【実施レポ】「自分の音、聴いてる?」 指導者のためのアンサンブルセミナー

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2015/03/19
  
「自分の音、聴いてる?」
指導者のためのアンサンブルセミナー
文・木下美代子(ピアノ講師)


日程:2015年2月18日
会場:ヤマハミュージックリテイリング横浜店

2月の山本美芽先生のアンサンブルセミナーは、「わかると聴ける」というテーマでした。
テーマだけからは、わかると聴けるなんて当然だろうと思っていましたが、どういう状態がわかる状態で、わかると何ができるのか説明して頂き、頭の中がすっきりしました。
わからない状態からわかる状態に変化していくと、自分にキャッチ能力や集中力が生まれ、より一層深く新しいことを吸収することができるようになっていきます。
わかると運動化でき、やれなかった事が真似でき、積み重ねることで集中力も増します。

レッスンで生徒の集中力をアップするための生徒と先生との間の人間関係や言葉がけは、とても大切なことだと思いました。

アンサンブルで相手の音をどうすれば、キャッチできるか。
これが分からないとアンサンブルができません。

セミナーでは、バンドスコアを見て音源を聴いたり、インヴェンションを移調してアンサンブルしたりしました。
確かに何回か聴くパートを変えて聴いたりしていくと色々なパートの音が聴ける様になりましたし、移調するという条件が付くだけで集中力が高まり相手を嫌でも聴きます。

私は、早速今勉強中のシューベルトの連弾の準備に活用してみました。

先ず、曲の背景や作曲家の人柄や時代について調べ、曲の特性も調べて相手と情報を共有し、曲のイメージも話し合いました。
そして、録音を取り、何回もすべてのパートをそれぞれ弾いたり歌ったりして確認しました。
そうこうしているうちに、今までは自分のピアノしか意識できなかったのが相手の細かい音や何をしようとしているのかが分かってきました。
録音で重かった場所も、私がどう変えると変わるかあれこれ考えることができました。
これが、聴けるということなのではないだろうかと思います。

不思議なことに相手も同じようなことをして考えていました。

わかる、できる、繰り返す、もっと分かる、集中してくる...
きっとこの繰り返しが、一つの事を深めたり、身につけたりしていくための効果的で確実な方法なのだと改めて感じています。

セミナーに参加して良かったです。

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山本美芽

やまもと・みめ◎ 音楽ライター、ピアノ教本研究家。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。中学校(音楽)、養護学校にて教諭と勤務したのち、執筆活動をはじめる。ピアノ指導者としても大学在学中から現在までレッスンを行う。  『ムジカノーヴァ』『ジャズジャパン』等の音楽専門誌にて、国内外の一流アーティストに多数取材。「もっと知りたいピアノ教本」(大半を執筆、音楽之友社)「21世紀へのチェルニー」(単著、ショパン)などを執筆、ピアノ教本についての研究をライフワークとして続け、多くのピアノ教本の著者・訳者に直接取材した経験を持つ。中村菊子、呉暁、樹原涼子などピアノ教本の著者・訳者からは厚い信頼を得ている。  2006年~2010年の間、夫の転勤のためアメリカ・カリフォルニア州在住。州立シエラカレッジにて単位取得。アメリカのピアノ教本事情を研究。帰国後、2013年より著書「自分の音、聴いてる?」(春秋社)をテーマにしたセミナー、また音楽指導者のためのライティングセミナーを全国各地で行う。  音楽教育学の知識と、音楽ライターとしてプロの音楽家・教育者との膨大な対話経験、自分自身のピアノ指導経験や子育て経験、ピアノ学習経験、全国のピアノ指導者との密接な交流から得た現場発の問題点など、理論と実践を融合しながらピアノ教育が進むべき道を先導している。
 現在ピアノを多喜靖美氏に師事。室内楽を多喜靖美、松本裕子の両氏に師事。2015年は東京・神奈川・名古屋・大阪にて、ムジカノーヴァとタイアップしたピアノ指導者向けライティングセミナーを開催予定。
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木下美代子

東京理科大学理学部数学科卒。アテネフランセ卒業。元数学教諭
桐朋芸術短期大学音楽専攻ピアノ卒業。
現在自宅にてピアノ教室を営むかたわら、室内楽講座に参加したり、地域コーラス伴奏ピアニストの経験を生かして、老人施設での音楽活動に参加したりしている。
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