家族会員交流会~子どもの成長を願い、サポートするために~

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2018/04/19
家族会員交流会~子どもの成長を願い、サポートするために~

ピアノを習うお子さんをお持ちの保護者の方は、お子さんとピアノを楽しみながら成長を見守られている一方で、日々の練習、レッスンへの付添、本番までの準備等、現実問題としてちょっとした課題や悩みと向き合いながら、お子さんをサポートされていらっしゃるのではないでしょうか。このたび、そのようなピアノを習うお子さんを持つ保護者が抱える共通の楽しみや悩みを共有し合う場所として、ピティナ家族会員交流会を初めて実施することとなりました。これから家族会員にご入会の方もご参加いただくことが可能です。「ちょっと話してみたい、話を聞いてみたい」という気持ちで、どうぞお気軽にご参加ください。

このページでは、家族会員によるアンケート結果の一部と、3月1日に実施した『ピアノを習う子どもの保護者のための勉強会』のレポートもご紹介します。

家族会員交流会
2018年68日(金)10:30~12:30
東音ホール(ピティナ本部事務局内)(東京・巣鴨/アクセス
参加料:無料
  • 満席になり次第、締め切らせていただきます。
  • 終了後、希望者のみランチ。ランチご参加の方のみ実費1,000円程度ご負担ください。
◆ 内容
1.ミニ講演「ピアノと子育て」~母としてピアノ指導者として~(約20分)
ゲスト講師 角野美智子先生
角野美智子先生

桐朋学園大学音楽部ピアノ科卒、ニューイングランド音楽大大学院卒、Chibaきらめきステーション代表。 優秀な生徒さんを数多く育てられているピアノ指導者であり、角野隼斗さん、未来さん、お2人のピアニストを育てられたお母様。

角野先生にお答えいただきました!コンペお悩みQ&A

2.グループディスカッション

お申し込み時に記入いただいたご興味のあるテーマごとに分かれて、交流いただきます。 角野先生にも適宜各グループを回っていただき、お悩み等へのアドバイス等いただけます。

◆ お申込み

下記お申込みフォームより、お申込みください。

  • ご参加いただけるのは、会費をお支払いただいているピティナ家族会員の方に限ります。(ピティナIDを保有されていても、ご入会いただいていない場合にはご参加いただけません)ご入会手続き中の場合には、お申込み時にその旨ご記載ください。
【家族会員の主な特典】
  • お子さんのコンペ、ステップ参加時の割引
  • Family Pressのお届け(会報送付時)
  • コンペ学習ノートをお子様の人数分進呈 (※要請求)
  •  
  • コンペ、ステップ要項、コンペ結果特集号のお届け
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家族会員アンケート

家族会員の方にご回答いただいたアンケートの結果をご紹介します。 (有効回答数41件)

●家庭での主な練習時間帯はいつですか?
●ピアノのレッスンに通う時間帯はいつごろですか?
●ピアノのレッスンには保護者の方が付き添われていますか?
●ピアノを習うにあたって、お悩みのこと
  • 本人のモチベーションの維持。
  • 練習があまり好きでなく、自分から練習しようとしない。
  • 平日の練習時間の確保と他の習い事との両立。
  • きょうだいでの練習時間の割り振り。
  • コンペで素敵な曲も聴きたいが、教本がなかなか進まない。
  • 練習中に親子喧嘩になること。
  • どこまで、音楽にお金をかければよいのか。
  • コンペ・ステップの結果について、姉妹で明暗が分かれた時の対応
『ピアノをならう子どもの保護者のための勉強会』レポート

2018年3月1日、浜離宮朝日小ホールにて、『ピアノを習う子どもの保護者のための勉強会』を開催し、300名を超える保護者、ピアノ指導者の方に来場いただきました。ピアノに向かう子どもに対して、保護者ができることとは?脳科学者の古屋晋一先生による講演の一部をレポートします。

◎文化的に成熟した社会へ

いまの子ども達が大人になると、テクノロジーの進化によって、人間の労働時間が減り、余暇が増大し、より文化的に成熟した社会になることが考えられます。テクノロジーは、「良い・悪い」の判断は出来ても、「好き・嫌い」は判断できません。文化的社会では、より人間は、どう表現したいか、好きか嫌いかという審美眼が求められます。子ども達が音楽的に成熟した社会を生きるために、幼少期のうちに、何をやるべきか、何をやるべきではないか、保護者の方は選択の岐路に立っているところと思います。

◎保護者に必要なマインドセット

「好き・嫌い」に置き換えるある程度成熟した音楽は「良い・悪い」で決められません。「良い・悪い」はどうしてそう思うのか、きちんと説明できるなら良いのですが、そうでないなら、安易に「良い・悪い」を決めるよりも、「好き・嫌い」に置き換えて表現した方が良いと思います。「好き・嫌い」に理由は必要ありません。自分がどう思ったのかを「好き・嫌い」で選択できることは、自分がアーティストとして、どう表現したいのかという表現力に必要なことです。

