【実施レポ】バロックダンスへのご招待(講師:浜中康子先生)

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2009/06/19
blog_090611sugamo_hamanaka.jpg2009年6月11日、東音ホールにて、
「バロック・ダンスへのご招待-バロック時代の舞曲におけるリズムの特徴や性格をご一緒に学びましょう-」セミナーが開かれました。
今回の6月の講座は教材研究会の会員限定で、
ピアノの演奏活動と共にバロック・ダンスの研究、公演活動でご活躍の
浜中康子先生をお迎え致しました。

バロック舞曲や当時の宮廷における舞踏会のお話しなどをお聞きしながら、基本的なダンスのステップを音楽に合わせて、東音ホールのスペースをフルに使い体験しました。バロック・ダンスが初めての方が殆どでしたが、楽しく和やかな2時間でした。
【バロック・ダンスとは】 
・宮廷社会の中で創り上げられたものであり、当時の書き残した舞踏譜や理論書に基づいて
 復元可能な、ヒストリカルダンスである。
・この時代シンメトリーな美しさが重視され、ダンスにもそれが反映されていた。
・ 舞踏会のダンスと貴族のエンターテイメントとして劇場用オペラ、バレエがあった。

【ダンスの基本テクニックの実践】
・ 足の第1-第5ポジション。腕の2種類のポジション。
・プリエ(膝を曲げる)、エルヴェ(かかとを上げ背伸び)と重心移動の3種類の動き。 
 プリエはアクセントを生み出すための準備の拍にあたる。 

【ダンスステップの実践】
<ブレ>
2拍子系の舞曲である。
・Pas de Bouréeのステップと、それにジュテ(跳躍)を組み合わせたステップを踊る。
<メヌエット>メヌエットは一組の男女が踊るものである。
・ムーヴマン(プリエからエルヴェまでの動作)が2回のメヌエット・ステップを踊る。 通常メヌエットは楽譜に3拍子で書かれているが、舞踏譜では6拍子である。ダンスでは6拍と2拍がプリエ、つまり1拍と3拍にアクセントが生じ、そこでダンスと音楽のアクセントがクロスリズムを創ることとなり、それによって緊張感が生み出される。
・二人一組でメヌエット・ステップ+バランセ(重心をとる)+お辞儀を踊る。
<ガボット>跳躍を特徴とするダンス。

【バロック・ダンスと舞曲の演奏】
・ ノン・レガートの演奏は、膝を伸ばしかかかとを上げ、つま先で歩くイメージ。
・ ダンス同様、音楽に於いてもベースであるビート(2分音符)とパルス(4分音符)をテンポ感のある、
 良いノン・レガートで演奏し、8分音符はそれにのって音楽的に動くことが必要である。
・ ダンスのアンダーカーブをイメージし、下から上へアップする拍感を持つこと。
・ アウフタクトから1拍目へ入る時に空間を感じる事が大切。

以上、今回の浜中先生の講座で、音楽とダンスが思っていた以上に密接な関係にあることを認識しました。この貴重な体験は、今後バロック舞曲を弾く上で、その時代の特徴を活かした拍感、フレーズ感のある演奏、指導に必ず役に立つものと実感致しました。                 
(Rep:東京音楽教材研究会 太田留里子先生)

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