【公開録音コンサート】 11月1日「古典の日」コンサート

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2012/10/12
古典の日公開録音コンサート
多喜靖美(ピアノ)
阿部真也(ヴァイオリン)
谷口賢記(チェロ)

2012年111日(木)19:00開演(18:30開場)
東音ホール(地図
入場料:後払い方式(※)
終了いたしました。

今年から11月1日を『古典の日』とする法律が9月5日に施行されました。(「古典の日推進委員会」ウェブサイトはこちら)。この記念すべき最初の『古典の日』にちなんで、急遽、公開録音コンサートを行うことにしました。

ピティナは西洋の芸術である「ピアノ」に関わる団体ですが、洋の東西を問わず、人の営みとしての芸術をする心は通じあうものがあるはずです。ピアノトリオ等の演奏を通じ、古典文学の朗読や、絵画の展示とトーク等をまじえて、日本の古典文学へ思いを馳せる機会とする、特別な「公開録音コンサート」です。

阿部真也先生によるメッセージプログラムと演奏者プロフィール

◆阿部真也先生によるメッセージ

私が日々の生活を送る中で、先人の知恵を拝借せずに成り立っていることは、ほぼ無いように思います。どのようなことであれ、物事には過去との繋がりがあります。それは、有形無形に関わるものではありませんが、特に日本人としての心や文化など目に見えないもの、見えにくいものは大切にしたいものです。

 そうした過去との繋がりと交信する方法として「古典」に親しむことが有効です。「古典」とは古い書物であったり、長く時を経て模範とされるものが生み出されたものであり、時代に思いを馳せることができるものであります。文学でいえば、「枕草子」「平家物語」「源氏物語」「三十六歌仙」などが挙げられますし、古典芸能でいえば、儀式や祭祀、歌、日本舞踊、演劇、音曲、芸道、工芸などが挙げられます。

 しかし、残念なことではありますが現代において、流行(はやり)を追いかけることに熱心で、古典に親しむ機会は陰に隠れているように感じます。また、古典は「難しいもの」といった固定概念も大きく影響しているように思います。この点でいえば、いわゆる「クラシック音楽」も同じような境遇だといえます。我々は、忙しすぎる現代を生きていますが、流行のみに支配されるのではなく、古典に親しむことを不易としてもっと大切すべきではないでしょうか。日本古典芸道、茶道を確立した千利休は「稽古とは、一から習い十を知り、十よりかえる元のその一」といっています。即ち、原点としての初心は、後の自分を支える力となり、初心に戻ることで初めて次の進歩に繋がるのだろうと私は考えています。

 私にとっての演奏家としての原点は、「美しい旋律を紡ぎだした作曲家への憧れ」であったように思います。単に、技術を磨くのではなく、作曲家の歴史や彼らが勤しんだものに思いを巡らせることで、西洋の古典文学や芸術に出会い親しむことができたのです。さらに、好奇心から自国の歴史や文化にも触れ、先人が残した数多くの古典芸術に出会い感動したのです。歴史や文化に親しむことは、きっと人生を豊かにしてくれることでしょう。ぜひ、「古典の日」に先人が残した歴史や文化に親しんでみてはどうでしょうか。そこに、人生を豊かにするという不易が隠されているかもしれません。

Program
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ「春」より
黛敏郎:BUNRAKU
スタンフォード:ピアノ三重奏曲第3番より
シューベルト:ノットゥルノop.148 D897 
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番より

