【実施レポ】ピアノ指導者でもあった大作曲家たち:6人6様の指導法 ~6/14・巣鴨~

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2007/06/22

web.jpgピアニストであり調律師の資格もお持ちの岳本恭治先生は、長年に渡りピアノの構造・改良・奏法の歴史を研究なさっておられます。今回は、音楽史における大作曲家たちが、その弟子や一般の生徒たちにどういったレッスンをしていたのか、その指導法や教材はどんなであったのか、ということについてお話いただきました。

モーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ショパン、ブラームス、リストといった大作曲家たちは、ピアノ指導者としてはいったいどのような形態のレッスンをしていたのか、どういった理念にもとづいて人を育てていたのかということは、今まで知る機会もあまり多くなかったように思われます。岳本先生のお話は、彼らの当時のレッスン内容や練習方法・使用教材から、その作曲家の人柄を表わすエピソードなど雑学的なことに至るまで幅広く、日頃の私達のレッスンに大いに役立つものであり、ユーモアを交えたその語り口は、とても魅力的で楽しく、あっという間に2時間がたってしまいました。

大作曲家たちが指導した内容の一部として、(実際に使用していた楽譜を参照しながら)
* 正しい指使い、拍子のとり方とフレージング。
* 小さな音に耳を傾け、大きな音を出しすぎないよう注意して弾く。
* とりあえず曲を最後まで弾かせてからミスを指摘したり、音楽的な表現法を教える。
(曲の途中でさえぎらない)
* 脱力、ノンレガート奏法での練習。
* スケール練習の重要性。
などといったことは、我々指導者の勉強にとても役立ちますが、そのほかに、ブラームスは
大食漢であったとか、リストは気難しくてレッスンは緊張感の中で行われていたとか、
ショパンはバカンスに行っている期間はレッスンしなかった、などというエピソードは、
人間的でとても興味深いものでした。

大作曲家といえどもひとりのピアノの先生、教えることの楽しさや辛さ、ときには悩みも
あったであろう・・・・。そんな彼らの等身大の姿におおいに共感し、よりいっそう身近な愛すべき存在としてこれからもかかわっていけると思った方々も多いのではないでしょうか?(Report:中村明子)

♪受講者レポートより抜粋:
指の練習の効果的な方法、運指がやはり大切だということ、再認識させられました。エチュードも今ツェルニーの良し悪しを問われ、現代の子供たちにどうつかっていってよいかが少しわかってきました。
作曲家の日記は、レッスンの様子など面白いエピソードが聞けてよかったです。大作曲家の人間性が感じられ、曲のイメージもわきやすくなると思います。自身のレッスンにももう一度再確認すること、教材を選択して練習してみることが大切だと思い知らされました。指の練習も、またがんばってみたいとおもいました。
先生のお人柄、講座もとても楽しく、時間がとても短かったようです。また是非、ショパンもお聞きしたいです。ありがとうございました。


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