ソルフェージュ教室紹介開始

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2015/06/26
ソルフェージュ教室紹介開始

「ソルフェージュ」という言葉から、何を連想されるでしょうか?受験・音大生・和声・理論・・・と、もしかすると自分とは縁遠いと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、すべてのピアノ学習者・演奏者にとって、ピアノがより楽に、より深く上達できるための必須な要素とも言えるでしょう。今回は、音楽を演奏する人にとって大切な「活きたソルフェージュレッスン」の取材レポートをお送りします。ソルフェージュには、より素晴らしい音楽を奏でるためのヒントが詰まっています。この度、ソルフェージュ指導をされている教室紹介一覧も作成しましたので、ソルフェージュ学習に興味を持たれた方は、ぜひ新しい学びの扉を開いてみてはいかがでしょうか。

  • ソルフェージュレッスン取材レポート
  • ソルフェージュ教室紹介

ソルフェージュレッスン取材レポート
秋山徹也先生
ソルフェージュクラス
レッスンの流れ
8:309:30
初級クラス聴音

単旋律~二声聴音の聴音。単に書き取るだけでなく、書き取った後は和音伴奏をつけて歌い、伴奏づけの練習としても活用することもあります。

9:3010:00
楽典

それぞれの進度に合わせて個別指導します。各自が楽典、和声の教材などに取り組 みます。
和声に取り組む生徒は、正しいだけでなくきれいな解答ができるまで取り組みます。出来上がった解答は、自分でピアノを弾き、移調奏を行いながら、和音の響きを体得してゆきます。

秋山先生よりコメント 和声の勉強をするときは、必ずピアノでスムーズに和声の移り変わりを演奏するように指導しています。いま何度の和音を弾いているのか、手になじみ、すぐにわかるようになれば、通常の曲に取り組んだ時の演奏に必ずいきてきます。
10:0011:30
新曲視唱・初級視奏・リズム打ち・アンサンブル初見

<新曲視唱・初級視奏>
ピアノ伴奏する人、視唱するグループに分かれ、新曲視奏・新曲視唱を行います。ハ音記号を用いた楽譜も取り入れ、読み替えの訓練も同時にされています。

きれいにうたいましょう ソルフェージュ 応用編 下巻きれいにうたいましょう ソルフェージュ 応用編 上巻使用教材
秋山先生よりコメント 新曲に積極的に取り組むことで、瞬時に曲の構成を見破る能力、分析をする能力を身に着けることがねらいです。それと同時に、和音の種類によって、色彩感が変わることも感じてほしいと思っています。

<リズム打ち>
右手と左手で異なる2つのリズムを打つ練習、歌いながらリズムを打つ練習を行います。通常はキーボードを使ったり、スネアドラムなど、打楽器を使うことも。

秋山先生よりコメント 初見力をつける基礎訓練です。最初は慣れていなくてついてこられなくても、何度も積み重ねることで力がついてきますし、リズム感も培われます。

<アンサンブル初見>
モーツァルトの室内楽のスコアを用い、パートに分かれ、ピアノや電子ピアノで視奏していきます。管楽器の譜面も含まれるため、B管、Es管などの譜面を読み替えて演奏する生徒も。

秋山先生よりコメント アンサンブルはとにかく止めないで最後まで演奏できるようにする練習です。ピアノは一人で演奏するので、弾き直しも、止めることもできますが、伴奏や室内楽を楽しむために、途中弾けない箇所があっても、テンポ通りに次に進む能力は必須だと思います。
また、移調管の譜面を用いた移調の練習にもなります。また、ピアノのコンチェルトを弾く生徒には、オケのパートを弾いてもらうことも。ソロパートを引き受けても、他の楽器が何をやっているのか知ることも必要です。もちろん、アンサンブルを通じて、広く和声感・構成感をつけてもらうのも目標です。
11:3012:30
上級クラス聴音

単旋律~四声などの聴音。名曲(スコア)の聴音も時々行います。書き取った後は和音伴奏をつけて歌い、伴奏づけの練習としても活用します。

秋山徹也先生より全体を通してのコメント ソルフェージュのクラスは、受験準備を視野にいれたクラスではありますが、音高・音大を受験しない生徒さんでも、希望する人には参加いただいています。毎回、それぞれの生徒のレベル・進度に合わせて個人個人に対応しています。まずは受験用の楽典レベルを身につけるところから始め、続いて和声の勉強、伴奏付けなどをできるようにして、作曲できる程度まで可能性を広げるようにしています。視唱やアンサンブルを通じて、広く和声感・構成感を体得してもらうのも目標です。理論を具体的に演奏に結び付ける具体的なレッスンは、別途個人レッスンで対応しています。
 私の教室では和声感を身に着けることを、何より重要視しています。分析をわざわざ紙の上でしなくても、感覚的に和声が分かり、それに基づいた色彩感あふれる演奏ができるようにするためです。ソルフェージュや楽典の勉強が頭でっかちのものとは ならないで、多彩な音楽表現のための理論の引き出しをなるべく多く作れるためのものにできるように、これからも音楽教育に携わっていきたいと思っています。

