大学、お茶の水女子大学非常勤講師。

齋藤 翔太(株式会社 松尾楽器商会 技術部)

アポロ調律芸術院、JMG(株)を経て修理及び調律、調整や整音の技術を学び、現職。現在全国主要ホール等でコンサート調律、保守点検業務、オーバーホール修理等の実務に従事している。

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「調律を知る」チャンスその2
自分で出来るピアノトラブル対処法 入門編

ちょっとしたトラブルなら自分で直してしまえる!?ピアノの仕組みに興味が増せば、日々の練習がより楽しくなるかも?レクチャー&プチ調律体験できる企画。好評なら東京以外でも企画します。

日時
6月10日(月)10:30~(開場 10:00)
場所
東音ホール(東京・巣鴨 ピティナ本部事務局内)
講師
鶴田 圭寿
受講料
2,500円(会員)一般3,000円
協力
一般社団法人日本ピアノ調律師協会
鶴田さんからのメッセージ
1.一音だけ調律する

弦が切れてしまって、新しく張られた弦はとても狂いやすいですよね。でもその弦だけをまぁまぁ聞ける音に直すのはそれほど難しくありません。工具をお貸ししますので調律してみましょう!

2.鍵盤蓋を外し鉛筆を拾う

グランドピアノの中に鉛筆が入ってカタカタ鳴ること、ありますよね。鍵盤蓋を外せば取れますが上手に外すにはちょっとしたコツがあります。ピアノを傷つけず安全に鍵盤蓋を外してみましょう!

鶴田 圭寿(有限会社ヤマテピアノ商会勤務)

日本ピアノ調律師協会会員。 一級ピアノ調律技能士。 ピアノテクニシャンズギルドRPT。

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「調律を知る」チャンスその3
アンケート
ご回答は3月31日まで

4月11日のイベントに先立ってアンケートを実施します。「タッチ」という言葉が「気になる」とお感じになられている先生方、ピアノを弾く方々、どなたでもご回答いただける内容です。ぜひご協力をお願いいたします。

◆ アンケート実施
締切
2019年3月31日
内容
~調律と「タッチ」の関係について~
回答はこちら

「調律」について知ることはピアノ指導や演奏の向上に直結するはず。「調律」に関わる企画は今後も続けて行きますので、ぜひご意見・ご要望をお寄せくださいませ。


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