2022年度ご支援の御礼とご報告

2023/06/08公開

「音楽がつなげる豊かな人生」

2022年度に上記のようにビジョンを策定いたしました。本部事務局員のみならず、理事会、支部・ステーションとの「未来会議」を行い、共有とディスカッションを行い、ご意見をいただきながら作り上げたものです。今後は、このビジョンをもとに、ピティナに関わってくださる皆様とともに何ができるかを考えながら、実現を目指して参ります。いただいた会費、ご寄付については、引き続き、公益性の高い事業に大事に使わせていただき、未来へと豊かさをつなげて参ります。2023年度も変わらぬご支援をいただけますと幸いです。

7,126,341

735

支援先事業内訳

支援先事業	金額	件数
特級クラウドファンディング	2,239,590円	149
ピアノ教室紹介	2,224,401円	421
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会（事業指定なし）	1,374,850円	32
ピアノ曲事典	715,000円	68
ピアノコンペティション特級	360,000円	36
ピアノコンペティション	99,500円	14
ピアノステップ	42,000円	6
公益財団法人福田靖子賞基金	30,000円	3
セミナー	25,000円	3
指導者ライセンス	15,000	2
調査・研究	1,000円	1
合計	7,126,341円	735

会費のご報告

会費・入会費の収入は、およそ1億5千万円にものぼります。いただいた会費により、物価高騰や円安で経済的に不安定な状況下にあっても、ピアノ教室紹介・ピアノ曲事典・学校クラスコンサート・トークコンサート等の公益性の高い事業に力を入れることができているため、会費は公益事業へのご寄付ととらえています。日々、音楽教育に貢献されているだけでなく、ピティナの理念にご賛同いただき、会員となってくださる皆様がいらっしゃるからこそ、ピティナという団体は成り立っております。今後も、「音楽がつなげる豊かな人生」を一人ひとりに届けていくために、お力添えいただけますと幸いです。

会費収入推移

会員数の推移

事業マップ

既存の事業のポジショニングと事業規模を整理したマップです。主に左上の象限の収益（コンペティション・ステップなど）と会費の活用により、青色の公益性の高い事業が発展してきました。今後は、さらに右側の公益事業の発展を目指し、事業収益と会費だけでなく、企業協賛・助成金・寄付などの資金調達にも力を入れてまいります。

ご支援の御礼

2022年度も多くの方にピティナの活動をご支援いただきました。まずは、ご寄付いただいた皆様には心より御礼を申し上げます。また会員の皆様、各地のイベント運営・事業運営に携わるすべての方々におきましては、日頃からのご協力に感謝申し上げます。

2022年は、新型コロナウィルスの影響は縮小しましたが、ウクライナ危機の長期化により、様々な業界で値上げが行われ、先行きもまだまだ不透明で不安な気持ちをお持ちの方も多いことと存じます。

時代の変化に柔軟に対応することで乗り切ってきたピティナでもさらなる進化が必要でした。

皆様と心を一つにして進んでいくために行った対策の1つが、ビジョン・ミッションの策定です。

「音楽がつなげる豊かな人生」。

これまで取り組んできたことの本質的な価値を改めて言語化し、その価値をより多くの人々に伝え、さらに仲間を増やしていくために必要なプロセスであり、その取り組みの結果が、エクセレントNPO組織力賞および大賞受賞へとつながりました。

2023年6月には、新会長を迎えます。新たな「つながり」により変化が生まれ、2023年度は飛躍の年となりそうです。

音楽を通じて、社会にどういった貢献ができるのか。事業で得た収入やいただいた寄付でさらに公益性を高めるためにはどうしたらいいのか。2023年度も、常に模索しながら、一人ひとりが豊かに生きられる世界を目指して参りたいと考えています。