佐々木邦雄先生
ソルフェージュレッスン
(基礎クラス)

(アシスタント:小林まりな先生)

レッスンの流れ
宿題発表
楽典&聴音ノート交換~練習

他の人が宿題で作ってきた楽譜(伴奏付きメロディー聴音、2声聴音課題など)を見て、皆の前で順番に演奏する。(レッスン前に電子ピアノ+ヘッドホンで少しさらっておく)

  • 弾く人:単に楽譜通りに音を出すだけでなく、いかに音楽的に弾くか
  • 聴く人:調性、拍子、曲の形態について聴いて答える
  • 聴いている課題作成者:自分の課題を弾いてもらった感想を言う
ねらい・効果 弾く人にとっては初見力の訓練になり、聴く人にとっては、聴くことで調性や拍子等を判断する訓練になる。課題作成者は、他の人に弾いてもらうことで客観的に自分の課題を見直すことができ、楽譜も自分以外の人も読みやすいように書く意識を習慣づけできる。
聴音演奏&各自の宿題発表

これまで毎回のレッスンで配布されていた新曲視唱や新曲視奏などの課題(佐々木邦雄先生が作曲)を、楽譜に書き直し、できれば伴奏を変えたり、移調したりと編曲を加えて、音楽的に演奏する。

ねらい・効果自分のやりたいことを表現する練習。自分で楽譜に「書き込む」ことを経験し、演奏することで、楽譜に書かれていることを読もうとする意識が身に付きやすい。
アンサンブルの体験と演奏法の学習

昨年はヤマハミュージックメディア「譜めくりのいらないピアノ連弾Vol,3」を使用されていたが、今年は佐々木邦雄先生の伴奏楽譜を活用した、音楽之友社「ブルクミュラー25の練習曲」を使って毎月1~2曲ずつ全員でアンサンブル演奏。この日の課題はブルグミュラー「やさしい花」。通常のソロ演奏に加え、佐々木先生の作曲された連弾伴奏をプラスし、パートごとに分かれて、各席の電子ピアノで一斉に合奏する。講師の指揮や指導が入ることで、みるみる曲が立体的になっていく。

ねらい・効果 曲を構成するパートごとの役割をしっかり認識できる。また連弾伴奏が付くことで、伴奏を外してソロ演奏をした時にも、頭の中で伴奏が鳴ってくれるため、演奏に厚みが出てくる。
配布資料(全て佐々木先生作成のオリジナル課題)
楽典課題(入試スタイル)

今回はあえて時間制限を設け、課題ごとに1分や2分ずつに区切って、時間内でどれだけ出来るか。

ねらい・効果 タイムプレッシャーの中で集中することで、判断力のスピードアップを養い、より多くの問題をこなせる。
新曲視唱課題(タイトル付き)

斉唱で皆で音楽的に歌う。講師の指導で、発想記号の意味、ブレスの位置など確認しながら、どんどん表情豊かな歌になる。この課題には伴奏が付いているので、伴奏も各席の電子ピアノで初見演奏し、片手づつ⇒両手⇒弾き歌いまで行う。

ねらい・効果楽譜に書かれていることを意識しながら、いかに音楽的に歌うかということを皆で斉唱することで、表現力の理解が体得しやすい。
新曲視奏課題(タイトル付き)
  • 片手パートを両手で弾く(皆で一斉に左手・右手パートに分かれて電子ピアノで演奏)
  • 2人一組でコードネームを分析⇒演奏を聴きながら確認していく。コードを意識し、ペダリングにも注意する。
ねらい・効果初見力と同時に、コード分析、響きの確認、ペダリングへの意識を養う。
伴奏付け課題(タイトル付き)

まずはメロディーのみ聴いて全体の流れを把握する。続いてメロディーを弾きながら伴奏をイメージ、さらにコードを弾き、最後に佐々木先生の作った模範伴奏譜を視て演奏する。これにより、メロディーと伴奏を同時に考えることは創作の基本であることを理解する。