※お詫び:チラシ・ウェブ記載のプログラムに誤りがありました。当初、スタンフォードのピアノ三重奏曲が「第2番」となっていますが「第3番」の間違いです。
Profile
多喜 靖美/Yasumi Taki(ピアノ)
桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。卒業後、ドイツ、オーストリアで研鑽を積む。チェコのマルティヌー弦楽四重奏団、ポーランドのワルシャワ・フィル==コンサートマスター、スロヴァキアのドヴォルザーク弦楽四重奏団、チェコ・フィルハーモニー六重奏団、ウィーンフィルメンバーなど国内外の著名奏者と共演。また、門下生から数多くのピアニストや国内外のコンクール入賞者を輩出し、後進育成の面でも高い評価を受けている。1993年ドイツ・ザクセン地方独日協会、1994年イギリス・イートンカレッジ、1995年イギリス・ウィットギフトスクール、2003年ドイツ・ユーゲントムジツィアットより招聘を受け生徒と共に渡欧し各地でコンサートを行う。2009年、2010年ワシントンDCで開催の『ワシントン国際ピアノフェスティバル』、2012年埼玉県秩父市で開催予定の『ちちぶ国際音楽祭』の教授に招聘される。大和日英基金、日本クラシック音楽協会優秀指導者賞、(社)全日本ピアノ指導者協会指導者賞、トヨタ指導者賞、特別指導者賞等を受賞。ピアノ学習者のための室内楽導入書『しつないがく・はじめの一歩』(東音企画//全5巻)を出版。また、2004年より、親しみやすい形で音楽を紹介するコンサート『多 喜靖美・音楽の宝箱』を各地で展開。 演奏活動、個人レッスンの他、各種コンクールの審査、マスタークラス講師、演奏法・指導法講座や室内楽研修会講師を各地で行っている。 入野義朗音楽研究所講師、 桐朋学園大学デュオ・室内楽嘱託講師、 ピアノミュージックアカデミー講師を経て、現在、ミュージック・スタジオC特別顧問、ジャスミン音の庭室内楽クラス代表、ショパンコンクールiinnアジア多摩地区実行委員長、 (社)日本演奏連盟会員、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会評議員、同協会アンサンブル国際交流委員会委員、メディア委員会委員、ジャスミンKOMAEステーション代表、プレビューアカデミー講師、昭和音楽大学非常勤講師。
ホームページ:『多喜靖美~音楽の宝箱~』
阿部 真也/Shinya Abe(ヴァイオリン)
幼少よりピアノを、13歳よりヴァイオリンを始める。18歳で渡米。サンフランシスコ音楽院在学中指揮者として選ばれオーケストラを指揮するほか、アスペン音楽祭にも全額奨学指揮者として参加。2004年同音楽院修了。同年よりピアニスト犬飼新之介氏と日本、イタリア、ドイツ・フランクフルトでデュオリサイタルに出演。2005年より住居をドレスデンに移し、オーケストラ奏者としての研鑽を積む傍ら、ドイツ、フィンランド、イタリア、ブタペスト、ロンドン、スペインで行われた指揮者講習会に数多く参加。2006年コルドバ国際指揮者コンクール入賞。以来客演指揮者として多くの演奏会に招待を国内外で受けている。2007年より生田流地歌箏曲演奏家・奥田雅楽之一氏とヴァイオリンと箏のデュオとして日本、アメリカ、イタリア、ウィーン、ザルツブルグなどで数多くの演奏会に出演、好評を得る。同年よりエドワードサイード音楽院べツレへム校ヴァイオリン、ヴィオラ、室内楽科教授に就任。同音楽院オーケストラ、パレスティナユースオーケストラの音楽監督も兼任。任期中には数多くの演奏家との共演や、オーケストラのヨルダン、ドバイ演奏旅行で成功を収める。現在は客員教授として籍を置いている。日本では東京を中心に2007年より「阿部真也と仲間達室内楽シリーズ」を始め、9回目にしてアメリカ公演を果たし、サンフランシスコ響首席奏者たちと共演。10回目にはサンフランシスコ響首席奏者たちを日本に招き、記念演奏会を開催。2012年4月にはさくらホールに於いて第20回記念コンサートを開催し、村上弦一郎氏を迎えての演奏会を開催、好評を得る。2008年よりNew Chamber Soloists常任指揮者に就任。2009年より指揮者・小林研一郎氏に認められ国内外で首席ヴィオラ奏者として「コバケンと仲間たちオーケストラ」などに参加。2010年よりロームミュージックファンデーションより室内楽発展のための助成、なお在外研究生としての助成を受けている。2010年より山田和樹率いる横浜シンフォニエッタ客演コンサートマスター、首席ヴィオラを務めている。2011年サンフランシスコ交響楽団弦楽合奏団を指揮し好評を得る。同年、ラフォルジュルネ東京に於いてヴィオラのソリストとして横浜シンフォニエッタと共演。同年よりカリフォルニアで開催されるマリーン室内楽音楽祭に指揮者、ヴィオラ奏者・講師として参加。「パレスチナ音楽日記」を出版。音の輪音楽教室、2012年よりジャスミン音の庭(多喜靖美氏代表)室内楽講師として後進の指導にも力を注いでいる。