今後ともご支援・ご声援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人全日本ピアノ指導者協会専務理事

福田成康

2023年特級クラウドファンディング次世代のピアニスト応援プロジェクト

2022年度特級グランプリの北村明日人さんは、たくさんの夢を持っています。例えば、「子どもたちと直接共演することで、音楽のつくり方や楽しみ方を伝えたい」という思い。これまで、たくさんの子どもたちとのピアノ連弾などのアンサンブル企画を実施してきました。そして、「他楽器の演奏家たちとも積極的に交流し、関係性を広げていきたい」という思い。自分が音楽を表現するだけではなく、人の役に立つことも大切に活動されています。これまでの入賞者たちも、特級での経験から国際コンクールへの出場や留学など、様々な活躍を見せています。そして彼らの活躍をみた子どもたちがその背中を追って成長するという「循環」が次々に生み出されています。未来へバトンをつなぎ、聴衆みんなでピアニストを応援する取り組みとして、今年もクラウドファンディングに挑戦します。2023年度もご支援・ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

目標金額300万円
資金の使途（予定）：サポーター賞賞金115万円、国内・海外での活動サポート134万円、クラウドファンディング手数料51万円
実施期間：7月6日（木）～8月下旬

2022年主要事業実績

コンペティション

指導者数　5,055名
審査員派遣数　のべ1,933名※初審査50名
参加組数　のべ約28,927組

「生徒と指導者が共に成長するコンクール」として、各段階のピアノ学習者に、精選された四期（バロック・クラシック・ロマン・近現代）の課題曲を学ぶことによるステージ体験を提供しています。また、その背後でサポートをしているピアノ指導者には、各々の指導カリキュラムの根幹を支える総合的・網羅的な知識・経験の向上の機会を提供しています。

コンペティション「特級」

挑戦者数　67名
ファイナル来場者数　1,022名
ファイナル同時視聴者数　5,142名

ピティナ・ピアノコンペティションの部門のうち、「特級」は専門家を目指す学習者の最上カテゴリーであり、世界レベルのピアニストを輩出してきました。最終選考であるファイナルは、「クラシック音楽の殿堂」サントリーホールで開催され、多くの聴衆の前でコンサート形式で、国内を代表する一流のオーケストラとコンチェルトを演奏します。一般の音楽ファンも巻き込み、才能を育て世界への挑戦を応援する場となっています。

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ステップ

指導者数　5,620名アドバイザー派遣　のべ1,750地区　※初アドバイザー56名
参加組数　のべ43,457組
地区数　570地区※うち新規拠点：15地区

他人との比較や順位による評価は行わず、一人ひとりの音楽との向き合い方をサポートする、すべてのピアノ学習者・ピアノ愛好家のための公開ステージです。生涯にわたる学習を後押しする仕組みとして、演奏技術の良否でなく「ピアノを続けること」を表彰する独自の「継続表彰」の仕組みを設けています。表彰にはステップ・コンペティション・提携コンクールに参加することで得られる「ステージポイント」の積み上げが必要となり、この表彰をモチベーションに様々なステージに挑戦する参加者も増えています。

提携コンクール

申込総数　27,491件※新規申込数：7,971件
対象コンクール　44種類
地区数　292地区※うち新規2種類・5地区件

ピティナ会員や関係団体が主催するコンクールの運営をサポートし、ピアノ学習者がステージを経験する機会を全国各地で充実させています。参加者はコンペティションやステップに参加した時と同様に「ステージポイント」を得ることができ、ステージ経験を積むモチベーションに繋がっています。また、それぞれのステージの主催がピティナをメディアとして活用することで、多様なコンクールの発展をうながしています。

