2019年ミラノ国際ジュニアコンクール参加レポート

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2019/09/09
ミラノ国際ジュニアコンクール
参加レポート
2019年ミラノ国際ジュニアコンクールに参加して

2013年に初回ミラノ派遣オーディションを開催して6年。PTNACrossGivingプロジェクトや福田靖子賞基金からの支援、歴代の派遣者による現地での賞金の寄付などのおかげで、今年度も巣鴨オーディションで選出された二名とYOUTUBEオーディションで選ばれた2名、計4名をミラノ国際ジュニアコンクール(Piano Talents in Milano 2019)に派遣することができました。派遣オーディション最優秀賞の山田夏歌さんと優秀賞の土田裕利君より滞在レポートをいただきました。子供たちに早い時期に国際的な経験を、とお考えの皆様のご参考にしていただければと思います。
次回ミラノ派遣オーディションは2021年を予定しております。

ミラノ派遣オーディション
ピティナTokyo-Milanoチャオステーション 黒田亜樹

Piano Talents in Milano 2019全カテゴリーの1位受賞者たち
山田夏歌さん(レポート:山田夏歌さんの保護者様)

6月4日から9日にかけて、イタリア・ミラノで開催されました「第9回ミラノ国際ジュニアピアノコンクール(Piano Talents in Milano 2019)」に娘の夏歌が参加してまいりました。

3月3日に東京で行われました「ミラノ派遣オーディション」で幸運にも最優秀賞を頂き、このような機会に恵まれました。娘にとっては初めての海外、初めての国際コンクールへの参加、という夢のようなお話であり、娘はミラノで演奏できることをとても楽しみに準備を進めてまいりました。

オーディションから約3ヶ月間、黒田亜樹先生は選曲のアドバイス、コンクールへのエントリー、航空券や宿泊ホテルのご手配、また、渡航する私達のためにたくさんのアドバイスをして下さりました。大変感謝しております。

6月4日に成田空港から、アリタリア航空ミラノ行き直行便で出発いたしました。今回のコンクールに一緒に参加されました「2019年ミラノ派遣メンバー」全員が一緒に搭乗し、大変心強く、楽しい出発となりました。

滞在しましたホテル「カ・ビアンカ」には大きな音楽ホールがあり、グランドピアノで練習することができました。ホテル内には他に2台もグランドピアノがあり、練習場所に不自由することのない恵まれた環境でした。また、ホテルの敷地内の明るく広い中庭で、鳥のさえずりを聞き、花や緑を楽しみながらの散策、という贅沢な時間を持つ事ができ、落ち着いて心豊かに過ごすことができました。

練習の合間には、コンクール会場の見学はもちろんですが、トラムやメトロに乗り大聖堂ドゥオモやブレラ美術館等をかけ足で巡り、また、地元のスーパーやタバッキで買物を楽しみ、娘はミラノでの生活の中で非常に多くの刺激を受けておりました。

今回のコンクールの参加国は28ヶ国、参加者数は116名。娘が参加しましたカテゴリーF(12〜13歳)は20名のエントリーで、イタリア他、ロシア、ポーランド、ウクライナ、リトアニアなど様々な国からの参加者がありました。
コンクール会場は、イタリアの偉大な作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが、音楽家の老後のために私財を投じて建立した「カーサ・ヴェルディ」の大ホールで、ピアノはホロヴィッツ氏寄贈のベヒシュタイン、という特別な舞台が用意されていました。天井が高く、よく響く素敵なヨーロッパらしいホールで、娘はそこで演奏することを本当に楽しみにしておりました。

6月7日の本番では、娘は準備してきた自由曲3曲を緊張することなく、堂々と、自分らしい演奏をいたしました。演奏後には、「グラッチェ!」「ブラボー!」と皆様から温かい拍手をたくさんいただき、娘も私も感謝の気持ちでいっぱいになりました。結果はFカテゴリー最高点で第1位をいただきASSOLUTO(最高位)として特別表彰までしていただきました。

6月9日には、各カテゴリーのアッソルート受賞者が出演する、ファイナルアッソルート受賞者コンサートが開催され、再度演奏させていただきました。演奏後の「ブラボー!」「ブラボー!」の歓声や鳴り止まない大きな拍手に感動し、会場内の皆様の笑顔を拝見して大変嬉しく思いました。娘は演奏終了後、ホールの外でもたくさんの方々からお褒めの言葉をかけていただいたらしく、とても感激しておりました。また、他国のコンテスタントと声をかけあい、お互いに認めあう姿から音楽が持つ力の素晴らしさを再認識いたしました。

今回このコンクールに参加させていただき、娘はたくさんの方々と出会い、多くの事を学び、経験し、吸収し、感動し、感謝しておりました。何ものにも代え難い貴重な時間を過ごすことができたと思っております。
音楽の勉強をしてきたことの喜びを感じ、多くの方々に支えていただいていることに感謝し、音楽を続けていられることの幸せに気付いたようです。
娘をこのような素晴らしい場に送り出して下さいました、CDプロデューサーの武藤敏樹様、コンサートプロデューサーの西巻正史様、全てに渡りサポートして下さいましたピアニストの黒田亜樹様、ピティナ専務理事の福田成康様に心より感謝申し上げます。
また、この派遣オーディションに多大なご支援をして下さいました皆様、現地で様々なご配慮をいただき支えて下さいました皆様、ピティナ関係者の皆様、温かく丁寧に御指導下さいました先生方、多くの皆様のおかげでこのような素晴らしい経験をさせていただいたことに厚く御礼申し上げます。