今までにピアノを後藤和美、藤田こず枝、平賀芙美子、マック・マクレーイン各氏に師事。ヴァイオリンを仲島環子、川口美枝子、杉田幸一、サーン・オリバー、マリコ・スマイリー、スザーン・レオン、ウェイ・ヒー、カメラ・ウィックス女史各氏に師事。ヴィオラをレオニード・ガシン、ジョディー・レイビッツ、キャサリン・キャロル、川崎雅夫(アスペン音楽祭にて)各氏に師事。室内楽をマーク・ソーコル、イヤン・スエンスン、ボニー・ハンプトン、原田禎夫各氏に、アイザック・スターン、レオン・フィッシャー、メナマム・プレスラー、キム・カシカシャン、東京カルテット、ターカシュカルテットのマスタークラスを受講。指揮をアレスディア・ニール、サイモン・ストリートフィールズ、デヴィット・ジンマン、マリー・シドリン、アラン・ギルバード、ハートムート・ヒンヘン各氏に師事。 使用しているヴィオラは元日本フィル首席ヴィオラ奏者で現在原宿アコスタディオ代表・赤星昭生氏が使用していた名器「1700年ヤコブ・シュタイナー」をアトリエ de Mari代表、伊藤怜子氏の協力のもと譲り受けている。
谷口 賢記/Masanori Taniguchi(チェロ)
4歳にてピアノ、18歳にてチェロを始める。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科にて生物学を専攻し修士課程を修了。京都大学交響楽団ではチェロ首席奏者、学生指揮者として活躍し、23歳の頃に音楽への進路変更を決意。2003年には久石譲氏主催の「Piano Stories 2003 'a Wish to the Moon'」 にチェロアンサンブルメンバーとして参加し、全国ツアーを行った。  2004年にボストン音楽院へ留学、同院よりチェロ演奏において音楽修士号、ならびに全額奨学生としてディプロマを修得した。在学中は特に室内楽を中心とした活動を活発に行い、2005年には、『Three Colors Trio』のメンバーとしてCMFoNE第1回国際室内楽コンクールで第1位に入賞、カーネギーホールにて受賞者演奏を行うなど、受賞歴多数。一方、2004年には『Boston String Quartet』を創始、クラシック音楽に限らず幅広いジャンルの演奏に取り組み、4枚のアルバムをリリース、ロサンゼルスミュージックアワードやカーネギーホールにも出演し、2008年には教育プログラムとコンサートを融合させた「Xibus」全米ツアーを行った。並行して『Vuk School of Groove』にてチェロ講師を務め、2007年から2009年にかけては『Boston Philharmonic Orchestra』及び『Atlantic Symphony Orchestra』の団員として幅広い活動を行った。
 2009年より本拠地を東京に移す。現在は、『Kuhmo'z』のメンバーとして全国室内楽公演を行っている他、(株)ミュージック・オフィス合田のアーティストとして歌謡コンサートにてチェロソロ出演を重ねている。また、2009年にアメリカのバッファロー市において、マルセル・ティバーグ(1893-1944)の弦楽六重奏(1932)を世界初演、録音するなど、新曲の発掘や現代曲の紹介にも積極的に取り組んでいる。一方、2008年にボストンにて若手教育のための国際音楽祭『ユース&ミューズ』を創始し、埼玉県秩父市にて『ちちぶ国際音楽祭』の音楽副監督および指導者主任を務めるなど、指導者として後進の指導にも力を入れている。  (社)全日本ピアノ指導者協会正会員、同協会ジャスミンINAGIステーション代表。これまでチェロを近藤浩志、菊地知也、Andrew Mark、Timothy Eddy、Natasha Brofskyの各氏に師事。室内楽をRoger Tapping、Bruce Hangen、Rhonda Rider、Patricia McCarty、Rictor Noren、Jonathan Cohler、Max Levinson、Jonathan Bass等に師事。

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