セミナー／e ラーニング

セミナー掲載数　657地区 ※うちオンライン開催：399地区
eラーニングコンテンツ制作数　256件
登録者数　4,498名※2022年度末時点うち新規507名

ピアノ指導者の自己研鑽をサポートするために、ピアノ指導・演奏・コンクール課題曲に関する解説講座など、地域のニーズに応じたセミナーの広報支援を行っています。2020年以降、多数のオンラインセミナーが企画・開催され、地元の会場では受講できなかったテーマの講座に自宅から参加することができるようになりました。

eラーニングは、場所だけでなく、時間や回数の制限なく受講できるサブスクリプション型の講座配信サービスです。

指導者ライセンス

開催数　52地区
受検者数　のべ672名 ※うち初受検：のべ72名
全級合格者数　17名

指導実技・演奏実技・筆記試験・小論文の4種類の試験科目を通じて、ピアノ指導者の自己研鑽を応援する検定システムです。ピアノを指導している方やピアノの先生を目指す方なら、どなたでも受検可能です。2021年から始まったLesson CheckUp（レッスン・チェックアップ）は、指導者ライセンスの一環として開始されたプログラムで、実際のレッスンを撮影した動画を提出することで、ベテラン指導者からアドバイスをもらうことができます。ご自身のステップアップはもちろんのこと、日々のレッスンでの悩みや問題について相談する場や、指導の振り返りとしてもご活用いただいています。

ピアノ教室紹介

2022年度紹介実績　11,286件

ピティナ会員の教室とピアノを習いたい生徒の出会いを無料でサポートしています。ユーザーはウェブサイトに掲載された全国のピアノ教室から、求める条件に最もあった教室を探すことができます。10名の仲介スタッフが、ピアノ学習者と会員を繋ぎます。会員の生徒募集サポートをおこなうことで、ピアノ指導者の直接的な収入増に繋げます。また、ピアノ学習者が質の高いピアノ指導者と繋がることで、一人ひとりが豊かな学びや芸術・文化体験を重ねていけるようサポートしています。

ピアノ曲事典

新規音源数　2,167件
新規人物情報数　228件

ピアノに携わる方々・音楽を愛好する方々のために、作曲家や演奏家・楽曲等の情報を網羅的に提供する、オンラインの無料音楽データベースです。ピアノ学習者・指導者・演奏家をはじめ、レコード会社や音楽マネジメント会社など、様々な方々に利用していただき、また、支援を受ける互恵関係を築いてきました。2002年の整備開始から20年を超え、世界有数の規模をもつクラシック音楽の楽曲データベースとなっています。2010年から本格的に整備を始めたYouTubeチャンネルは現在、月間10万人以上が利用し、登録者数は14万人に達しています。

読み物・連載

新規公開記事　118記事

ウェブサイトの読み物コーナーはピアノ曲事典（データベース）を使いこなすための基礎知識を提供する目的で、2003年に設置されました。これまでに30を超える連載記事を掲載し、そのうちのいくつかは書籍としても出版されています。また、会員による音楽実践のレポートや活動報告を「トピック」として紹介しています。2022年度は新連載として『スクリャービン：「神秘」の向こう側へ』（執筆：山本明尚氏）、『ナディア・ブーランジェ先生のことば』（佐藤祐子氏）が開始。2017年に開始した連載『編曲と音楽、その歴史』（丸山瑶子氏）が、2023年1月に最終回の記事を公開しました。

コンサート

コンサート登録数　946公演

※うち関係者のコンサート広報支援数：708公演

ピティナのコンサート事業は、コンペティション・ステップ・ピアノ曲事典等の協会主幹事業に関連して開催されるほか、学校・公共ホール・サロン・楽器店・オープンスペースなど様々な場所で音楽との出逢い、人々の交流を促進しています。2022年度は各地でコンサートが再開し、登録数は前年比1.3倍にまで回復しました。入賞者記念コンサートでは、特級入賞者が全国各地をゲストで訪れ子どもたちと交流したほか、ステップでのベテランアドバイザーによる無料のトークコンサートも本格的に復活しました。公共財としての音源拡充を目的とする公開録音コンサートやパブリックスペースでのコンサートなど、バラエティ豊かに全国で展開されたほか、海外公演への派遣など国際的な支援も行われました。コンサートによる地域協業の取り組みは、アーティスト・地域のコーディネーター・聴衆がともに価値を循環させる場となっています。

入賞者記念コンサート

トークコンサート

公開録音コンサート

学校クラスコンサート

提携コンサート

2022年度寄付者ご芳名