今後もこの派遣オーディションにより、一人でも多くのピアニストが素晴らしい経験をされることを心から願っております。
ありがとうございました。

土田裕利さん(レポート:土田裕利さんの保護者様)

2019年3月に開催された「ミラノ国際ピアノコンクール派遣オーディション」において、息子の裕利が幸運にも派遣者に選ばれ、6月上旬にイタリア・ミラノで開催された「ミラノ国際ピアノコンクール」に参加させていただくこととなりました。

私達親子は6月3日に自宅のある北海道を出発し成田へ、翌4日に今回のオーディションで一緒に派遣者として選ばれた山田さん、YouTube審査で選ばれた上林さん、秋山さんと共に同じ飛行機に乗り成田からミラノへ向かいました。裕利にとっては初めての海外コンクールへの参加でもあり、とても楽しみにしておりましたが、不安な気持ちも少しありました。

ミラノ行きの飛行機は出発が5時間ほど遅れてしまい、ミラノ到着は深夜となりました。ホテルでは深夜にも関わらず、ピアニストの小林侑奈さんが温かくお迎えしてくださり、感動致しました。有難うございました。

宿泊先のホテルは、黒田亜樹先生がご手配してくださった「カ・ビアンカ」というホテルでした。「カ・ビアンカ」はグランドピアノが3台もあり、ホテルのスタッフの方々も素敵な方ばかりで、周りは緑に囲まれており、とても環境に恵まれたホテルでした。
ホテルでは初日と2日目の午前は小林さんが、2日目の午後からはピアニストの保屋野美和さんが滞在してくださり、亜樹先生とご一緒に練習用のピアノの確保から夕食の案内に至るまで、丁寧にサポートしてくださいました。細やかなお心遣いに不安な気持ちも吹き飛び、感謝と喜びの気持ちでいっぱいになりました。

7日の本番当日はホテルのピアノで練習をし、会場である「カーサ・ヴェルディ」へ向かいました。「カーサ・ヴェルディ」のホールに置かれているピアノは、ホロヴィッツ氏が寄贈したベヒシュタインだと聞いておりましたので、裕利はこの様な素晴らしいホールで演奏ができることを心から楽しみにしておりました。初めての海外コンクールで少々緊張している様子もありましたが、演奏曲4曲を弾き切り、笑顔を見せておりました。
裕利が参加しているFカテゴリー(12~13歳)には、同じく日本からの派遣者の山田さんも参加しており、素敵な演奏を聴かせてくださいました。
Fカテゴリーの審査結果が貼り出しになり、裕利の名前の横に98の点数とAssoluto(最高位)の文字が書いてあるのを見て、とても驚きました。さらに山田さんも同点の98点でAssolutoに選ばれており、2人でAssolutoをいただくことができたことに本当に驚き、嬉しく思いました。
その日の夜はスカラ座でのオペラ鑑賞を予定していたため、コンクールの興奮が冷めやらぬまま、裕利と2人でスカラ座へと向かいました。20時開演と裕利にとっては遅い時間の開演にも関わらず、素晴らしい会場と大迫力のオペラに眠気や疲れも忘れたようで、有頂天になっておりました。

翌8日は、9日のファイナルに向けての練習と、練習の合間にドゥオーモとブレラ美術館を駆け足で見学してきました。ドゥオーモの大きさと美しさに、私も裕利もただただ驚くばかりでした。
その日の夕食は日本からの参加者全員と亜樹先生、亜樹先生のご子息の劉太郎君、保屋野さんとでお食事会が行われました。美味しいお料理と楽しいお話で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

9日はファイナル審査が行われ、各カテゴリーのAssolutoが演奏いたしました。前回大賞を受賞された八木大輔さんも、お忙しい中応援に駆け付けてくださいました。全カテゴリーのAssolutoの皆さんの演奏には本当に感動し、音楽には国境がないということを改めて感じました。演奏終了後には、「ブラボー!!」とたくさんの方々に声をかけていただき、裕利はとても喜んでおりました。また、各国の演奏者との交流の時間もあり、華やかで楽しいひとときを過ごすことができました。
今回このような機会に恵まれたことは、裕利と私にとりましてこの上ない経験となりました。この経験を忘れず、親子共々成長して参りたいと思います。

最後に、東京でのオーディションでミラノ行きのチャンスを与えてくださった、武藤敏樹様、西巻正史様、ご支援してくださいました福田成康専務理事、そして全てに亘りサポートをしてくださいました黒田亜樹先生、いつも熱心にご指導してくださる永井礼子先生、応援してくださいました方々に心から感謝申し上げます。本当に有難うございました。


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