チャレンジを尊重する チャレンジすることは、最も大切だと思います。自分で解釈したものを人前で表現することに、怖さが伴うのは、演奏家の宿命です。正しいかどうか分からないことを人前で発表するのは、とても勇気のいることですが、そこに至るまで、自分で美しい、表現したいと思うものを選びとる審美眼、それを表現するテクニックの鍛錬などを乗り越えた「チャレンジ」こそが、アーティストを成長させると思います。結果ではなく、「チャレンジ」をリスペクトする保護者や聴衆の中で、音楽家は育ちます。はっきりした答えのない「音楽」では特に、演奏家にかける言葉には慎重になってほしいと思います。ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉をかけることにより、チャレンジ精神が育まれますし、ネガティブが先行してしまうことで、縮こまってしまったり、新しい表現が生まれにくくなったりします。

他者へのリスペクト チャレンジの必要な「音楽」をするにあたって、特に他者へのリスペクトが大事です。お子さんには、よくこのことを教えて欲しいと思います。相手への敬意が足りないと、当然、自分もリスペクトされませんし、それが自己肯定感を下げることにも繋がり、舞台上での「アガリ」の原因にもなると考えられます。他者をリスペクトしあえる社会をつくるためには、保護者の役割はとても大きいと思っています。

◎保護者が原因?

「舞台で弾くのが怖い」という感覚は、日頃からの蓄積によるものだと考えられます。普段、練習の時に、否定的な言葉を浴びていると、舞台でも自信が持てるものではありません。厳しい評価ばかり受けていると、自己肯定感が下がり、「弾くと怒られる」という回路が出来て、周りからの評価を怖れ、これらが舞台上での「アガリ」にも繋がります。では、優しくばかりしておけば良いのか、というと、成長のためには、時には負荷をかけたトレーニングが必要な場面もありますので、正しい知識を持って、子どもを観察し、冷静に「使い分ける」ことが大切です。

◎幼少期に必要なこと

感覚の発達には、「経験」が必要です。そのため、多種多様な経験をすることで、それだけ、テクニック、表現力ともに幅が広がります。たとえば、一曲に固執して練習するよりも、短時間の曲を沢山こなす方が、数多くのパターンを習得できます。タッチによって音がどう変わるのか、表現の実験をしたり、時には、名演奏家の弾き方や表現を研究、真似してみたりすることで、経験の種類が増えるのではないかと思います。
感性を育むには、違いを判別できるだけでなく、「選択」できることが必要です。演奏をいくつか聴いてみて、表現の「好き・嫌い」を判断させるような練習をしてみるのも良いでしょう。自分で自信を持って表現を選択し、自分なりの音楽性を育んでいって欲しいと思います。

来場者アンケートより
  • 子供がピアノを初めて1年半。「同じ曲をただ繰り返しやらない」、「弾ける」ことにしか目が行っていなかったので、「感性を育む」ことの大切さを教えて頂きました。つい結果ばかり目がいってしまわぬよう、戒めることが出来ました。
  • 子供は一つのその曲しかわからないけど、指導者は色々な曲や背景を思い描きながら教える。いろいろな角度から見て、子供にその曲のイメージをもっと膨らませてあげたいと思います。
  • 江崎先生のコンペティションは結果でなく、"プロセス"が大事とのお話、とても実感しました。 古屋先生の「感性を育むために、音楽の好き嫌いを判断させてあげる」というお話が印象に残りました。 いろいろなお話をありがとうございました。
  • 上手に弾けるようになること、コンクールでいい成績を取ること、そこにばかり目が行ってしまい、本来の目的である「表現をする」ということを忘れかけていました。 そんな保護者としての姿勢が子供の気持ちをピアノから遠ざけていたのかもしれません。 もっと自分自身もピアノを楽しみたいと思いました。 「アーティスト」という言葉が印象的でした。 表現を楽しめるように日々練習したいです。
  • 先生のお話は、ピアノだけに限ったことではなく、子育て全てに置き換えることができて、とても参考になりました。 この子に何の声がけをすれば、子供が考えることができるか...争っているのは歴史...本当にそう思います。
  • 先生方に共通していた言葉が「多様性」で、曲を完璧に弾くことも素晴らしいですが、そこへ行くまでのプロセスが大切だと思いました。
古屋晋一 ふるや・しんいち◎ソニー コンピュータサイエンス研究所(SONY CSL)アソシエート・リサーチャー、上智大学 音楽医科学研究センター センター長・特任准教授、ハノーファー音楽演劇大学 客員教授、京都市立芸術大学・東京音楽大学・エリザベト音楽大学 講師.大阪大学基礎工学部、人間科学研究科を経て、医学系研究科にて博士(医学)を取得。ミネソタ大学 神経科学部、ハノーファー音楽演劇大学 音楽生理学・音楽家医学研究所にて勤務。研究上の主な受賞歴に、ドイツ研究振興会(DFG)ハイゼンベルグフェローシップ、フンボルト財団ポストドクトラルフェローシップ、文部科学省 卓越研究員、日本学術振興会 特別研究員PDおよび海外特別研究員など。ピアノ演奏上の主な受賞歴に、日本クラシック音楽コンクール全国大会入選、KOBE国際音楽コンクール入賞をはじめ、国内外で演奏を行う。主な著書に、ピアニストの脳を科学する、ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと。

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