伴奏付け課題

模範解答
ねらい・効果 メロディとコード譜のみの楽譜を見て、伴奏付けをすることで、出来上がっている楽譜を見て、構造を考えることができるようになる。
聴音課題(今回は全曲宿題)

課題は「伴奏付きメロディー」「伴奏付きリズム」「単旋律、2声の複旋律聴音」をはじめ、「3声体」や「4声体」さらに「曲聴音」まで様々なタイプの出題を行う。レッスン内では、音楽を聴いて、譜割りまでしておき、あとは家で録音を聴いて書き取りの練習をする。レッスンの順序は、毎回入れ替えるため、聴音を重点的に最初に行うレッスン回もある。

レッスンを通して 佐々木邦雄先生より佐々木邦雄先生 ピアノのレッスンでは、特にテクニックの難しい大曲を弾くようになると、どうしても「テクニック面」の指導に偏りがちになり、弾く方にとっても、指先のテクニックにとらわれてしまいがちになってしまいます。そこで、ソルフェージュのレッスンを加えることで、音楽をする上でベーシックの部分である、「音楽的に自分で考えて演奏する」という部分が育てられるのではないかと思っています。ピアノのレッスンとソルフェージュのレッスンは、車の両輪のようなイメージですね。ソルフェージュのレッスンでは、視唱、視奏、聴音、伴奏付け、楽典など様々なアプローチ(課題)がありますが、全てに共通しているのは、「いかに音楽的に弾くか」ということ。ソルフェージュのレッスンを通じて、音楽をあらゆる角度からとらえることで、もやもやっとしていたものが、少しずつはっきり見えるようになり、自分の表現したい音楽が確立してくることと思います。
ピアノ指導者 佐々木恵子先生より佐々木恵子先生 ピアノを弾くためには、テクニックが必要ですが、それにはいわゆる指が動くというメカニックな意味だけではなく、音楽的な要素も含まれます。どういう音作りが必要なのか、初めはピアノのレッスンで講師が横で実演し、それを見聞きして習得していくことが大切ですが、最終的には演奏者自身がどういう音楽を奏でるのかを考え、表現していくことが必要です。ソルフェージュのレッスンを受けている生徒は、そういった音楽的に演奏するベースの部分が培われていて、自然に「感覚」として身についていますので、譜読みが早いだけでなく、仕上がりも早くまた音楽的に深いものになります。ソルフェージュ=受験と考えてしまいがちですが、必ずしもそうではなくて、幼児や小学生の頃からソルフェージュの指導を受けている子どもたちは、その分自然にソルフェージュ力が身に付きますので、ピアノの上達にもより効果が高いと思います。

西尾洋先生 ソルフェージュクラス

上野学園大学 ソルフェージュクラス
(演奏家コース3年生対象)

クラス編成
ピアノ専攻3名、ヴィオラ専攻1名、フルート専攻1名、声楽専攻1名
レッスンの流れ
1.コラール弾奏

「コラール名曲集」(全音楽譜出版)より毎週1人1曲ずつ演奏します。ピアノ専門生は移調して弾くことを求められます。

西尾洋先生よりコメント
ピアノ以外の生徒にとっては、普段は単音で演奏しているので、和音をすべて自分で奏でることで、アンサンブルの際に自分が和音でどの位置にいるのか、知る機会となります。ピアノ専科の生徒は、移調のトレーニングをすることで、音を単独ではなく文脈の中でとらえられるようになります。また、移調は手の位置を変えるだけですぐにでき、またすぐにできるけれども調が変わることで音楽の雰囲気ががらりと変わることを感じてほしいです。
またコラールは西洋音楽の古典であり、根幹でもあります。西洋の人はメロディーをきくと「あの曲だ」とすぐイメージできるわけです。それは、バッハもベートーヴェンも同じこと。西洋の音楽を勉強するなら、知っておいて損はないかと思っています。
2.新曲視唱

ノエル・ギャロンの《15 Lecons 5 Cles: Avec Acompagnement》を視唱し、その後分析をして曲の構造に即した演奏法を考察します。
拍子、テンポ、調の確認、どこで転調し、終止しているのか、楽語の意味などを生徒さんたちに確認していきます。また、伴奏となった生徒さんにはうまく歌を導入するタイミングの取り方なども指導します。

西尾洋先生よりコメント 1~2ページ程度の短い曲なので、アナリーゼの練習になります。曲の雰囲気が変わるところを意識し、歌唱や演奏に結びつける方法を提案しています。
3.アンサンブルによる初見演奏

