The 3rd IFPS Conference(国際ピアノ協会連盟第3回会議)が"海秦杯"第3回天津アマチュア国際コンクールとのコラボレーションにて開催!

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2015/08/14
The 3rd IFPS Conference<small>(国際ピアノ協会連盟第3回会議)</small>が
会場風景
会場風景

 2015年8月8日(土)9:00~12:00、第3回国際ピアノ協会連盟(IFPS)会議が、中国・天津市にて開催された。IFPSは、音楽学校やピアノアソシエーションなど、ピアノ教育に関する団体代表者の集まりで、年1回各国持ち回りで国際会議を実施、会議出席をもってメンバー資格とするユニークな団体。
昨年は、東京でピティナ・ピアノコンペティションと連動して開催され、メンバーはコンペティションや表彰式を視察するなど交流が図られた。

天津町並み
天津町並

 今回は、第1回香港会議第2回東京会議に続いて第3回目の開催となり、天津アマチュアコンクールのサポートを得て天津市にて開催。初回からの参加となる上海、モンゴル、インドネシア、香港、そして日本の代表に加え、台湾、天津、厦門の代表が加わり、さらに天津アマチュアコンクール審査員団、ロシア、ポーランド、アメリカ、ドイツの教授をオブザーバーとして総勢21名が参加、10名によるスピーチが行われた。

  • ロシア
  • アメリカ
  • ポーランド
  • 日本
  • モンゴル
  • 北京
  • 台湾
  • オランダ
  • ドイツ
  • 厦門
音楽専門層(Professional)と音楽愛好家層(Amateur)双方へのアプローチ
開発特区
開発特区

天津アマチュア国際コンクールは、中国の開発特区となっている天津濱海高新区(Tianjin Binhai Hi-Tech Industrial Development Area)運営会社がスポンサーとなって運営されており、音楽を愛するすべての人を対象にした国際的な交流を目的としている(次回開催:2018年8月予定)。国際色豊かな13名の審査員団に、コンペティション審査のみならずマスタークラスも受けることができる。

ロシア
ロシア

ヴェラ・ノシーナ教授(グネーシン音楽学校教授/ロシア・ムジカ協会設立)は「グネーシン音楽教育システム」を紹介。才能のある子どもたちを発掘・育成する優れた音楽教育システムであるとともに、普通の学校に通いながら並行して音楽を学ぶ7年制の学科を含め、すべての子どもたちに門戸が開かれていると説明。また、新たにアソシエーションを設立し、音楽を愛する人たちのための音楽祭Musica Classica Festival-Competitionを開催している。
(次回開催:2015年11月14日~21日/締切10月18日/参加料:5000rub)

アメリカ
アメリカ

タマーシュ・ウンガー教授(ピアノ・テキサス音楽祭主宰)は、コンクールは小さなスタートに過ぎないこと、生涯かけてレパートリーを広げることの重要さを語った。ピアノ・テキサス音楽祭では7曲のソロとコンチェルトが課せられ、期間中5回のステージを経験することができる。また、音楽専門教育層のみならず、音楽愛好家のための参加枠も設けられている。

教育科目における「音楽」の価値向上に向けて
ポーランド
ポーランド

Prof.Anna Jastrzebska-Quinn(ショパン音楽大学学部長)
ショパン音楽大学は100年以上の歴史をもつ。ポーランドの教育システムはロシア、モンゴルに近く、ドイツのような音楽の伝統がある。「良い生徒、悪い生徒は存在しない、良い先生、悪い先生が存在するのみ」と教育者側のレベルの向上を問いかけた。
以前は国家の援助が多かったが現在は縮小傾向、目下の課題は楽器保有を含めた環境作りという。前回のショパン・コンクール後に日本から12台のピアノを寄贈されたことが紹介された。音楽教育の必然性や影響力を提示し、大学における音楽学部の価値を上げていくことの必要性を指摘していた。

日本
日本

福田 成康(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会専務理事)
1966年創設のピティナは49年の歴史を持ち、セミナー、コンクール、ステップに続き、様々な新しい取り組みを行い、会員数・参加者数ともに順調に伸びている。現在の最も新しい取り組みとして「リサーチ・プロジェクト」を紹介。主に研究者の上田泰史氏、ジャーナリストの菅野恵理子氏による国際的・国内的な調査研究を進めており、社会における「音楽」の価値を広く一般に問いかけながら、日本政府へ向けて音楽教育のプレゼンスを高める努力を行っている。今期、最もアクセス数を集めたリサーチ・レポート「今こそ、音楽を 第3章脳科学的観点から」が紹介され、出席メンバーからの大きな関心を集めていた。

新興国の成長著しい取り組み
モンゴル
モンゴル

Prof. Sharavtseren Tserenjigmed(モンゴル国立音楽舞踊大学ピアノ科主任教授)
モンゴルの音楽教育の歴史は短くまだ50年、というシャラフ教授。自身は、ブルガリア・ソフィア音楽院に学び、英国、アメリカ、ロシアなどで活躍、国際的な教養を身に着けて自国モンゴルの教育に身を投じている。モンゴルの第一世代のピアニストがロシアなどで学び、彼らがもモンゴルに戻って、モンゴル国立音楽舞踊学校が1977年に創立された。モンゴルの先生によるモンゴルの生徒たちの育成が将来に向けて進んでいる。政府の100%の支援を受けている

北京
北京

Mr.Chen Da 陈达(周廣仁ピアノアートセンター)
公立の音楽学校が全国各地にある中国において、現在続々と支部を伸ばしている、周廣仁ピアノアートセンターのチェン・ダ氏は、指導者による指導者のティーチングシステムを構築、継続的な試験を実施することにより、ピアノ教育の向上に寄与している。インターネット審査による若い音楽家のための周廣仁アワードを創設し、国内の主要ホールで演奏できる貴重な機会を提供するなど、様々な取組みを行っている。

その他、世界中のピアノコンクールデータベースを構築し、コンクール主催者と若い音楽家たち双方への貴重なサービスを提供しているAAFアーリンク・アルゲリッチ財団グスタフ・アーリンク氏、成長著しい台湾で唯一のピアノアソシエーション、台湾ピアノ協会Piano Podium Taiwanを組織しているシェ・ホン・チエン(簡雪豊)氏ドイツ・ニュルンベルク音楽大学ウォルフガング・マンツ教授第7回中国国際ピアノコンクール(厦門)事務局であり、執筆家でピアニストのジェイ・ツォウ(朱贤杰)教授によるスピーチも行われた。

10人のスピーチに加え、IFPS創立者でピティナ会員の篠原多雅子先生より開会の挨拶、第3回天津アマチュア国際コンクール主宰者のジン・カイフ(靳凯华)教授とスポンサーであるHIーTECHのワン広報部長(王会臣)よりコンクール閉幕の御礼とIFPS会議歓迎の挨拶、最後に、中国を代表する音楽教育者のチョウ・グァンレン(周广仁)教授が会を締めくくった。

次回のIFPS第4回国際会議は、2016年8月2日に神戸での開催を予定している。

国際音楽協会理事長・チャン・ウェナイ(张文乃)先生が主宰する、中国人作曲家作品を課題とする中国音楽国際コンクールの視察が予定されている。


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