【インタビュー】福川伸陽さん(ミュージック・ブランチ)

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2009/09/14
次回のミュージック・ブランチ(2009年10月6日 杉並公会堂)に出演いただくホルン奏者の福川伸陽さん。今日は、ソリストをつとめられる翌日の公演(日本フィル第333回名曲コンサート@サントリーホール)のリハーサルの後、コメントをいただきました。

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▼今回のプログラムについてお聞きします。 

実はまだ悩んでいるんです!ピアノとホルンの曲で代表的なのは、ベートーヴェン、シューマン、ヒンデミットなどで、残念ながらモーツァルトは協奏曲しか書いていないんです。あと今回演奏してみたいと思っているのはメシアンの『峡谷から星たちへ』。この曲は管弦楽曲なのですが、その中の一曲がホルン独奏の楽曲になっているのでプログラムの視野に入れているところです。ベートーヴェンは、やはり馴染みのある作曲家なので、演奏したいと思っています。 ベートーヴェンのホルンソナタは、彼が唯一管楽器のために書いたソナタで、たった一晩のうちに書かれた曲だそうです。彼の若い頃の作品(Op.17、1800年作曲)なので、後期のようなガーンといった深刻なかんじではなく、とても明るい曲ですので楽しんでいただけると思います。 

▼ホルンの独奏は、一般には聴く機会が少ないと思いますが、ホルンの魅力を教えてください。 

1つには深い音色が出せること。それから表現力も多彩で、木管アンサンブルに入れるくらい音量も音域も(4?5オクターブ)幅広く、金属的な音から柔らかい音まで出すことができます。オーケストラの中でホルン独奏が出てくるとパッと雰囲気が変わり、不思議な魅力を放ちます。オーケストラの中で吹いている時は、自分が歯車の一部になったかんじで、ソロの場合はすべての歯車を自分で動かすという感覚になりますね。動かすのも動かされるのも違った楽しみがあります。 

▼本番に備えて日頃から気をつけていること、心がけていることはありますか?

 リンゴを食べない。(一同笑い)これは僕の場合ですが、楽器を吹く前にリンゴを食べるとリンゴに含まれている何らかの成分が唇をガビガビにしてしまうんです。それは普通の人には感じない程度らしいのですが、でも楽器を口にあてたときに『なんか違う...』って感じるんですよね。実際、音がかすってしまったりうまくコントロールができないことがあるので、楽器を吹く日の朝と昼はリンゴを食べません! あとコーヒーも飲まないですね。もともとコーヒーは好きなんだけど...(笑)楽器を吹くということは筋肉を動かすということなので、カフェインが筋肉に作用してしまって体に良いことがなく、飲まないようにしています。ほんの少しのことですが、気を使いますね。 

 ▼ご来場予定の皆様に、メッセージをお願いします。

普段はオーケストラに入っている楽器なので、なかなかホルンをソロで聴く機会もないと思います。弦楽器などは比較的ソロでもよく聴けますが、特に金管楽器はうるさいんじゃないかなと思われていることもあるようです。そんな壁を取り払って、全然そうではないんだよということを、音を聴いて感じてもらえたらいいなと思います。いつもはオーケストラの後ろの方で目立ちませんが、僕たちも頑張ってるんだよ!という姿も知ってもらえたらなと思います(笑) 杉並は活気がある街という印象があります。というのも、日本フィルの公開リハーサルというのがあるのですが、それにはすっごくたくさんの人が来てくれるんですよ。あと、アフタヌーンコンサートというのも1年に4回あるのですが、平日のお昼なのにほぼ満員になったり。音楽好きの人が多くて、杉並区のオーケストラ団員としてそのようなことを嬉しく思い、今回演奏させていただくのをとても楽しみにしています。 

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 リハーサル終了直後でお疲れのところ、とても気さくにお話してくださいました。よく見ると福川さんの右手には大きなタコがありました。そのタコはイギリス留学されたときに変えた持ち方の為ですが、その持ち方によってクリアな音色が出るようになったそうです。そんな福川さんの美音をぜひ皆さんにも聴いていただきたいと思います。(レポーター:アコールヴィブレ・渡辺ら夢)

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