コレッリのトリオソナタ、ヘンデルのフルートソナタ、バッハのカンタータのアリアなど、親しみやすい名曲集のアンサンブルなど、出席学生の楽器編成に応じて選曲します。
生徒自身にテンポを決めさせ、アンサンブルがはじまります。
一度、通した後に「さらに良いものにするにはどうすればいい?」と生徒に問いかけ、テンポのこと、チェロパートをピアノで弾くならもっとレガートに、フルートは音域の高低で音色がかなり違うので、音が小さいときにはピアノも音を絞って、テンポを決めるときには一番細かい音符をベースに考えて、などアンサンブルの基本となるアドバイスも多くされます。
そのアドバイスをもとに、再度通して演奏し、最初の演奏との違いを体感します。

西尾洋先生よりコメント ピアノ曲は、純粋にピアノの音色だけを求めて作曲されたものは少ないと思います。ここは小鳥のさえずり、ここはチェロのように重厚に、ここはフルートのように軽やかに、といろいろな音色を求められることが多いです。その時に、ぱっとそのイメージを持つことができるためにも他の楽器とのアンサンブル経験は大切ですし、他の楽器の音を聴く、という習慣をつけることも必要だと思っています。
西尾洋先生より全体を通してのコメント 西尾先生
ソルフェージュは、共通ルールの理解です。小学校の国語の授業でも、漢字の読み書き、語句の意味、音読の際の抑揚のつけ方などを学習すると思いますが、音楽にも曲を理解するための基礎があり、それを身に着けることで、楽譜をみるだけで音楽を楽しめるようになると思っています。
ソルフェージュは必ずできなければいけないものではありませんが、できると楽ですし、短い時間で早く楽譜を読み解くことが出来ます。また、自分でソルフェージュが出来るようにならないと、どうしても演奏に行き詰まることが出てきます。曲の構造や調、和声のイメージを持つことで、自分なりの解釈・演奏が可能になり、先生に教えられたとおりにしか弾けないということがなくなるのです。そうすれば、様々な機会で自主的な音楽を楽しめるようになるでしょう。
楽譜通りの演奏ではなく、その一歩先のイメージを持つことが1クラス上の演奏につながるのではないでしょうか。そのためにも楽譜のルールを知り、ピアノを知り、他の楽器を知ることは財産になるはずです。
生徒さんより
  • 実際の曲を用いてのアナリーゼで、楽語の意味を正しく理解することが出来るようになりました。自分の専門楽器を演奏する際にも、意識するようにしています。
  • ソルフェージュはすぐに役立つ、ということは少ないですが、積み重ねることで、引き出しを多く作ることが出来ると思っています。

ソルフェージュ教室紹介
◆非会員の先生情報
 (ピティナでは仲介・紹介はいたしませんので、参考情報としてご覧ください)
氏名 住所 備考
石幡 万里 宮城県仙台市 個人レッスン・受験生対応可能・楽典
小崎 光洋 茨城県つくば市&水戸市 音大受験対応可能。
廣田 はる香 栃木県宇都宮市 月に2回(土曜又は日曜)中高生を対象に、基本は個人レッスンで楽典・聴音・視唱を中心に、個々の状況に応じて和声、作品分析、視奏、音楽史などを追加。受験生対応可能。
赤羽 陽子 東京都三鷹市 小中学生はレベル別のグループレッスン、受験生は個人レッスン。
奥田 美穂 東京都杉並区 初級からから大学院受験まで対応。音楽理論、ソルフェージュ全般(聴音、視唱、視奏、リズムなど)
ロドリゲス ありさ 東京都渋谷区 ソルフェージュ、聴音、楽典等、完全個人レッスンで小学生から受験対策まで対応。
前田 華子 大阪府豊中市 個人レッスン、グループレッスン、共に対応可能。聴音、楽典を中心に基礎から音大受験まで対応可能。
大田 いづみ 兵庫県明石市 土日に、個人、少人数のグループ。レベルは、基礎から受験生まで。
田中 祥史 岡山県岡山市 レベルに合わせた個人レッスン対応。
野村 靖子 岡山県岡山市 音高、音大受験生対象のソルフェージュ指導(視唱、聴音、音楽理論)
池田 美奈子 沖縄県沖縄市 レベル別グループ又は個人レッスン。 フォルマシオンミュジカルの理念に基づき楽典、聴音、視唱、初見、和声、音楽史、楽曲分析などを総合的に指導。

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